ジェーン・シーモアは、ヘンリー8世の3人の目の妻であり、エドワード6世の母親でもあります。
シーモア家は庶子に近い家柄でしたが、ヘンリー8世が2人目の妻であるアン・ブーリンを処刑したことで王妃となりました。
この記事ではジェーン・シーモアの金貨・銀貨について解説し、侍女から王妃となり、後継者となる男児を産むまでの過程を紹介します。
ジェーン・シーモアの生い立ちと歴史
ハンス・ホルバインによる肖像
父親 | ジョン・シーモア |
母親 | マーガレット・ウェントワース |
配偶者 | ヘンリー8世 |
王朝 | テューダー朝 |
家名 | シーモア家 |
子供 | エドワード6世 |
ジェーン・シーモアは、ヘンリー8世の部下であるジョン・シーモアの子供の1人であり、後にヘンリー8世の3人目の妻になった人物です。
ジェーン・シーモアの生い立ちと歴史を3つの章に分けて解説します。
- シーモア家に生まれ王妃の侍女になる
- アン・ブーリンの処刑後にヘンリー8世と結婚
- エドワード6世を生み産褥死
シーモア家に生まれ王妃の侍女になる
ジェーン・シーモアは1508年頃にシーモア家の長女として生まれています。
正確な出生年数が分からないのは、シーモア家は後に貴族の家系となるものの、父のジョン・シーモアは平民の家系の一つに過ぎなかったからです。
ジェーンは父ジョンにより宮廷に出仕し、ヘンリー8世の最初の妻であるキャサリン・オブ・アラゴンの侍女として仕え、2番目の妻アン・ブーリンの侍女としても仕えています。
ヘンリー8世はアンが流産を重ねたことで関係が悪化したことから、アンの侍女であるジェーンに心惹かれていきます。
ジェーンは物静かで従順な性格で彼女自身に野心はありませんでしたが、シーモア家の兄弟が野心家であったため、ジェーンを王妃にすることで自分たちも出世しようと画策するのでした。
アン・ブーリンの処刑後にヘンリー8世と結婚
シーモア家が自分たちの出世のために暗躍し、ヘンリー8世とジェーンの結婚を後押しする存在であったことは間違いありません。
流産を繰り返すアンにヘンリー8世の愛情が離れたタイミングで、アンは様々な罪を被せられヘンリー8世によって処刑されました。
アンとブーリン家を陥れたのがシーモア家であったかどうかは分かりません。
しかし、ブーリン家は王妃の立場にあるアンを利用して政治に介入したため、多くの政敵を作っており、誰に陥れられても不思議ではありませんでした。
ブーリン家に反対する勢力が団結しやすい状況にあったのは事実です。
ヘンリー8世もジェーンと結婚したいと考えていたため、処刑を執行した翌日に婚約を発表しています。
その2週間後にジェーンはヘンリー8世と結婚していますが、ロンドンで当時流行した伝染病の影響を考慮して戴冠式は行われませんでした。
エドワード6世を生み産褥死
1537年にジェーンはヘンリー8世が待ち望んだ男児を妊娠します。
同年にヘンリー8世の後継者となる後のエドワード6世が誕生しますが、難産であったためジェーンの体は弱りきっていました。
そして、産褥熱に感染し、そのまま10月24日に亡くなりました。
ジェーンが亡くなった理由は、当時の医療技術では産後の弱った女性に対する適切な処置ができなかったことと、長時間に及ぶ洗礼式が体力の回復に悪影響を及ぼしたと考えられます。
洗礼式への参加も担架に乗せられたままであり、洗礼式に参加せず回復に専念すれば助かった可能性はあります。
しかし、王室では洗礼式には王妃は必ず参加しなければならないという規則があったため、ジェーンは回復が優先される状態でも参加せざるを得ませんでした。
自分の死と引き換えに後継者となる男児を遺したジェーンの死をヘンリー8世は悲しみ、6人の王妃の中で唯一同じ墓に埋葬することを許可したそうです。
エドワード6世とシーモア家
エドワード6世は病弱であったといわれており、その理由はヘンリー8世が梅毒を患っていたことが原因であるという説もあります。
1547年にヘンリー8世が崩御すると、9歳でエドワード6世として即位します。
しかし、そこで摂政としてエドワード6世を操ろうとしたのが母ジェーンのシーモア家であり、ジェーンの兄エドワード・シーモアでした。
しかし、エドワードと弟のトーマス・シーモアは政敵のノーサンバランド公ジョン・ ダトリーによって逮捕され2人とも処刑されています。
1552年にエドワード6世も結核で崩御しました。
シーモア家は摂政として王室の実権を握ることもなく、ジェーンが遺したエドワード6世も早くに亡くなるという悲劇的な結末になります。
ジェーン・シーモアの金貨・銀貨について
ジェーン・シーモアの金貨・銀貨などの主なアンティークコインは残念ながら市場には出回っておらず、現存していません。
彼女の在位期間は1536年~1537年のわずか1年間しかなく、エドワード6世を産んですぐに亡くなってしまったからです。
しかし、ジェーン・シーモアはヘンリー8世から同じ墓に眠ることを許された唯一の王妃であるため、彼女を思うヘンリー8世のエピソードが残されています。
今回はヘンリー8世とジェーン・シーモアのエピソードが産んだコインを紹介したいと思います。
エリザベス2世 テューダービースト シーモアパンサー 1オンス金貨 2022年
発行国 | イギリス |
発行年 | 2022年 |
額面 | 1オンス |
グレード | - |
直径 | 32.69mm |
重量 | 31.21g |
品位 | 0.999 |
発行枚数 | 550枚 |
状態 | - |
テューダービーストシリーズ第1弾として2021年から発行されたエリザベス2世のシーモアパンサーの金貨です。
シーモアパンサーは、ヘンリー8世がジェーン・シーモアに贈ったものであり、平和と愛情の象徴として知られています。
エリザベス2世の肖像はジョディ・クラーク、シーモアパンサーはデビッドローレンスによる作品です。
ヘンリー8世とジェーンの愛の証であるシーモアパンサーは、良質な金貨かつ発行枚数が少ないことから希少性も高く、アンティークコイン投資にも適した商品であるといえるでしょう。
ウィンザー朝のイギリス女王であるエリザベス2世の金貨について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
エリザベス2世の5ポンド金貨おすすめ10選!希少性のあるコインを紹介
ジェーン・シーモアのアンティークコインで良くある質問
それでは、ジェーン・シーモアのアンティークコインでよくある質問をまとめました。
- ジェーン・シーモアと縁のある金貨・銀貨を購入するおすすめの方法は?
- シーモアパンサーなどイギリスコインの買取を依頼するなら?
それぞれ詳しく解説します。
ジェーン・シーモアと縁のある金貨・銀貨を購入するおすすめの方法は?
ジェーン・シーモアと縁のあるシーモアパンサーの金貨・銀貨は、近年に発売されたコインであるため数は少ないですが販売されることがあります。
しかし、身元の分からない個人が簡単に出品できるようなオークションサイトで購入するのは、相場よりも高い価格で売りつけられる可能性もあるため注意が必要です。
特に資産防衛を目的に価値のあるコインを保有するなら、信頼できる業者を通して購入することをおすすめします。
当サイト「コインライブラリー・プリンシパル」では、カタログやオークションログを基にした適切な価格設定でコインを販売しています。
また、シーモアパンサーは人気のある商品であるため業者によっては品切れとなっていることが多く、当サイトで取り扱う場合も早期に販売が終了することが予想されるので、常にチェックを忘れないようにしましょう。
シーモアパンサーなどイギリスコインの買取を依頼するなら?
シーモアパンサーを含むモダンコイン、ヘンリー8世などテューダー朝のアンティークコインを含むイギリスのコインをお持ちの方は当サイトで買取を依頼できます。
鑑定から現金化まで対応しており、イギリスだけでなく様々な国のコインの買取にも対応しています。
また、当サイトにコインを出品できるので、興味のある方はこちらのページから問い合わせをお願いします。
まとめ
ジェーン・シーモアは、シーモア家とヘンリー8世に振り回される生涯を送りましたが、本人は物静かで野心もなく、夫に対して言い返すこともほとんどなかった女性として知られています。
ヘンリー8世とジェーンの愛の証であるシーモアパンサーのコインは、購入できる機会があればぜひ入手したいコインの一つになります。