資産を保有している方は、インフレによって今持っている日本円の価値が目減りすることで、資産価値が減少してしまうため資産運用によるインフレ対策が必要になります。
インフレは経済不安で大きく加速し、長期的にはインフレに向かって進んでいくことが経済における常識です。
そのため、現在保有している資産の価値を減らさないためにも、すべて貯金するのではなく、近い将来使うことがない現金に絞ってインフレ対策となる資産に換えることが富裕層の常識です。
しかし、現在、富裕層の間では従来のインフレ対策の加えてアンティークコイン投資が注目されています。
この記事ではインフレ対策となる資産運用の新常識であるアンティークコインの価値と投資対象として優れている理由を中心に紹介し、インフレ時代における資産運用について解説します。
インフレを意識して資産運用を始める局面とは
インフレは長期的な視点で考えれば進み続けるため、資産を保有する以上、常に対策する必要があります。
日本では長らくデフレが続き、貯金しているお金の価値が減少しているという事実を実感しにくい環境であることから、資産のすべてを日本円で貯金し、インフレ対策を疎かにしている富裕層も多く存在しました。
これまでは貯金をしていてもお金の価値が大きく減少することはなかったかもしれませんが、これからもそうであるとは限りません。
また、下記のような状況にある場合は、インフレ対策が急務ともいえる状況ですので、インフレを意識して資産運用を始める局面について解説します。
- 各地で値上がりが発生している
- 円安によりお金の価値が減少している
各地で値上がりが発生している
生活のなかでインフレを実感しやすい状況は、食べ物、生活用品などの物やサービスなどの値上げです。
100円で購入できていた缶ジュースが、140円出さなければ購入できなくなったというもの値上がりを実感する代表的な例といえます。
このように各地で値上がりが発生している状況は、物やサービスの価値が上昇し、お金の価値が下がっていることを意味するので、インフレ対策が必要になります。
円安によりお金の価値が減少している
日本円の価値は不変ではないため、ドル、ユーロ、英ポンドなどの他の通貨と比較して安くなった状況を円安と呼びます。
円安の発生は他の国のお金と比較して相対的に円の価値が減少していることを意味するので、為替レートの数字は日本円の価値の減少を判断できる指標の一つといえるでしょう。
多少の円安であれば、再び円高に傾く可能性もあるため、危機感を持つ必要はないかもしれませんが、問題は深刻かつ長期的な円安です。
円安は企業によっては利益をもたらすこともありますが、長期的な円安は特に輸入を中心としている国内企業には不利になります。
特に日本は、食料やエネルギーなどを輸入に依存しているため、円安によって企業が値上げせざるを得なくなり、インフレが加速するという事態も十分に考えられます。
上記のような事態に陥っている場合は、今後インフレが加速した状態であるハイパーインフレが発生する危険性もある状態にあるため、インフレ対策が急務といえるでしょう。
インフレに強いといわれている資産運用
日本で現金を長期的に保有するリスクには、低金利政策により預金の利率が非常に低く、インフレが発生した際にまったく対応できないことが挙げられます。
よって、インフレ対策のために保有している現金の一部を資産運用に回すことが重要になり、これまでインフレに強いといわれてきた資産運用は下記の3つです。
- 株式投資
- 不動産投資
- 金投資
それぞれ詳しく見ていきましょう。
株式投資
株式投資は企業が発行する株券を投資家が購入し、業績や利益に応じて企業が投資家に利益や優待などの特典を投資家に分配する投資方法です。
近年では、日本企業だけでなく、外国企業にも証券会社から投資できるようになった影響から、資産を日本円だけでなくドルに分散させるためにも米国企業への投資も盛んになっています。
日本だけでも数千以上の企業に対して投資できることから選択肢も広く、現金を株に換えることは代表的なインフレ対策として知られてきました。
経済状況に不安がない場合などに長期的なインフレ対策として株式投資を選ぶなら問題ないかもしれませんが、経済に不安がある場合は株価の変動も不安定になります。
株式はリスクの高い資産として知られているので、投資家の間に不安が広がっている場合は価値が減少し続ける可能性もあるので、経済不安によるインフレを懸念して始める資産運用としては適切ではないかもしれません。
不動産投資
一般的な不動産投資は、物件を購入し、購入した物件を顧客に利用してもらうことで得られる賃料収入が利益となる投資方法です。
不動産投資で利用する家やマンションなどの物件は物であることから、お金の価値が減少すれば物件の価値も相対的に上昇するためインフレに強い代表的な資産運用の1つとなっています。
また、不動産投資は基本的に物件を購入するためにローンを組んで投資するため、お金の価値が減少するということは借金の価値も減少します。
低金利政策でローンを組んでもあまり利息がつかないことから、仮に大きなインフレが来ると予測しているのなら無理なく返済できる金額を借りてしまうのは得になるといえるでしょう。
ただし、インフレ対策として始める資産運用のなかでも事業的な側面が強く、始めるためにも知識が必要です。
保有資産と購入する物件によっては自己資金でも不動産投資は始められますが、基本的にローンを組む前提であるため、自身が保有している資産の範囲内でインフレ対策をしたいという目的であれば適した方法ではないといえるでしょう。
金投資
金(ゴールド)は現代社会において一定の需要が存在しており、埋蔵量も限られていることから希少性があるため、紙幣を金に換える金投資は有力なインフレ対策として知られています。
金の価値はインフレと共に長期的に上昇する傾向にあるため、金の保有はインフレへのリスク対策として優秀です。
購入方法もインゴットなどで保有するだけでなく、純金積立や、金を対象にした投資信託に投資する方法もあるので必ずしも金を自宅に保管する必要はありません。
ここまで紹介した資産運用のなかでもインフレ対策という目的で投資を始めるなら最も優秀ではありますが、問題はその知名度の高さから価格変動が不安定な場合があるということです。
金は安全資産として知られていることから、経済不安が広がった場合や、インフレが懸念される状況では多くの投資家が金を購入します。
つまり、金に需要が集中することで金価格が急上昇し、割高となることから金が購入しにくくなる状況が発生することもあります。
長期的に保有するとしてもできる限り割高な状態で購入するのは避けたいところであり、特に早急なインフレ対策が必要という状況においては金価格が必要以上に上昇し後に暴落する可能性もあるため、投資する局面によっては必ずしも金が安心で安全な投資先とはいえません。
インフレ時代における資産運用の新常識となるアンティークコイン投資とは?
ここまで従来の資産運用におけるインフレ対策におけるメリットと懸念される問題について解説しました。
理想としては、インフレ対策として優れていることを前提にここまで挙げた問題を解決する資産運用を始めたいと思うことでしょう。
株式などの金融市場の混乱の影響を受けず、価格が安定しやすい資産として富裕層の間ではアンティークコイン投資が注目されています。
アンティークコインとは、100年以上前に発行された金貨・銀貨・銅貨・メダルのことを指します。
世界中にコレクターがいることから広い需要があり、価値も数万円のコインから数千万円の価値のあるコインもあることから、広く購入しやすい投資対象です。
アンティークコインが注目されている理由は金と同様に物であることからインフレに強く、その上で価格が安定していながら長期的な成長が期待できる点にあります。
イギリスの主な資産である株式(FTSE)・不動産(UK property)・金(Gold)の成長率とイギリスの希少価値のあるアンティークコインのオークションの落札価格から算出した成長率を比較したデータがあり、下記の通りです。
画像引用:Stanley Gibbons
他の資産は右肩上がりに上昇するものの年度によっては不安定な状況もありますが、アンティークコインの成長率を示す水色のグラフは綺麗な右肩上がりの曲線を描いていることが分かります。
つまり、購入するタイミングを問わず、長期的に保有すれば安定した成長が期待できるということです。
このようにアンティークコインはインフレ対策の資産として理想的な性質を持っていることから、従来の資産運用に代わる新たな投資先として注目されています。
インフレ対策にはアンティークコインのような実物資産が有効といわれていますが、インフレ対策となる実物資産の特徴や、なぜアンティークコインが優れているのか知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
インフレ対策となる資産の3つの特徴とは? 資産を守る投資対象も紹介
資産としてのアンティークコインの価値について
アンティークコインは広く収集用として集められていることが知られていますが、投資を検討するなら資産として考えたときの価値を知っておく必要があります。
主にアンティークコイン投資で投資対象となっている金貨・銀貨の価値とその他の銅貨やメダルなどの価値も含めて、それぞれの投資対象としての特徴を理解しておきましょう。
金貨の資産価値
金貨は金を含有していることから希少性が高く、地金型金貨と呼ばれる金価格に連動した価値を持つ投資用のコインが現在でも発行されるほどです。
地金型金貨の場合は金価格に連動するため、金投資の側面が強いですが、アンティークコイン投資の対象として価値を持つのは希少性のある収集価値が高い金貨になります。
金は現在でも希少価値のある貴金属であり、歴史上でも多くの国の間で金を求めて多くの出来事が起きています。
このような希少価値のある金によって造られた金貨は現存数が少ないものが多く、100年以上前に発行された金貨であれば高い希少価値を持つこともあるのです。
100年以上前に発行された金貨の価値は数十万円程度から購入できるものから、数千万円、場合によっては1枚で億単位にもなる資産価値を持った金貨も存在します。
希少性の高い金貨は高い資産価値を持つことから、アンティークコインの投資対象に適したコインとして知られています。
金貨の投資価値や種類について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
銀貨の資産価値
銀貨は希少性は金に劣るため、銀を含有していることに価値を見出すのは難しいですが、アンティークコインの種類によっては金貨よりも高い資産価値を持つこともあります。
アンティークコインの価値は希少性にあるため、100年前に5万枚発行され現存枚数も多いと考えられている金貨よりも、世界に最高でも10枚しか存在しないと考えられている銀貨であれば、後者のほうが価値が高まりやすいといえるでしょう。
しかし、銀貨は基本的に金貨に希少価値が劣ることから、全体で見れば金貨よりもお求めやすい数万円から購入できるアンティークコインも多いです。
そのため、少額からアンティークコインに投資したいと考える方は銀貨から探すと見つけやすいといえるでしょう。
銀貨の投資方法やその種類について詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください。
銀貨の投資方法は? 価値の推移と投資できる銀貨を一覧形式で紹介
銅貨・メダルの資産価値
銅貨・メダルは価値を見出すのが難しい場合が多く、数千円から数百円の物や、値段がつかない物まで多くあり、わざわざ銅貨やメダルからアンティークコイン投資の対象を探す理由はないといえるでしょう。
もちろん、アンティークコインの価値は希少性にあるため、高い希少性を持つ銅貨やメダルの場合は、資産価値を持つこともあります。
しかし、インフレ対策で保有するのは投資額が少額過ぎることと、10年以上持っていても価値がまったく上昇しないコインが多いため、資産としての価値を持ちにくいです。
特別な希少性が無い限り、銅貨・メダルの購入は資産運用ではなく収集目的と考えましょう。
アンティークコインの値上がり事例など価値についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アンティークコイン投資のおすすめ銘柄と高額コインの値上がり事例
アンティークコインがインフレ対策の資産運用として優れている理由
アンティークコインが資産運用の対象になるほど価値がありますが、インフレ対策の資産運用として優れている理由は3つあります。
- 現存枚数が決まっており増えることがない
- 世界的に需要があるコレクション資産
- 金融市場と連動しない
それぞれ詳しく解説します。
現存枚数が決まっており増えることがない
インフレ対策として物に投資する場合、一番の問題は希少性の担保です。
アンティークコインは100年以上前に発行されたコインであり、現存枚数が決まっていることから、今後、減ることはあっても増えることはないので、希少価値が担保されています。
仮に1921年に発行された金貨を現代でリストライクしたとしても、新たに発行された金貨の価値が低いことはあっても、1921年に作られた金貨が増えたわけではないので、過去に発行された金貨の希少性は守られています。
つまり、希少価値は守られており、むしろ希少価値が年々増していくと考えられるため、保有を続けるほど資産価値の上昇が期待できるということです。
世界的に需要があるコレクション資産
アンティークコインは世界中にコレクターが存在しており、世界的に需要があるため、急激に需要がなくなる心配はありません。
今日も、世界中のコイン業者や、オークションでアンティークコインの売買が行われています。
コレクション資産は需要がせまい場合は、需要がなくなったときに急激な価値の低下が懸念されますが、仮に自国でのアンティークコイン需要がなくなったとしても世界に買い手がいることから売却に困ることはないでしょう。
金融市場と連動しない
株や金などの資産価値は金融市場の混乱に連動しやすく、購入のタイミングによっては安定しにくい資産といえるでしょう。
しかし、基本的にアンティークコインの価格は金融市場と連動しないため、インフレに加えて経済不安による市場の混乱にも強いです。
リーマンショックや、コロナショックなど資産の価値が大きく目減りする出来事があっても、アンティークコインの価値は一定で安定した成長を保ってきたため、インフレも含めた市場の混乱からも資産を守ってくれることが期待されます。
アンティークコイン投資は、長期的な資産防衛が期待できるため、インフレ対策の資産運用として優れているのです。
アンティークコイン投資についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アンティークコイン投資とは? 3つのメリット・デメリットを解説
インフレ時代の資産運用に関するよくある質問
最後に、インフレ時代の資産運用を考える上でよくある質問をまとめました。
- 貯金が十分にあっても資産運用によるインフレ対策は必要ですか?
- アンティークコイン投資を始める方法を教えてください
それぞれ詳しく見ていきましょう。
貯金が十分にあっても資産運用によるインフレ対策は必要ですか?
貯金が十分にあるからこそ、インフレ対策が必要という答えが正しいです。
インフレリスクは、貯金額が大きいほど高まります。
100万円貯金している人と1,000万円貯金している人では、1%のインフレで損をする額は1万円と10万円のように差が開くようになるからです。
貯金は100%安全な資産防衛手段ではなく、貯金が増えるほど資産運用によるインフレ対策を考える必要があるといえるでしょう。
アンティークコイン投資を始める方法を教えてください
今回紹介したアンティークコイン投資を始める方法は、資産価値のあるコインを購入することです。
一番簡単な方法は、アンティークコイン投資に特化したコイン業者から商品を購入する方法になります。
当サイト「コインライブラリー・プリンシパル」では、アンティークコイン投資に知識のあるスタッフが投資初心者も含めてコインの購入から売却までサポートいたします。
アンティークコインは、コインの購入方法が重要な資産運用であるため、始めるなら知識のある業者に相談することをおすすめします。
アンティークコイン投資に関する気軽なご相談もこちらから承っていますので、こちらのページからお問い合わせください。
また、アンティークコインの始め方について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アンティークコイン投資入門 グレード・希少性・人気などの選び方を解説
まとめ
インフレ時代における新たな資産運用であるアンティークコイン投資について紹介しました。
美しく希少価値のあるコインを長期的に保有し、資産価値の成長を楽しむ新たな投資方法は世界中の富裕層から受け入れられ始めており、日本でもインフレが進めば注目される可能性が高い資産運用です。
現在の状況に危機感を持っている方は、従来の資産運用でインフレ対策をするのではなく、新たな常識となり得るアンティークコイン投資で対策することをおすすめします。