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公開日 2025.5.19更新日 2025.5.19

金の買い時はいつ? 初心者もわかる金投資のタイミングをご紹介

近年、金価格が最高値を更新し続けるなかで、金を買うべきか悩んでおり、買い時を逃したくないと考えている方もいることでしょう。

金価格の変動にはさまざまな要因が絡むため、短期的に金を売買する場合は、多くの経済指標を確認してから、総合的に判断しなくてはなりません。

インゴットの購入など一括投資を考えている場合は、できる限り安く購入したいところではありますが、底値を判断するのは難しいところです。

安くなるのを待っているうちに買い時を逃してしまい、今買っておけばよかったと後悔するケースも珍しくないでしょう。

この記事では、金の買い時はいつであるか、金価格が変動する理由からわかりやすく解説し、短期・長期における買い時の違いと買い時を気にしなくてもいい長期に適した投資方法も紹介します。

この記事のポイント

・金価格が変動する理由から金の買い時を解説
・短期だけではなく長期的な視点での買い時と長期に適した投資方法も紹介

金価格が変動する理由

金価格はさまざまな要因で変動するため、買い時を見きわめるには、変動要因を理解する必要があります。

金価格が変動する理由は以下のとおりです。

  • 実質金利の変動
  • インフレ率の上昇
  • 日本円と米ドルの為替レート変動
  • 地政学的リスクの変動
  • 中央銀行の金購入動向
  • 需給バランスの変化

それぞれ詳しく見ていきましょう。

実質金利の変動

金は利息を生まない資産であるため、金利において名目金利からインフレ率を差し引いた実質金利と逆相関の関係にあります。

実質金利が低下してマイナス圏に入ると、金の相対的な魅力が増し、価格が上昇する傾向があります。

2020年、米10年物実質金利が-1%台だったときには、世界の金ETF残高が過去最高値に達しました。

実質金利の小幅な変動でも需給が過敏に反応する点は、長期投資家にとって重要なシグナルです。

近年では、実質金利が上昇する局面でも、地政学的リスクやインフレ懸念から金価格が高止まりするケースも見られます。

インフレ率の上昇

インフレが進行すると、通貨の購買力が低下し、実物資産である金の価値が相対的に高まります。

そのため、インフレ率の上昇は金価格の上昇要因になります。

特に、インフレ率が大きく上昇する局面では、金への投資需要が増加するでしょう。

2022年に米CPIが前年比9%へ達した際、金現物と金関連ETFへの資金流入が急増しました。

インフレ警戒が続く間は、金に対して今ある資産の価値を保存できる守りの資産としての需要が増加しやすくなります。

日本円と米ドルの為替レート変動

金は通常、米ドル建てで取引されるため、為替レートの変動が国内の金価格に影響を与えます。

円高時には、ドル建ての金価格が円換算で下がり、国内での購入コストが低下するでしょう。

逆に、円安時には金価格が上昇しやすくなります。

為替レートの動向を注視することは、金の購入タイミングを見極めるうえで重要です。

2023年のドル円150円台では、海外相場が横ばいでも国内小売価格が1グラム1万円を突破しました。

逆に2024年春の円高局面では同価格が約700円も下落し、為替だけで5%の差が出ています。

よって、日本で金を購入する場合は日本円と米ドルの為替レートを理解しておく必要があります。

地政学的リスクの変動

戦争や政治的不安定、テロなどの地政学的リスクが高まると、安全資産としての金の需要が増加し、価格が上昇する傾向があります。

近年では、ウクライナ情勢や中東の不安定化などが金価格に影響を与えているといえるでしょう。

2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻では、開戦から10日で金先物が大きく急騰しました。

金は安全性の高い資産であることから、有事の金と呼ばれます。

地政学リスクの高まりによって上昇するため、日々ニュースをチェックする必要があります。

中央銀行の金購入動向

各国の中央銀行が金の保有量を増やすと、市場に流通する金の量が減少し、需給バランスが変化します。

これにより、金価格が上昇する可能性があるでしょう。

実際に、途上国・新興国の中央銀行による金購入が近年では活発化しており、価格上昇の一因となっています。

世界の中央銀行は2024年も合計1,037トンを純買い越し、中国人民銀行は17か月連続で保有量を増加させています。

公的需要が多い年は底値が固くなり、相場が押し目を作っても短期で切り返すケースが目立つのが特徴です。

需給バランスの変化

金の供給量と需要量のバランスが崩れると、価格が変動します。

例えば、新興国の経済成長に伴う金需要の増加や、鉱山生産量の減少などが価格に影響を与えます。

また、投資需要の増減も価格変動の要因となるでしょう。

金の供給量は、鉱山の低品位化とESG規制でコストが上昇し、伸びは頭打ちです。

一方、宝飾・テクノロジー需要は堅調に増加しており、需給バランスでは長期的に価格を押し上げやすいと考えられます。

金の買い時はいつ? 金投資の絶好のタイミング

金の価格変動の要因を踏まえたうえで、金の買い時となる投資の絶好のタイミングを以下にまとめました。

  • 経済の見通しが不安定である
  • 政策金利が引き上げられたとき
  • 為替レートが円高に振れている
  • 株高で相場がリスクオンになっている
  • 一部の投資商品は積立投資も有効

それぞれ詳しく見ていきましょう。

経済の見通しが不安定である

経済が不安定な局面では、投資家はリスク回避の姿勢を強め、安全資産である金への需要が高まります。

例えば、金融危機や地政学的リスクが顕在化した際には、株式市場が急落し、金価格が上昇する傾向があります。

このような状況では、現金や株を金に換えることで、現在持っているお金の価値を守りやすいです。

また、インフレが進行する局面でも、金は実物資産としての価値を保ちやすいため、購買力の低下を防ぐ手段として有効になります。

よって、経済の先行きに不安がある場合は、金の購入を検討する良いタイミングと言えるでしょう。

政策金利が引き上げられたとき

中央銀行が政策金利を引き上げると、一般的には金利のつかない金の魅力が相対的に低下し、価格が下落する傾向があります。

政策金利が引き上げられたタイミングは、金を割安で購入できるチャンスです。

過去のデータにおいても、利上げ局面で金価格が一時的に下落した後、再び上昇に転じるケースが多く見られます。

特に、利上げがインフレ抑制を目的として行われる場合、インフレ懸念が残る中で金の需要が再び高まる可能性があります。

政策金利の引き上げは一時的に価格を落としても、戻る可能性が高いため、買い時といえるでしょう。

為替レートが円高に振れている

金は国際的に米ドル建てで取引されているため、円高が進行すると、円換算の金価格が下がる傾向があります。

つまり、同じ量の金をより少ない円で購入できるため、円高時は金の購入に適したタイミングと言えます。

過去の為替相場を振り返ると、円高局面では、金の購入を検討する日本の投資家が増加する傾向にあります。

ただし、為替相場は多くの要因で変動するため、為替動向を注視しつつ、金の購入タイミングを見極めることが重要です。

株高で相場がリスクオンになっている

株式市場が好調でリスクオンの状態が続くと、投資家はリスク資産への投資を増やし、安全資産である金の需要が減少する傾向があります。

リスクオンとは、市場に参加する投資家がリスクを取って高いリターンを狙う傾向が強まっている状態のことを指します。

株価が上昇する状況が長く続けば、いずれ株式市場は調整局面に入り、株式が売られ金が購入されます。

安値で金を仕込んでおくことで、将来的な価格上昇の恩恵を受けることができるでしょう。

株高で金融市場がリスクオンの状態にあるときは、株価は高くなり、金価格は安くなる傾向にあります。

リスクオンでは、金価格が下落しやすく、金を割安で購入しやすくなるでしょう。

一部の投資商品は積立投資も有効

金価格は短期的に変動することがあるため、購入タイミングを見きわめることが難しい場合もあります。

初心者で金を購入するタイミングがわからない場合は、定期的に一定額を購入する積立投資が有効です。

積立投資を行うことで、価格が高いときには少量、価格が低いときには多く購入することになり、平均購入単価を平準化する効果があります。

長期的に金を保有することで、資産の安定性を高めることが可能です。

将来的なインフレや経済不安に備えるための資産形成手段として、積み立てやすい純金積立やゴールド投資信託などの商品は有効な選択肢といえるでしょう。

長期的な視点では金の買い時が今である理由

上記の買い時は短期的に金を売買する場合に判断材料の一つとなるタイミングです。

しかし、長期的な視点で金を購入する場合は、過去に戻れない以上、今が金の買い時になりやすい状況にあります。

短期ではなく長期的な視点では買い時を選ばない理由は以下のとおりです。

  • 金の採掘量には限界があるから
  • 守りの資産として保有すればリスク分散において優秀だから
  • 長期的に見れば金の価格上昇は右肩上がりであるから

それぞれ詳しく見ていきましょう。

金の採掘量には限界があるから

金は地球上での埋蔵量が限られており、現在までに約20万トンが採掘されています。

国際地質調査によると、地下資源として残されている埋蔵量は推定5.7万トンに過ぎず、現在の年間産金ペースで採掘が続けば 20 年足らずで理論的には枯渇すると考えられます。

金は埋蔵量が限られている性質から、将来的には新たに金を供給することが難しくなるでしょう。

さらに、採掘コストの上昇や環境規制の強化により、金の供給はますます制約を受けています。

実際は品位低下で採算ラインを割る鉱山が増え、環境・人権対応コストも年々上昇しており、生産サイドはピークゴールド入りが近いとの見方が優勢です

このような供給の制限は、金の希少性を高め、長期的な価格上昇の要因となるでしょう。

守りの資産として保有すればリスク分散において優秀だから

金は、株式や債券などの金融資産と異なり、実物資産としての価値を持ちます。

そのため、経済の不確実性や市場の変動に対して安定した価値を維持しやすい特性があることを上述した内容で説明してきました。

特に、インフレや通貨価値の下落、地政学的リスクが高まる局面では、金への需要が増加し、価格が上昇する傾向にあるでしょう。

よって、株式などの証券を多く保有している投資家は、リスク分散として金を購入すると資産のバランスを保ちやすくなります。

実証研究では、金と世界株式の相関係数は長期平均で0.1〜0.2と極めて低いです。

実際に、債券が株式と同時に下落した局面でも金価格はプラスを維持したことがあります。

また、通貨安や制裁リスクに直面する新興国の中央銀行が、外貨準備の一部を金に振り向ける動きも加速しており、投資需要に対する支えがあることも守りの資産といわれる理由です。

よって、金はポートフォリオのリスク分散手段として有効であり、長期的な資産保全に寄与します。

インフレ対策になる資産の種類は以下の記事をチェックしてください。

インフレ対策となる資産の3つの特徴とは? 資産を守る投資対象も紹介

長期的に見れば金の価格上昇は右肩上がりであるから

画像引用:https://gold.mmc.co.jp/market/gold-price/#gold_longspan

上記のグラフのとおり、過去数十年にわたり、金の価格は長期的に上昇傾向を示しています。

例えば、2000年には1グラムあたり約1,000円であった金価格は、2024年には約14,000円に達しています。

さまざまな要因で短期的に上下する金価格ではありますが、過去のデータから10年後を考えれば、どのタイミングで購入しても上昇を期待できるでしょう。

過去のデータを参照するなら、金価格が一時的に下落したタイミングが買い時と考えられます。

しかし、現在の時点から将来的な金の底値を見きわめることは非常に難しいです。

買い時を見きわめるために下落するタイミングを待っても、魅力的な買い場は訪れず、今後も最高値を更新し続けていくかもしれません。

買い時を待つこと自体が機会損失になるため、10年以上の長期的な視点においては、金の買い時は今この時点といえます。

金価格は今後どうなるのかについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

金価格は今後どうなる? 10年後の相場を予測するための考え方を解説

いつでも購入しやすい金貨のアンティークコインの魅力

金は長期的にプラスになる可能性が高くても、一時的に金価格が大きく下落して、損失になる可能性は否定できません。

相場の状況と購入タイミングによっては、数年以上も損失を抱え続ける可能性があります。

金よりも安定して右肩上がりに成長することが期待できる守りの資産に投資したい場合は、金貨のアンティークコインへの投資がおすすめです。

最後に、アンティークコイン投資の魅力を2つ紹介します。

  • 金価格とプレミアム価格の2種類の付加価値を持つ
  • 長期的に安定した価値の成長を期待できる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

金価格とプレミアム価格の2種類の付加価値を持つ

アンティークコインの魅力の一つは、金そのものの価格上昇と、コイン固有のプレミアム価値の二重のリターンを期待できる点にあります。

金価格が上昇すれば、金地金と同様にコインの価値も上がりやすくなります。

さらに、希少性や歴史的背景、保存状態などにより、コイン固有のプレミアム価値が上乗せされるため、金価格の変動に左右されにくい安定した資産としても注目されています。

例えば、イギリスのヴィクトリア女王即位記念ウナとライオン 5ポンド金貨は、2011年に400~500万円で取引されていたものが、2018年には5,000~6,000万円、2021年には約1.5億円で落札されるなど、プレミアム価値の上昇が顕著です。

このように、金価格の上昇とプレミアム価値の上昇が相まって、高いリターンを期待できるのがアンティークコインの特徴です。

また、金価格が下落した場合でも、プレミアム価値の上昇により損失をカバーできる可能性があるためリスクヘッジにもなります。

なぜなら、コレクター市場における需要や希少性が高まれば、金価格の変動に関係なく価値が上昇するからです。

アンティークコインは金価格とプレミアム価値の二重のリターンを持つことから、より右肩上がりに安定して成長しやすい魅力的な投資対象と言えるでしょう。

長期的に安定した価値の成長を期待できる

アンティークコインは、長期的に安定した価値の成長を期待できる資産として注目されています。

その理由の一つは、発行枚数が限られており、新たに発行されることがないため、希少性が高まる一方である点です。

また、コレクター市場における需要が安定しており、価値の下落リスクが低いことも魅力です。

GB200 Rare Coin Index

画像引用:Stanley Gibbons

イギリスのSTANLEY GIBBONS社が作成した「GB200 Rare Coin Index」によると、アンティークコインの価格は2003年から大きく上昇しました。

10年平均の上昇率は約194.5%と、高い成長率を示しています。

株価だけでなく金価格にも大きな影響を与え、金融市場に大きな混乱を招いたリーマン・ショック時にも下落せず、さらに上昇しました。

アンティークコインは、インフレや通貨の価値下落、地政学的リスクが高まる局面でも価値を維持しやすい特性があるといえるでしょう。

また、少額から購入できるアンティークコインもあるため、初心者でも投資を始めやすい点も魅力です。

当サイト「インライブラリー・プリンシパル」では高額なアンティークコインだけでなく、購入しやすい価格でコインを販売しています。

コインライブラリー・プリンシパル 購入者情報

このように、アンティークコインは長期的に安定した価値の成長を期待できる資産として、幅広い投資家やコレクターから高い評価を受けています。

インフレ時代における資産運用の新常識であるアンティークコイン投資の入門方法はこちらの記事で詳しく紹介しています。

アンティークコイン投資入門 グレード・希少性・人気などの選び方を解説

収集品としての魅力をあわせ持っている

アンティークコインは投資対象であるだけでなく、歴史的背景や芸術性を楽しめる収集品として楽しめます。

国王や女王の肖像、当時の彫刻技術が刻まれた精緻なデザインは、美術品といえるでしょう。

単なる保有ではなく所有の喜びを味わえる点は、金投資などの他の投資方法にはない大きなメリットです。

さらに、年号・発行地・ミントマークなど細部にわたるバリエーションが多く、これらの違いからコレクターの間ではコレクションが拡張しています。

保有者同士のコミュニティが世界中に形成されていることから、日本だけでなく世界中から買い手を見つけることが可能です。

売買や情報交換を楽しみながら長期的に資産を育てられることがアンティークコインならではの魅力といえるでしょう。

投資対象と収集品としての魅力を両立するアンティークコイン投資のおすすめ銘柄は以下の記事で紹介しています。

アンティークコイン投資のおすすめ銘柄と高額コインの値上がり事例

まとめ

金は、インフレや為替の影響、地政学リスクなど多くの要因で価格が変動する資産です。

しかし、不確実な環境下でも、長期的に見ればその価値は堅調に推移してきました。

近年では、金の供給制限や中央銀行の購入増加によって、価格の上昇傾向はより顕著になっています。

よって、短期的なタイミングを見極めることは難しいかもしれませんが、長期的な視点では今が買い時と言える状況です。

また、価格変動のリスクを抑えながら投資を始めたい方には、定期積立や、アンティークコイン投資なども有効です。

金の買い時に悩んでいる方は、今が買うのに適したタイミングと考えて行動に移してみましょう。

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この記事の著者

アンティークコイン ジャーナル編集部

英国王室シリーズから古代コインまで、幅広い年代のコインの紹介だけではなく、試鋳貨、造幣局による違い、彫刻家、リストライク、などアンティークコインの魅力や楽しめる知識をフラットに情報提供している。編集長は、英国王室コインと、動物コインシリーズが好き。

アンティークコイン ジャーナル編集部

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