日本でも古くから銀貨が発行されており、そのなかでも近代貨幣の銀貨は現在でもコイン専門店を中心に買取が行われています。
明治から大正にかけて発行された近代貨幣銀貨は、日本のコイン収集家の間でも人気のあるコインです。
また日本で近代貨幣を含む銀貨を購入したいと考えた場合は、特定のお店を利用して購入する必要があります。
この記事では、日本で発行された銀貨を一覧形式で紹介した上で、銀貨の購入方法を紹介します。
日本で発行されている銀貨一覧
1870年以降に発行された近代貨幣と呼ばれる銀貨の種類は以下のとおりです。
- 5銭銀貨(旭日竜5銭銀貨)
- 10銭銀貨(竜10銭銀貨)
- 50銭銀貨(八咫烏50銭銀貨)
- 新1円銀貨
- 100円銀貨(鳳凰100円銀貨)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
5銭銀貨(旭日竜5銭銀貨)
画像引用:https://www.buntetsu.net/mbc/m005_s.htm
概要 | 内容 |
発行国 | 日本 |
発行年 | 1870年 |
額面 | 5銭 |
直径 | 16.1mm |
重量 | 1.25g |
品位 | 銀800、銅200 |
金本位制の時代に発行された5銭銀貨であり、補助通貨の役割として発行されたものの流通不便とされたため、製造を打ち切られました。
非常に小さい銀貨となっていますが、表面には龍、裏面には菊・旭日・桐が描かれています。
10銭銀貨(竜10銭銀貨)
概要 | 内容 |
発行国 | 日本 |
発行年 | 1880年 |
額面 | 10銭 |
直径 | 17.57mm |
重量 | 2.70g |
品位 | 銀800、銅200 |
竜10銭銀貨は、明治6年~明治39年まで発行された銀貨ですが、第一次世界大戦による銀の高騰により、大正10銭政府紙幣に貨幣が改められました。
旭日竜と同様に表面に竜が描かれるデザインとなっていますが、裏面のデザインが異なり、十銭という文字が大きく描かれています。
同様のデザインで20銭銀貨も発行されていましたが、こちらも大正20銭政府紙幣の発行により、再び貨幣が発行されることはありませんでした。
50銭銀貨(八咫烏50銭銀貨)
画像引用:https://www.takarastampcoin.com/info/post-55/
概要 | 内容 |
発行国 | 日本 |
発行年 | 1918年 |
額面 | 50銭 |
直径 | 24.85mm |
重量 | 6.75g |
品位 | 銀800、銅200 |
50銭銀貨も旭日竜・竜のデザインの50銭銀貨が発行されていますが、そのなかでも幻の銀貨とされている八咫烏50銭銀貨をご存じでしょうか?
八咫烏50銭銀貨は1918年~1919年にかけて発行され、日本銀行で保管されていましたが、銀の値上がりにより実際には流通することがなかった銀貨です。
すでに発行された銀貨のほとんどが溶解されたと考えており、現在流通している銀貨のほとんどが偽物かレプリカであるため幻の銀貨といわれています。
新1円銀貨
概要 | 内容 |
発行国 | 日本 |
発行年 | 1885年 |
額面 | 1円 |
直径 | 38.6mm |
重量 | 26.96g |
品位 | 銀900、銅100 |
1円銀貨は、明治3年に発行された旧1円銀貨とその他の新1円銀貨の2種類に分けられ、大型で見栄えも良く、希少性があることから現在でもコレクターの間で取引されています。
価格としては高値になることは少ないですが、人気が高いことからレプリカや偽物が一定数流通しているため、購入には注意が必要です。
100円銀貨(鳳凰100円銀貨)
概要 | 内容 |
発行国 | 日本 |
発行年 | 1957年 |
額面 | 100円 |
直径 | 22.6mm |
重量 | 4.8g |
品位 | 銀600、銅300、亜鉛100 |
100円銀貨のなかでも鳳凰100円銀貨は1957年~1958年のわずか1年の間しか発行されていない銀貨ですが、現行通貨であるため銀行で額面通りの両替が可能です。
ただし、コイン専門店などで買取を行なうと希少性があることから、100円以上の額面で買取を受けられる可能性が高い価値のある銀貨になります。
日本のアンティークコインについて知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
日本で銀貨を購入する方法
日本にもさまざまな銀貨が存在しますが、このように希少性のある銀貨をどこで購入すればいいのか分からない方もいることでしょう。
日本の銀貨は世界のアンティークコインと比較して安価で流通していることが多いですが、素性の分からない個人が利用できるオークションサイトでは偽物やレプリカが流通しているケースも多く、購入先を選ぶ必要があります。
銀貨を日本でリスクを抑えて購入する方法は主に3つあります。
- 造幣局
- 貴金属店
- コイン専門店
造幣局
現行通貨に銀貨はありませんが、造幣局は記念コインを発行する際は額面を設定した金貨や銀貨を発行します。
日本の造幣局が発行する記念銀貨は、造幣局から申し込むことで購入可能であり、この方法での購入が最も信頼性が高いです。
ただし、記念コインの申し込みは期間限定であり、購入できる銀貨も一部になるので、すでに発行されている銀貨で欲しい銀貨を購入する方法にはなりにくいかもしれません。
額面が設定された通貨型のコインに関して詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
10万円の額面を持つ金貨とは? 通貨型金貨の性質についてもご紹介
貴金属店
貴金属店では主に海外で発行された投資用の銀貨を購入できます。
投資用の銀貨とは、純銀で作られた銀価格と連動するコインのことを指します。
地金型銀貨では、イギリスで発行されたブリタニア銀貨が有名です。
貴金属店では日本の銀貨の取扱は少なく、扱うコインのバリエーションが狭いので、アンティークコインではなく銀貨による銀投資に興味がある方におすすめの購入先になります。
銀投資について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
銀投資のおすすめの方法は? 金ではなく銀を選ぶ理由についても解説
コイン専門店
信頼しにくいオークションサイトに頼らず、一定の信用がある販売元に絞ると日本の銀貨を含めたアンティークコインを購入する方法は限られてきます。
最も広くさまざまな種類の銀貨を購入する方法は、コイン専門店を利用する方法です。
コイン専門店では、お店によってはコインの種類に偏りがあることもありますが、さまざまなアンティークコインが購入できる場所になります。
幅広い種類の銀貨が購入できるので、特定の銀貨をお探しの方はコイン専門店を利用するのがおすすめです。
銀貨を含むアンティークコインの購入方法についてはこちらの記事をチェックしてください。
日本の銀貨に関するよくある質問
日本の銀貨に関するよくある質問をまとめました。
- 日本の銀貨の価値は高い?
- 日本で銀貨を購入できるおすすめの場所は
それぞれ詳しく見ていきましょう。
日本の銀貨の価値は高い?
存在自体が幻である八咫烏50銭銀貨のようなコインに本物があれば高値が付くことは考えられます。
しかし、発行枚数が多く、図柄がシンプルで大きさも小さいため、海外のコイン収集家から注目されることも少ないです。
加えて海外と比較して日本はアンティークコインの収集家が少ないので、価値が上がりにくいかもしれません。
日本の銀貨はアンティークコイン収集においてメインのテーマになることは考えにくいのが現状です。
アンティークコインの価値の決まり方について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アンティークコインの価値は? 買取価格を左右するグレードについても解説
日本で銀貨を購入できるおすすめの場所は
日本で銀貨を購入できるおすすめの場所はコイン専門店であり、当サイト「コインライブラリー・プリンシパル」では、特定の国や地域に仕入れを偏らせず、日本を含めたコインの仕入れを行っています。
当サイトではコインの買取も受け付けていますので、希少性のあるコインをお持ちの方は買取をご相談ください。
詳しくはこちらのページからご参照お願いいたします。
まとめ
日本の銀貨について詳しく解説しましたが、流通用に発行された銀貨であるため、状態のいいものが現存している場合は、一定の希少性を持つ場合があります。
同じ種類の銀貨であっても状態や発行年によってもその価値は異なるので、一概にいくらとは言い難いですが、時が経つにつれてさらに希少性が高まり価値が増すことは期待されます。
銀貨を含むアンティークコインのこのような性質を利用したアンティークコイン投資について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。