インフレが発生すると物価の上昇により、お金の価値が目減りするため、現金以外の資産を保有しておくとインフレからお金を守ることができます。
物価は長期的な視点で見ればインフレによって確実に上昇していくと考えられるので、長期の資産運用ではインフレ対策を考えることが重要です。
ただし、インフレ対策に適しており安定した資産にはいくつかの条件があるため、投資を始めることが必ずしもインフレ対策になるとは限りません。
この記事ではインフレ対策となる資産の特徴を紹介した上で、資産を守ることができる具体的な投資対象も紹介します。
インフレやハイパーインフレに備えるには現金以外の資産が必要
インフレ(インフレ―ション)とは、物価が継続的に上昇し、現金の価値が継続的に下落している状態です。
例えば、100円で購入できていた缶ジュースを150円出さなければ購入できなくなったのであれば、物の価値が上がりお金の価値が下がっていることになります。
反対に、物価が継続的に下がり、現金の価値が上昇している状態はデフレ(デフレーション)です。
必ずしもインフレが良い、デフレが悪いという簡単な話ではありませんが、どちらも極端な状態になると社会に悪影響を及ぼします。
特に現金資産を多く持っている方が注意しなければならないのがハイパーインフレです。
ハイパーインフレは、インフレが加速している状態にあり、物価の価値が大きく上昇し、紙幣の価値が大きく下がったり、紙切れと同等になることもあります。
第一次世界大戦後のドイツでは、大戦の賠償にともないパピエルマルクの価値が暴落し、ハイパーインフレーションを引き起こした事例がありました。
感染症の蔓延による経済の悪化や、戦争の発生による世界情勢の不安はインフレを加速させる可能性があります。
日本では貯金が安全といわれていますが、貯金は加速するインフレには無力であるため、このようなリスクに備えるためには現金以外のインフレの対策となる資産を保有することが必要です。
ドイツのハイパーインフレの事例について通貨の歴史を含めて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ドイツ アンティークコインの歴史と価値【7種類の金貨・銀貨】
インフレ対策となる資産の特徴
世の中に投資の対象となる資産は数多く存在しますが、すべての投資対象が必ずしもインフレ対策に有効とはいえません。
インフレ対策となる資産の特徴は下記の3つです。
- 株などの金融資産以外の実物資産
- 希少価値が高く需要がある
- インフレに関係なく長期保有で価値が上昇する
それぞれ詳しく解説します。
株などの金融資産以外の実物資産
株はインフレに強い資産といわれていますが、リーマンショックや、コロナショックなどの影響を受けて大きく下落しています。
これは株を含む金融資産全般にいえることであるため、インフレを含めたさまざまな状況から資産を守るという目標を達成するなら、金融市場の混乱に対しても大きく価格を落とさない安定した投資対象であることが重要です。
金融市場の暴落によって価格を下げない投資対象を選ぶなら、金などの貴金属や、希少性の高いコインなどの実物資産がおすすめになります。
すでに株などの金融資産を保有している方は、株に加えて実物資産も保有すると市場の混乱からも資産を守りやすくなります。
インフレ対策はお金を実物のある物に換えることが重要であるため、実物資産から選ぶことが重要です。
希少価値が高く需要がある
お金を物に換えて投資をするなら、換える物は希少価値が高く需要がある必要があります。
希少性もなく需要のない物は、価値も上がりませんし、誰も欲しがらないため現金を物に換える意味もないでしょう。
現金は欲しい物やサービスの対価にすぐ換えられることから汎用性が高く、現代社会において重宝されています。
しかし、現金はインフレによって価値が下落することがあるので、近い将来使用する分を確保しておくことは重要ですが、しばらく使用することがないのであれば、保有しているだけでもインフレのリスクに晒されることになります。
現金以外で恒久的に需要が見込める物に換えれば、現金の価値が目減りしても物の価値は減少しません。
よって、保有している資産を使用するまで物に換えておくことで、それまでの期間で発生するインフレから資産を守ることが可能です。
インフレに関係なく長期保有で価値が上昇する
インフレに強いことに加えて、インフレが仮に発生しなくても長期保有で価値が上昇する資産がおすすめです。
世界に存在している数が決まっていて、これから増える見込みがなく需要のある物であれば、年々その入手難易度は高まることから、価値が上昇していくことが期待されます。
購入してから年数が経てば、希少価値が増したことにより、売却によって購入したときより多くの現金と交換できることでしょう。
よって、金融市場の混乱のなかでも安定しており、長期保有で価値が上昇することが期待される実物資産がインフレ対策の理想とも呼べる投資対象です。
インフレ対策に資産を運用する必要がある理由について知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
インフレ時代における資産運用の新常識【アンティークコインの価値を知る】
インフレから資産を守る投資対象
ここまで紹介した特徴を踏まえて、具体的にインフレから資産を守る投資対象を紹介します。
- 金などの貴金属
- 絵画やスポーツカー
- アンティークコイン
それぞれ詳しく見ていきましょう。
金などの貴金属
金、銀、プラチナなどの貴金属は、指輪やブローチなどの宝飾品や、金歯などの医療に使用されるだけでなく、投資対象として大きな需要があります。
特に投資対象として広く知名度が高いのは金(ゴールド)であり、延べ棒やインゴットなどの実物を保有したり、純金積立などのサービスを利用して毎月決まった額を金に換えたり、金を対象にした投資信託を購入することで間接的に投資することもできます。
必ずしも金を現物で自宅に保有する必要がなく、さまざまな方法で投資できるのは大きなメリットといえるでしょう。
インフレが発生して現金の価値が下がっても金には一定の需要があり、希少性があることから価値が下がりにくいため、インフレ対策の代表的な資産として知られています。
一方で、金は株式と逆の値動きをしやすいことで有名であり、株が下落傾向にあるときはリスク回避に役立ちますが、株が上昇傾向にあるときは価格が下がりやすいです。
実物資産ではあるものの、金融市場の影響を受けやすい資産であるため、株を保有していない方には安定性に欠けるかもしれません。
絵画やスポーツカー
実物資産では、意外なものが投資対象になることがあります。
絵画やスポーツカーなどのコレクターの多い商品は、希少性のある物も多く、世界的に需要もあるためインフレ対策の実物資産に適しています。
年々価値が上昇しやすく、株などの金融資産に価格が連動しにくいこともコレクション系の資産が評価されているポイントです。
ただし、絵画やスポーツカーは保有し管理するのが難しく、災害が発生したときに安全に持ち出すことができないため、物理的な破損リスクにより価値が失われる危険性もあります。
アンティークコイン
金などの貴金属は実物資産でありながら金融市場と連動しやすいことが懸念され、絵画やスポーツカーなどのコレクション系の資産は破損により無価値になる可能性もあることから、どちらも安定性に欠けるところがあります。
上記の問題を解決しており、より安定性の高い資産として注目されている投資対象がアンティークコインです。
アンティークコインとは、一般的に100年以上前に発行された金貨・銀貨・銅貨・メダルのことを指し、世界中にコレクターが存在する商品になります。
希少性の高いコインは現存枚数が決まっており、新たに増えることはないため、年々価値が上昇していくことが期待されます。
金や銀を含有していながら、その価値はその希少性と世界的な需要にあるため、金融市場の影響を受けにくい資産です。
また、災害などでもポケットに入れて持ち運べるサイズであるため、物理的に破損するリスクが他の実物資産と比較して低いのもメリットになります。
インフレから資産を守る投資対象のなかでも最もおすすめな資産はアンティークコインです。
希少性の高い金貨・銀貨がインフレ対策に優秀な理由
アンティークコインはインフレ対策となる資産の特徴をすべて満たしており、実物資産特有の物理的な破損リスクが極めて低いことから安定した投資対象でありインフレ対策に優秀です。
発行枚数が限られた希少性の高い金貨・銀貨は世界的にも需要があり、この需要が唐突に無くなることは考えにくいです。
また、アンティークコインは、株式・不動産よりも長期的な視点で見れば高い成長が期待できるというデータもあります。
画像引用:Stanley Gibbons
こちらのデータはイギリスにおける代表的な資産の成長率を比較したものであり、GOLD(金)が黄色のグラフ、uk property(不動産)が緑のグラフ、FTSE(株)が黒のグラフで示されています。
イギリスの希少価値の高いアンティークコインの落札価格を指数化した「GB200 Rare Coin Index」は青のグラフで示されていますが、比較するとその成長率の安定性が明らかです。
インフレ対策の代表的な資産といわれる金は、株式が上昇する局面では下落しており、長期的に上昇していることは間違いありませんが、安定性に欠けることが分かります。
一方で、アンティークコインは右肩上がりの安定した成長を続けており、長期的な視点で見れば株式よりも高い成長を遂げています。
上記の表からアンティークコインは、安定かつ長期的には高い成長率が期待できるインフレ対策に優秀な投資対象といえるでしょう。
インフレに強い資産アンティークコインに投資する方法とは?
アンティークコイン投資がインフレ対策に最適であることが分かっても、どのように投資すればいいのか分からないという方も多いことでしょう。
アンティークコインを購入して投資する方法は主に2つありますが、それぞれの良し悪しも含めて解説します。
- オークションなどで購入する
- コイン業者を通して投資する
オークションなどで購入する
アンティークコインは誰もが気軽に購入できるオークションサイトなどで広く出品されています。
一見、初心者でもアンティークコインに投資できる気軽な方法であると思うかもしれませんが、特に初心者が利用するにはリスクが大きいのがオークションです。
なぜなら、必ずしも相場に沿った価格でコインが出品されているわけではなく、なかには贋作を販売するような悪質な出品者も存在します。
アンティークコインに詳しくない方が利用すれば、正しい相場で真贋を見きわめて購入するのが難しいためリスクが高いのです。
よって、オークションで購入するのは、コインの相場を把握しており、真贋の見きわめができる上級者向けの方法になります。
オークションなどでアンティークコインを購入したことによる詐欺などのトラブルが増えています。個人が簡単に出品・購入できるオークションでコインを購入するリスクはこちらで解説しているのでチェックしてください。
コイン業者を通して購入する
それでは、アンティークコインに関する知識がまったくない方が投資を実践するにはどうすればよいのでしょうか。
一番簡単な方法は、信頼できるコイン業者を通して購入することです。
アンティークコイン投資は、価格の上昇が見込めるコインを購入してしまえば、後は長期的に保有し、売却したいタイミングで売却するだけなので、特別な手間もかからない簡単な投資方法であるといえます。
よって、こだわるべきポイントは投資に適切なコインを購入することであり、知識がほとんどない方はアンティークコイン投資に特化したコイン業者を見つけて、業者からコインを購入するのがおすすめです。
コイン業者からのコインの購入は、初心者、上級者を問わずアンティークコイン投資を始めるのに最適な方法になります。
アンティークコイン投資に特化した代表的なコイン業者には、当サイト「コインライブラリー・プリンシパル」があります。
アンティークコイン投資の始め方について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アンティークコイン投資入門 グレード・希少性・人気などの選び方を解説
インフレ対策になるアンティークコイン投資におけるよくある質問
インフレ対策となるアンティークコイン投資におけるよくある質問を3つまとめました。
- インフレに強いアンティークコイン投資は初心者でも始められる?
- 資産防衛に役立つアンティークコインはどこで購入するのがおすすめ?
- アンティークコイン投資で税金はかかる?
それぞれ詳しく解説します。
インフレに強いアンティークコイン投資は初心者でも始められる?
アンティークコイン投資は購入した後は保有して売却する以外に特別なことは要求されません。
株式のように企業やチャート分析などの取引に関する知識が必要なく、不動産のように収益を得るための勉強も必要ないため初心者が始めやすい投資方法といえるでしょう。
ただし、アンティークコインは購入する銘柄と購入先の選定が重要になる投資方法です。
購入するアンティークコインは、希少性・状態のよさ(グレード)・人気などの3つの要素を考えて選ぶと投資に適したコインを購入しやすくなります。
また、投資初心者の場合は、アンティークコイン投資に特化した業者を選択すると、投資における疑問を解決しやすいのでおすすめです。
アンティークコイン投資のおすすめ銘柄に付いて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アンティークコイン投資のおすすめ銘柄と高額コインの値上がり事例
資産防衛に役立つアンティークコインはどこで購入するのがおすすめ?
資産防衛に役立つアンティークコインは、誰でも出品・購入できるオークションサイトで購入するのではなく、コイン業者を利用して投資するのがおすすめです。
アンティークコイン投資に特化したコイン業者には当サイト「コインライブラリー・プリンシパル」があります。
当サイトでは、アンティークコイン投資に必要なコインの購入・管理・買取のサービスを提供しているため、当サイトを利用するだけでアンティークコイン投資が完結します。
保有するコインの管理を専用の金庫で保管することで委託できるので、コインの保有に不安のある方に最適なサービスです。
また、当サイトはアンティークコイン投資に対する深い知識を持ったスタッフが対応するため、初めて投資をする方も安心して利用できることが強みとなっています。
アンティークコイン投資で税金はかかる?
アンティークコイン投資には、主に売却時に税金がかかります。
譲渡所得による課税となっており、保有年数によって短期譲渡所得または、長期譲渡所得による課税となります。
基本的には、長期譲渡所得による課税のほうが税制的に有利であるため、長期的に保有するメリットが大きい投資方法です。
アンティークコイン投資の税金について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アンティークコイン投資の税金とは? 購入・売却・相続にかかる税金
まとめ
インフレ対策となる資産の特徴と資産を守るための投資対象について解説した上で、一番おすすめであるアンティークコイン投資について紹介しました。
インフレが発生すれば貯金は必ずしも安全ではないため、現金以外に安定した資産を持つことが重要です。
そのなかでもアンティークコイン投資はおすすめの方法となっていますので、インフレ対策の方法として検討しましょう。
アンティークコイン投資について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。