銀貨の価格を知るためには相場を理解することが重要であり、判断するための指標は銀貨によっても異なります。
投資用銀貨であれば、基本的には銀価格に連動するので相場を把握しやすいですが、アンティークコインの銀貨であれば銀価格ではなく別の指標を参考にする必要があります。
銀貨の買取価格を決める方法は、銀貨自体の希少性がほとんどないのであれば、銀そのものの価値で査定が行われ、希少性があれば希少性も加味して買取価格が決まる仕組みです。
この記事では、銀貨の相場と判断する指標について紹介し、買取価格がどのように決まるのか詳しく解説したうえで、代表的な銀貨の相場について解説します。
銀貨の相場を判断する指標
銀貨の相場を判断するための指標について紹介します。
- 投資用銀貨:銀価格
- アンティークコイン:カタログ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
投資用銀貨:銀価格
投資用銀貨は種類によっては一定の希少性が加味される場合がありますが、基本的には含有している銀の価格を基に相場が決まるので、銀価格が指標です。
銀価格は、毎日1回、海外では1オンスあたりのドル価格、日本では1gあたりの円価格が発表されます。
実際に貴金属店で売買する場合は、手数料などもかかりますが、基本的にはその日に発表された銀価格をもとに売買ができる仕組みです。
よって、投資用銀貨の相場を知るならその日に発表された銀価格を確認するのが確実になります。
投資用銀貨は1オンスの単位で取引されますが、1オンスの銀貨の価格推移について知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
1オンス銀貨の価格推移と価格を考えるうえで注意するポイントを紹介
アンティークコイン:カタログ
銀貨のなかでもアンティークコインと呼ばれる100年以上前に発行されたコインは、相場が不透明で正確な相場を判断しにくいと考える方も多いことでしょう。
銀価格のように明確な基準がなく、希少性を加味して買取価格を付けるので、アンティークコインの価値について理解しているコレクターでなければ、相場を自身で判断するのは困難です。
しかし、アンティークコインの相場を調べられる方法としては、カタログがあります。
アンティークコインのカタログはいくつかの会社が販売しており、更新されるまでの期間も異なりますが、コインのグレード(状態)別にコインの相場に関する情報が記録されているのです。
このカタログは、オークションハウスやコイン専門店であれば、まず保有していないことが考えられない相場を把握するうえで必要な指標になります。
カタログの欠点は、年代ごとに分かれていて冊数が多く、どのカタログを調べれば相場を知りたい銀貨の情報を探せるか分かりにくく、アンティークコイン初心者では難しい点です。
さらに、銀そのものの価値カタログを読み解くには、アンティークコインに関する最低限の知識も必要になるので、カタログがあれば誰でも銀貨の相場を把握できるとは限りませんが、アンティークコインに精通しているのであれば相場を把握するのに有力な指標といえるでしょう。
カタログを含めたアンティークコインの相場の調べ方について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アンティークコイン相場の調べ方は? 全体の価格推移も含めて解説
銀貨の買取価格はどのように決まるのか
次に、貴金属店やコイン専門店に銀貨の買取を依頼した場合に、銀貨の買取価格がどのように決まるのか解説します。
- 銀そのものの価値
- 希少性を加味する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
銀そのものの価値
銀貨に希少性がない場合は、含有している銀に基づいて買取価格が査定されます。
手数料などを加味しなければ、1gあたりの銀価格が100円と仮定して、30gの銀貨を売却するのであれば買取価格は3,000円ということになります。
記念に発行された古銭を持っていても額面とほとんど同じ買取価格が付けられた経験をした方もいるかもしれませんが、発行されてきた銀貨のほとんどに希少性があまり認められず、そのものの価値で査定されるのが実情です。
希少性を加味する
銀自体の価値だけで考えるなら、2020年代の基準では、数十グラムの銀貨の価値は数千円程度であると考えるのが一般的です。
しかし、アメリカが発行した最初の1ドル銀貨であるフローイング・ヘア・ダラー銀貨は、見本として鋳造されたものが、その希少性から約12億円でオークションにより落札された経緯があるので、希少性を加味した場合の価値は銀価格とはかけ離れることもあります。
買取では銀その物の価値に加えて、希少性を加味して価格が付けられます。
基本的には、銀価格で買取価格が判断される投資用銀貨も一定の希少性が認められれば、銀価格に上乗せする形で価格に反映される仕組みです。
含有している銀そのものの価値と希少性を加味したうえで、銀貨の買取価格は決まります。
代表的な銀貨の相場について
一般的に広く取引されている代表的な銀貨の相場について紹介します。
- メイプルリーフ銀貨
- ブリタニア銀貨
- イーグル銀貨
- ウィーン銀貨
- パンダ銀貨
それぞれ詳しく見ていきましょう。
メイプルリーフ銀貨
メイプルリーフ銀貨は、カナダ王立造幣局が発行する投資用として信頼性の高い銀貨です。
金貨も含めて同じサトウカエデの図柄のコインが発行されており、銀貨への投資を行なう人々が購入しています。
年度が変わっても図柄が共通しており、広く流通していることから銀価格のみを考慮して価格が算出される場合がほとんどです。
ブリタニア銀貨
ブリタニア銀貨は、イギリスで発行されており、投資用銀貨のなかでもその美しさからコレクターの間でも人気があります。
鑑賞用にプルーフ加工されており、品位も保証されていることが投資家・コレクターのどちらにも需要がある理由です。
ブリタニア銀貨はイギリスを象徴する女神ブリタニアが描かれていることは共通していますが、発行年度によって図柄が異なることから、コレクター需要もあるため銀価格に希少性が加味されるので、発行年度によって相場が異なります。
イーグル銀貨
イーグル銀貨は、アメリカ合衆国で発行されているアメリカの国鳥である鷲が描かれた銀貨です。
品位が高く投資用銀貨としても信用性があり、日本でも広く流通している人気の銀貨になります。
しかし、人気の高さに希少性は比例せず、銀価格のみをもとに買取価格が算出されることがほとんどの銀貨となっています。
ウィーン銀貨
ウィーン銀貨は、オーストリアが発行する音楽の都市に関連した弦楽器が描かれている銀貨になります。
近年に発行された銀貨ではありますが、人気が高く、投資用銀貨として選ばれやすい銀貨です。
ただし、ウィーン銀貨はここまで紹介した銀貨と比べても歴史が浅く、希少性が認められにくいのが現状になります。
パンダ銀貨
パンダ銀貨は、中国で発行されている銀貨であり、投資用銀貨よりもコレクターからの需要が高い銀貨になります。
人気の秘密は毎年図柄が変わるパンダにあり、動物としての人気も高く、発行年度によって図柄が異なる性質は、コレクターがコンプリートを目指しやすい性質といえるでしょう。
投資用銀貨ではありますが、コレクターの収集対象になることも多いため、発行年度によって希少性が加味されて相場が決まることもある銀貨となっています。
銀貨の相場に関するよくある質問
最後に銀貨の相場に関するよくある質問をまとめました。
- 銀貨の相場を把握するうえでおさえておきたいポイントは?
- 相場に沿った価格で銀貨を購入・売却する方法は?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
銀貨の相場を把握するうえでおさえておきたいポイントは?
銀投資を目的に銀貨を保有するなら銀価格、アンティークコインであればカタログを調べるのが理想です。
ただし、カタログから探すのはアンティークコイン初心者の場合は、さまざまな理由で敷居の高さを感じる可能性もあるので、相場を知りたいコインをインターネットで調べて複数の販売サイトを確認して相場を把握してもよいでしょう。
相場に沿った価格で銀貨を購入・売却する方法は?
相場に沿った価格で銀貨を購入したい方は、自身で相場を把握することも重要ではありますが、相場に沿った価格でコインを販売している業者からコインを購入・売却するのが確実です。
相場に沿った価格で銀貨を販売しているコイン専門店には「コインライブラリー・プリンシパル」があります。
当サイトでは、アンティークコインの銀貨をカタログに加えて、オークションログ、外国貨幣評価書を参考に販売価格と買取価格を決定しています。
銀を含むアンティークコインは価格が不透明で不安という声もありますが、真贋保証と適正価格での提供により安心して銀貨の取引が可能です。
希少性の高い銀貨を保有しており、銀貨の買取を依頼したい方は、こちらのページからお問い合わせお願いします。
まとめ
銀貨の相場は、投資用の銀貨とアンティークコインで指標や買取価格の決まり方も異なるため、銀貨の種類に応じて銀貨の相場を把握する方法は変わってきます。
購入する場合は、購入する目的によって銀貨の種類から選ぶ必要があり、相続などで入手して価値が分からない銀貨を保有している場合は、銀貨の種類から把握する必要があります。
銀貨の種類について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。