ジェームズ4世(在位1488-1513)は、戦死した父ジェームズ3世の跡を継いで国王となった人物です。
国内の反乱を鎮圧させる手腕とスコットランドの芸術と事業を発展させたことから優秀な統治者として評価されますが、彼の歴史はいくつもの悲劇に見舞われた物語でした。
この記事ではジェームズ4世の金貨・銀貨を紹介した上で、彼の人生を襲った3つの悲劇とその過程でどのように贖罪を求めたのかも解説します。
ジェームズ4世の生い立ちと歴史
画像引用:https://www.royal.uk/james-iv-r1488-1513
父親 | ジェームズ3世 |
母親 | マーガレット・オブ・デンマーク |
配偶者 | マーガレット・テューダー |
王朝 | スチュワート朝 |
家名 | スチュワート家 |
子供 | ジェームズ5世 |
ジェームズ4世は、ジェームズ3世とデンマーク王クリスチャン1世の娘であるマーガレット・オブ・デンマークの間に生まれたスコットランド王です。
ジェームズ4世の生い立ちと歴史を3つの章に分けて解説します。
- ソーキバーンの戦いで父親が戦死し後を継ぐ
- マーガレット・ドラモンドとの死別
- フロドゥンの戦いで戦死
ソーキバーンの戦いで父親が戦死し後を継ぐ
1488年、スコットランド君主に対する反乱戦争であるソーキバーンの戦いで父王ジェームズ3世が戦死したことで跡を継ぎ、15歳の若さで即位することとなります。
この戦争においてジェームズ4世は反乱軍に新たな君主として担ぎ上げられる役割でした。
自身の立場が父を死に追いやったと考えるようになり、ジェームズ4世は自身を律するために腕に重い鉄の鎖をつけるようになったといわれています。
先代のジェームズ3世と比較するとジェームズ4世は統治者として非常に優秀であったと評価されています。
国内の反乱を鎮圧し、特に芸術を奨励しており、銃器製造や造船業などにも力を入れました。
しかし、イングランドとの関係には不安が残る状態にありました。
マーガレット・ドラモンドとの死別
ヘンリー7世は娘のマーガレット・テューダーをジェームズ4世と結婚させようとして婚姻の申し入れを行いました。
このときジェームズ4世はすでにドラモンド卿ジョンの娘であるマーガレット・ドラモンドと事実婚の状態にあり、子供もいたといわれています。
しかし、ヘンリー7世が結婚の申し入れをしているタイミングで、マーガレット・ドラモンドと妹2人は毒によって死亡しました。
マーガレット・ドラモンドの死は、ジェームズ4世が自分のために結婚の申し入れを断ろうとしていることに耐え切れずに服毒自殺をした説と、何者かにより毒殺された2つの説がありますが真相は明らかにされていません。
結果的に、ジェームズ4世はマーガレット・ドラモンドを失ったことで、マーガレット・テューダーとの結婚を受け入れ、1502年にイングランドと平和条約を締結し、翌年に式を挙げました。
ジェームズ4世は、マーガレット・ドラモンドの死に責任を感じ、贖罪のために腰に鎖を巻いたといわれています。
フロドゥンの戦いで戦死
ヘンリー7世が死亡し、ヘンリー8世が即位したことでフランスとイングランドの関係は悪化します。
ジェームズ4世は、両国の仲介役を引き受けることになりました。
しかし、板挟みになった上にフランス王ルイ12世からイングランドに兵を差し向けることを要請されます。
1503年にフロドゥンの戦いでイングランドに宣戦布告しますが、ノーフォーク公に大敗。ジェームズ4世も戦死しました。
その翌年、ヘンリー8世とルイ12世は和解し、ルイ12世はマーガレット・テューダーの妹メアリーと結婚しました。
父の死、愛する者の死に贖罪を求めたジェームズ4世の物語には一切救いがなく、最終的な結末は歴史上から見れば意義のない戦争と意味のない死でした。
ジェームズ4世の子供
しかし、マーガレット・ドラモンドとの間に庶子となる女児が生まれており、こちらの女性は早世することなく成人となり正確な没年は不明ですが、ゴードン卿ジョンと結婚した後にサー・ジョン・ドラモンドと再婚したことが明らかになっています。
もし、この物語に救いがあるとすれば、毒によって死亡したマーガレット・ドラモンドとの間に生まれた子供は、天寿を全うできた可能性があるということでしょう。
ジェームズ4世のおすすめ金貨・銀貨
ジェームズ4世の統治するスコットランドでは、ヘンリー4世の肖像などを描いたグロート銀貨が発行されていました。
中でも特徴的なのはユニコーンが描かれ、1ユニコーンという通貨単位で取引されていたユニコーン金貨といえるでしょう。
ここではジェームズ4世の金貨・銀貨を紹介します。
- ジェームズ4世 1ユニコーン金貨 1488~1513年
- ジェームズ4世 1グロート銀貨 1489~1496年
ジェームズ4世 1ユニコーン金貨 1488~1513年
発行国 | スコットランド(イギリス) |
発行年 | 1488~1513年 |
額面 | 1ユニコーン |
グレード | - |
直径 | 25mm |
重量 | 3.8 g |
品位 | 不明 |
発行枚数 | 不明 |
状態 | - |
イギリスで発行される通貨は、基本的に貨幣に君主の肖像が描かれるのが一般的ですが、こちらの金貨はユニコーンが描かれています。
ライオンの盾を持つユニコーンと描かれた文字は「スコットランド王ジェームズ」と彫られているのが特徴です。
裏面には十二芒星が描かれ、こちらの文字は「神を起こし、その敵を散らせ」と翻訳できます。
ジェームズ4世 1グロート銀貨 1489~1496年
発行国 | スコットランド(イギリス) |
発行年 | 1489~1496年 |
額面 | 1グロート |
グレード | - |
直径 | 25mm |
重量 | 不明 |
品位 | 不明 |
発行枚数 | 不明 |
状態 | - |
こちらはジェームズ4世の正面像が描かれているスコットランドで発行された1グロート銀貨です。
基本的にコインの肖像は横向きが多いですが、この時代に発行されたイギリスのコインは正面像も描かれているのが特徴です。
ジェームズ4世の時代に発行された主な金貨はユニコーン金貨であるため、ジェームズ4世の肖像が描かれたコインが見られるのは銀貨になります。
ジェームズ4世のアンティークコインでよくある質問
最後に、ジェームズ4世のアンティークコインでよくある質問をまとめました。
- ジェームズ4世のレアな金貨・銀貨・銅貨はどこで買うべきか?
- ジェームズ4世の金貨を高く売れる買取先は?
それぞれ詳しく解説します。
ジェームズ4世のレアな金貨・銀貨・銅貨はどこで買うべきか?
ジェームズ4世のコインは稀に市場に流通するレア度の高いアンティークコインです。
購入するならコインの販売情報を常日頃から確認することが重要になります。
ただし、出品者の素性が分からないオークションサイトなどでコインを購入するのは、相場よりも高い価格でコインを購入してしまう原因になりますので気をつけましょう。
信頼できるコインの取り扱い業者の情報を確認する必要がありますが、当サイト「コインライブラリー・プリンシパル」でもジェームズ4世のコインを将来的に取り扱う可能性があります。
ジェームズ4世だけでなくさまざまなイギリスのコインを取り扱い、今後も希少性が高く魅力的なコインを入荷していきます。
ジェームズ4世の金貨を高く売れる買取先は?
ジェームズ4世のコインをお持ちの方で買取をご希望の場合も当サイトで売却可能です。
コインの鑑定から現金化まで手厚くサポートをした上で、高価買取を目指します。
また、当サイトにコインを出品することもできるので、買取・出品をご希望の方はこちらのページを参照してください。
まとめ
ジェームズ4世は父の死と愛する者の死に罪の意識を感じ、贖罪を求め腕と腰に鎖を巻いて最期を迎えたといわれています。
悲劇の多い人生と統治者として優秀であったことから後世でも人気の高い君主であり、ジェームズ4世のコインも現代において高い需要と価値を持っています。