アンティークコインは、コレクターからの需要が大きく、その希少性の高さからオークションなどで高額で落札されることがあります。
発行されてから年数が経ち、減ることはあっても増えることはない性質から、時間が経つほどアンティークコインの入手難易度は上がっていくことが予想されます。
時には億を超える価格が付くこともあるアンティークコインですが、最高クラスのコインであれば具体的にどれくらいの価格で落札されたのか気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、アンティークコインが高額になる理由を解説したうえで、日本円に換算した具体的な落札価格と落札されたコインについて解説します。
アンティークコインが高額になる理由
アンティークコインに対する知識がなければ、1枚のコインが億単位の価値になることもある理由を理解できないかもしれません。
具体的にコインや落札価格について解説する前に、アンティークコインが高額で取引される理由について紹介します。
- 発行されてから年数が経つ
- オークションに出品される
- インフレの影響
発行されてから年数が経つ
まずは、アンティークコインの性質について考えていきましょう。
アンティークコインの定義は諸説ありますが、一般的には100年以上前に発行されたコインのことを指します。
発行されてから年数が経つことで、発行されたコインのうちいくつかは失われ、いくつかは傷がつき、状態の良いコインの数は少なくなっているはずです。
なかには歴史的な理由で発行されたコインのほとんどが溶解されてしまい、現存枚数がほとんどないために、希少性を持つコインもあります。
アンティークコインは過去に発行されたコインであるため、減ることはあっても増えることはありません。
今現存している希少価値のあるコインも年数が経つほど枚数は減少し、入手困難となり、より希少性が高まり、価格が上昇することでしょう。
このようにアンティークコインの性質は、年数が経つことにより、希少性が増すことが期待され、年々価格が上昇することにあります。
中には、状態を加味すれば世界に1枚だけしか存在しないほど希少なコインも出てくるでしょう。
発行されてから年数が経ち、世界でも限られた数しかないコインは、その希少性から高値で取引されやすくなるのです。
アンティークコインの価値について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アンティークコインの価値は? 買取価格を左右するグレードについても解説
オークションに出品される
アンティークコインに一見すると信じられない価格が付けられるのは、オークションに出品されることが大きな理由です。
サザビーズオークションなどの権威あるオークションに出品された高い希少価値が認められるコインは、多くのアンティークコインコレクターが注目しています。
コレクター同士の価格競争が加速すると、1枚のコインでも高額で落札されやすくなります。
近年では、インターネットを利用して誰でもオークションに参加できる時代になりましたが、参加するコレクターの質や、オークション自体の信頼性を考慮すると、高額落札の事例が発生するのは、古くから開催される信頼性が高い権威あるオークションです。
アンティークコインに億単位の価値が付いたことで話題になるのも多くはオークションの影響になります。
インフレの影響
アンティークコインの最高落札額は、時が経つにつれて最高値を更新し続けています。
もちろん、コイン自体の価値が高まっていることも理由ではありますが、過去と現在ではお金の価値も変わってくるので、時間が経つほどインフレの影響でも高額になりやすいです。
インフレでも価値が下がらず、インフレ対策にもなる資産であることから、世界の富裕層を中心にアンティークコイン投資が広まっている理由の1つでもあります。
コイン自体の希少性の高まりとインフレの影響により、今後もアンティークコインの最高落札額は更新されることが予想されます。
インフレ時代における資産運用について知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
インフレ時代における資産運用の新常識【アンティークコインの価値を知る】
アンティークコインの高額落札ランキング
それでは、アンティークコインの高額落札事例をランキング形式で3位から順に見ていきましょう。
3位:約6億円 ダブルイーグル金貨(2002年)
画像引用:https://www.pcgsasia.com/valueview/index?cid=941&specno=407404
ダブルイーグル金貨は、彫刻家のアウグスト・セント=ゴーデンが世界で最も美しいコインを作るというコンセプトでデザインしたコレクターからの評価が高い大型金貨です。
1907年~1933年まで同じデザインのダブルイーグル金貨が発行されてきましたが、最後の年である1933年のダブルイーグル金貨は幻の金貨と呼ばれるほど高い希少性を持っています。
1933年は、大恐慌にともなう経済対策で政府が国民の金保有を禁止し、政府が金を回収する法律を制定した影響で、ダブルイーグル金貨はほとんど発行されなかったからです。
そのため、現存していたダブルイーグル金貨も回収されたことで残存数が減り、希少性を増しており、特に流通が少なかった1933年製のダブルイーグル金貨はほとんど市場に出回ることがない金貨となりました。
2002年にこの幻のダブルイーグル金貨が落札され、当時の日本円で約6億円の価格が付けられました。
しかし、1933年製のダブルイーグル金貨はすべて溶解命令が出されており、今現存している金貨が盗み出されたものであるという説が有力であることから、法的な問題を抱えている金貨といえます。
1933年製以外のダブルイーグル金貨については、当サイトでも取扱経験があるので、在庫やコインの詳細について知りたい方はこちらのページをチェックしてください。
2位:約12億円 フローイング・ヘア・ダラー銀貨(2013年)
画像引用:https://www.pcgsasia.com/valueview/index?cid=721&specno=6051
フローイング・ヘア・ダラー銀貨は、アメリカ合衆国連邦政府によって発行された最初の1ドル銀貨です。
表面には自由の女神の横向きの肖像と、裏面にはアメリカの国鳥である鷲がリースに囲まれて描かれています。
1794年に見本として鋳造されたフローイング・ヘア・ダラーが、2013年に開催されたオークションに出品されたところ、日本円に換算すると約12億という値がつきました。
フローイング・ヘア・ダラーは、当時ではアンティークコインの落札額において最高値を記録しましたが、恐るべき点は金貨ではなく銀貨であったことです。
金属自体の希少性では銀は金に劣り、銀価格は1gあたり1,000円にも満たないので、貴金属の価値に換算した価格では、何枚用意したとしても10億に届くことは到底考えられません。
当時としても、銀貨がここまでの価格で落札されたのは極めて異例であり、業界にも衝撃を与えた出来事でした。
1位:約20億円 ダブルイーグル金貨(2021年)
2021年時点で最高値を記録した金貨も幻とされる1933年製のダブルイーグル金貨となりました。
約20年ぶりにオークションに出品されたダブルイーグル金貨は、サザビーズによる競売で約20億円での落札となり、同じ種類の同一の金貨ではないものの14億円の値上がりになります。
また、当初の落札額は21億円といわれていましたが、後にサザビーズは20億円に訂正しています。
ここまで紹介したアンティークコインの事例はほとんどのコレクターや、アンティークコイン投資を検討している方に手の届かないものです。
アンティークコイン投資のおすすめ銘柄となる希少価値の高いコインについては、こちらの記事で紹介しています。
アンティークコイン投資のおすすめ銘柄と高額コインの値上がり事例
アンティークコインの高額ランキングに関するよくある質問
アンティークコインの高額落札ランキングを踏まえたうえで、アンティークコインに関するよくある質問をまとめました。
- 高額になりやすいアンティークコインの特徴は?
- 高価な価値を持つアンティークコインを購入する方法
それぞれ詳しく見ていきましょう。
高額になりやすいアンティークコインの特徴は?
希少性の高さ、状態(グレード)の良さ、需要の大きさが最高レベルのアンティークコインには高い価値が付きやすいです。
今回紹介したダブルイーグル金貨を例にあげれば、発行年の歴史的な事情でほとんどが溶解され流通しなかった背景があり、ダブルイーグル金貨自体がアメリカのコインの中でも高い人気を誇っていたことが価値の上昇につながったといえるでしょう。
さらに鑑定会社からの鑑定結果も重要であり、PCGS社やNGC社などの権威ある鑑定会社で高い評価が付けられ、他のコインと比較しても状態が良い場合は価値を増しやすいです。
高い価値を持つアンティークコインの選び方について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アンティークコイン投資入門 グレード・希少性・人気などの選び方を解説
高価な価値を持つアンティークコインを購入する方法
アンティークコイン初心者が誰でも参加しやすいインターネットオークションから高価なコインを購入するのは適切ではありません。
権威あるオークションとは異なり、素性の分からない個人も出品できるので、信頼性に欠けるため、アンティークコインの購入はコイン専門店で行うことを推奨しています。
当サイト「コインライブラリー・プリンシパル」は、価格が不透明で購入する際に不安も大きいアンティークコインを適性かつ自由に取引できることを目標に設立したコイン専門店になります。
コインの価格は、外国貨幣評価書、オークションログ、カタログを参考に相場に沿った価格で提供しているのが特徴です。
購入だけでなく、アンティークコインの売却もできるので、購入したコインの売却先を気にすることなく保有可能になり、買取のみの利用も受け付けております。
詳しくはこちらのページからお問い合わせください。
まとめ
アンティークコインのおける高額落札事例をランキング形式で紹介しましたが、今後もこの記録は新たな落札事例によって塗り替えられることが予想されます。
コインの希少性は時を重ねるほど価値を増し、インフレの影響を受けにくい性質から高い価値を持ったアンティークコインは資産形成の手段としても用いられています。
アンティークコイン投資について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。