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公開日 2022.9.30更新日 2022.9.30

金貨の売却にかかる税金は? 確定申告における注意点を解説

金貨の売却による利益には税金がかかるので、確定申告をして正しい税金を納める必要があります。

事業者ではなく個人で金貨を売却する場合は、譲渡所得として課税を受けるので給与などの所得と合算した総合課税により税金を納めます。

金貨の売却益の確定申告を行う際には、取得価格を証明できる書類を保存するなどの注意点があるので気をつけましょう。

この記事では、金貨の売却でかかる税金について解説した上で、確定申告を行う上での注意点も解説します。

金貨の売却にかかる税金

金貨の売却にかかる税金

金貨の売却には税金がかかりますが、個人や事業で行うかによって譲渡所得として課税されるか、事業所得として課税されるかが変わってきます。

場合によっては、個人でも譲渡所得ではなく雑所得として課税されることもあるので、まずは金貨の売却にかかる税金の区分を理解しておきましょう。

譲渡所得として総合課税

金貨の売却にかかる税金は個人で確定申告して税金を納める場合は、原則として譲渡所得になります。

譲渡所得として課税される場合は、譲渡所得全体から特別控除額50万円を差し引いた価格を総合課税として給与所得などと合算して税金を納める仕組みです。

金貨の売却益以外に譲渡所得がない場合を前提に所得金額の計算をすると以下のとおりになります。

短期譲渡所得(所有期間が5年以内)

売却価額-(購入代金-譲渡費用)-50万円=課税対象金額

長期譲渡所得(所有期間が5年以上)

売却価額-(購入代金-譲渡費用)-50万円×1/2=課税対象金額

売却価額から購入代金と手数料などの譲渡費用を差し引いて、純粋な利益を出した上で、特別控除額を差し引く計算方法になります。

譲渡所得は金貨の所有期間によって計算方法が異なり、5年以上であれば課税対象金額が2分の1になるので支払う税金が安くなる仕組みです

事業所得や雑所得として課税されることもある

法人を立ち上げ、事業として金貨を売買している場合は事業所得として課税対象になります。

譲渡所得として課税されないため、特別控除額などの恩恵を受けることはできませんが、経費にできる費用が増え、他の事業所得における損益と通算して申告できるなどの独自のメリットがあります。

基本的に個人で金貨を売買する場合は譲渡所得として課税されますが、売却の頻度によっては雑所得として課税されるケースもあるようです

事業所得として申告する場合はどこまでを経費にするのか、どの所得と損益通算できるのかに自信がない場合は税理士に相談してから申告を行うのもよいでしょう。

一方で、個人で金貨を事業規模で売買している場合は、譲渡所得にあたるのか雑所得にあたるのかを専門家などに相談することをおすすめします。

金貨の売却で確定申告を行う場合の注意点

金貨の売却で確定申告を行う場合の注意点

金貨の売却で確定申告を行う場合の注意点は3つあります。

  • 取得価格を証明できる書類を保存する
  • 譲渡所得が50万円以下の場合は不要
  • 他の所得との損益通算ができない

それぞれ詳しく見ていきましょう。

取得価格を証明できる書類を保存する

金貨の売却益を確定申告する際は、取得価格が証明できることが重要です。

万が一にも証明できない場合は、実際の売却益にかかる税金よりも多くの税金を支払うことつながるので注意が必要です。

金貨の購入時点で必ず取得価格を証明できる書類を入手して保存するようにしましょう。

購入方法によっては記録が残っており、後から調べて証明できる場合もありますが、記録が残っていない場合は後から購入価格を証明することが難しくなります。

譲渡所得が50万円以下の場合は不要

譲渡所得の計算では特別控除額の50万円を差し引きますが、金貨の売却益が50万円以下である場合はどうなるのでしょうか。

基本的に50万円以下の場合は課税対象となる金額がないので、確定申告は不要です。

ただし、特別控除額は年間の譲渡所得の合計から差し引くので、金貨の売却益以外に譲渡所得に該当する所得があり、50万円を超えるのであれば、金貨の売却益が50万円以下であっても確定申告が必要になります。

譲渡所得の対象となる例は金貨などの地金や骨董品(アンティークコイン等)以外には、下記の資産で資産の譲渡や、一般的な売買がなされたときに利益が発生した場合です。

  • 土地・建物・借地権
  • 株式
  • 宝石
  • ゴルフ会員権

税金の区分は売買の方法や頻度によっても変わってくるので、上記の例はあくまで一例として考え、他にも譲渡所得がある場合は金貨の売却益が50万円以下であった場合でも申告が不要ではないことを理解しておきましょう。

他の所得との損益通算ができない

損失があり他の所得と合算して申告することで控除を受ける方法には損益通算があります。

損益通算では、40万円の損失が発生した場合に、100万円の課税対象金額に関して通算を行うことで、40万円分の利益に関しては課税を行わず、60万円分の課税対象金額に課税を行う節税方法です。

しかし、譲渡所得として申告する場合は、金貨が生活に通常必要ではない資産として判断されることから損益通算の対象外になります。

ただし、事業所得として申告する場合は、他の事業所得との損益通算が可能です。

金貨の売却でかかる税金に関するよくある質問

金貨の売却でかかる税金に関するよくある質問をまとめました。

  • 売却以外でかかる税金はある?
  • 金貨の売買は初心者なのでサポートを受けたい

それぞれ詳しく見ていきましょう。

売却以外でかかる税金はある?

売却以外でかかる税金はある?

金貨は売却以外では、相続贈与により税金がかかります。

相続や贈与をする場合は評価額が重要になりますが、税法上妥当な価格を算出する必要があるので、税理士などの専門家に相談した上で税金を納めることをおすすめします

金貨の売却の場合は、確定申告を行う以外に特別なことをする必要がないので、必ずしも専門家に相談する必要はありませんが、相続や贈与を行う場合はサポートを受けましょう。

金貨やアンティークコインにかかる税金についてはこちらの記事で紹介しています。

アンティークコイン投資の税金とは? 購入・売却・相続にかかる税金

金貨の売買は初心者なのでサポートを受けたい

コインライブラリー・プリンシパル

まだ金貨を購入しておらず、金貨の売買は初心者であるため、販売先からサポートを受けたい方もいることでしょう。

金貨の購入目的がアンティークコイン投資であれば、税金を含めたサポートもできる購入先があります。

当サイト「コインライブラリー・プリンシパル」では、金貨に関する知識だけでなく、資産形成や税金に関する知識も兼ね揃えたスタッフが在籍しているので、税金に関する相談を気軽に行うことが可能です。

基礎的な知識から、将来的な相続や贈与などの相談まで受け付けていますので、金貨への投資を考えている方はお気軽にご相談ください

資産形成を目的に金貨の購入を考えている方はこちらのページから相談が可能です。

まとめ

金貨の売却にかかる税金と確定申告を行う注意点について解説しました。

基本的には、譲渡所得として課税対象になり、譲渡所得全体が50万円以上になる場合に確定申告をする必要があります。

正しい税金を納めない場合は追徴課税を受ける可能性があるので、金貨で売却益を得た場合は必ず確定申告をするようにしましょう。

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この記事の著者

アンティークコイン ジャーナル編集部

英国王室シリーズから古代コインまで、幅広い年代のコインの紹介だけではなく、試鋳貨、造幣局による違い、彫刻家、リストライク、などアンティークコインの魅力や楽しめる知識をフラットに情報提供している。編集長は、英国王室コインと、動物コインシリーズが好き。

アンティークコイン ジャーナル編集部

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