銀投資とは銀の価値の上昇に期待して銀を保有する投資方法ですが、近年では実際に銀を購入して保有するのではなくさまざまな方法で銀に投資できるようになりました。
他の貴金属の投資対象には金がありますが、金ではなく銀を選ぶ理由としては少額から投資できる点と市場における価格の変動幅が銀のほうが広いため、大きなリターンが期待しやすい点が主に挙げられるでしょう。
しかし、他にも金ではなく銀を投資対象に選ぶ理由は存在しています。
この記事では銀投資の方法と金ではなく銀を選ぶ理由を解説し、デメリットとおすすめの投資方法についても紹介します。
銀価格の高騰に期待して銀投資をする方法は?
銀投資で基準になるのは銀価格であり、この価格は毎日変動し続けています。
銀価格の高騰に期待して銀投資をする方法は主4につあります。
- 現物の購入
- 投資信託(ETF)
- 先物投資
- 暗号資産(仮想通貨)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
現物の購入
銀投資でもっともイメージしやすいのが銀そのものを購入して保有する方法ではないかと思います。
インゴットや投資用銀貨などを貴金属店などで購入してから自宅で管理し、購入価格よりも銀価格が上昇したタイミングで買取に出せば利益が出せる仕組みです。
ただし、銀は長期保有で錆びなどの劣化しやすい性質があるため、金の現物と比較しても保管に気を遣う必要があります。
現物投資では金やプラチナのほうが人気である理由は、錆びなどの劣化がしにくい点が挙げられます。
そのため、貴金属店でも投資用の銀を販売していない場合もあるので、現物投資で実践する場合は注意が必要です。
銀の購入先についてこちらの記事をチェックしてください。
銀貨のおすすめの購入先は? 種類に合わせてどこで買うべきか解説
投資信託(ETF)
銀の現物保有は劣化などのリスクを考えると難しく、額面が大きくなるほど保有する銀の量も増えるので個人で管理するのは難しいかもしれません。
しかし、銀投資は実際に銀を保有しなくても投資可能であり、その方法の1つが投資信託を通した投資です。
投資信託は投資家から集めた資金を利用して運用する方法であり、銀価格に合わせて価値が変動する仕組みとなっており、銀価格が上昇すれば利益が得られます。
また、銀を対象にした投資信託の多くはETFと呼ばれる投資信託であり、株式と同様に上場している特徴があります。
投資信託であれば銀を保有するリスクを負わずに投資を実現可能です。
ただし、銀価格が下落したときには損をすることが避けられないので、リスクを正しく理解した上で投資する必要があります。
先物投資
先物投資はあらかじめ決められた期日までに取引を約束する投資方法です。
例えば、大量の銀を銀価格に基づき1,000万円で取引する約束を交わしたとします。
期日を迎えた際の同量の銀の価値が1,200万円になっていたと仮定すれば、1,000万円で銀が取引する約束を交わしているので200万円の利益が発生します。
一方で、期日を迎えたときの銀の価値が800万円になった場合も1,000万円で銀を購入しなければならないので200万円の赤字が発生する仕組みです。
先物取引では自己資金だけでなく、金融機関からお金を借りて取引するため、投資額が大きくなるため短期的に大きなリターンが期待できる反面、大損してしまうリスクもあります。
銀投資のなかでも期待できるリターンが大きいですが、リスクも大きい上級者向けの投資方法です。
暗号資産(仮想通貨)
暗号資産(仮想通貨)は、世界中で広く種類が増えており、その中でも注目したいコインがステーブルコインです。
ステーブルコインは、米ドルなどの通貨であったり、金・銀などの貴金属に連動した価値をもつ仮想通貨です。
そのため、銀の価値に連動するステーブルコインがあり、日本にはジパングコインシルバー(ZPGAG)があります。
ただし、ステーブルコインは価値の保証が信頼に依存していることが多く、担保に対して疑惑が発生した際には、暴落が発生することもあるため注意が必要です。
実際にステーブルコインが無価値になった事例が過去には海外で発生したことがあったため、ステーブルコインの発行元の信頼性が重要になります。
金ではなく銀を選ぶメリット・理由について
先ほど紹介した銀への投資方法は銀特有の投資方法ではなく、金をはじめとする貴金属への投資方法に共通します。
資産運用に用いられる貴金属としては最も知名度が高く人気もある金ではなく銀を選ぶメリット・理由を2つ解説します。
- 少額から投資できる
- 価格の変動幅が大きい
一方で、金投資をおすすめしない理由もあるので、その理由について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
金投資をおすすめしない3つの理由とは? 初心者に適した投資方法を紹介
少額から投資できる
金は1gあたり数千円というレートで取引されますが、銀は1gあたり数十円というレートです。
少額から貴金属の現物を購入する場合は、金のインゴットには手が届かなくても銀のインゴットであれば投資できる場合もあるでしょう。
よって、金よりも少額から取引しやすい点が銀投資の魅力の一つといえます。
価格の変動幅が大きい
銀は金よりも価格が安定しにくいといわれますが、価格の変動幅が大きいということは期待できるリターンも高くなるということです。
特に先物取引など積極的にリターンを得る投資方法であれば、金ではなく銀を選ぶ投資家もいます。
銀価格に大きな変動が見込まれる状況であれば、価格変動の大きさを求めて金ではなく銀に投資家が集まる可能性も高いです。
銀投資の将来性や今後を見きわめるためのポイント
金ではなく銀を選ぶメリットについて説明しましたが、次に銀投資そのものの将来性や今後を見きわめるためのポイントを紹介します。
- 工業需要の増加
- 産出国における採掘量の減少
工業需要の増加
銀は主に工業に使用される金属であるため、工業需要の増加が見込まれると価値が上昇しやすくなります。
反対に、工業需要が減少すると下落しやすくなり、需要を見きわめることが重要です。
特に近年では太陽光発電における銀の需要増加が加速しており、2022年から2023年の伸び率は64%増であり、全体でも20%の増加となりました。
長期的には工業需要の増加が見込まれる状況となっているものの、コストの高さから銀の代用品を考える動きもあるため、工業需要の先行きを注視する必要があります。
産出国における採掘量の減少
銀は近年、採掘量の減少が目立っている金属であり、長期的に考えても採掘量が減少する可能性があると考えられています。
銀の主要な産出国であったメキシコでは、銀の供給量が減少しており、このペースで採掘を続けると2026年に枯渇するといわれており、長期的に供給が不足することが懸念されています。
また、銀は2019年から供給不足の状態にあり、不足分も毎年のように上昇していることが現状です。
供給量の減少は工業需要においてコストの高さから銀を代用する動きが加速する懸念はあるものの、代用が難しい工業分野が多いほど銀に頼らざるを得ないため、価値の上昇に寄与すると推測可能です。
金投資にはない銀投資のデメリット
一方で、銀投資には特有のデメリットも存在するので注意が必要です。
金投資にはない銀投資のデメリットは2つあります。
- 安全資産としてはリスクが大きい
- 工業製品の先行きに影響されやすい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
安全資産としてはリスクが大きい
貴金属への投資で期待することは、株式の暴落やインフレ対策となる安全資産としての保有ではないでしょうか?
しかし、銀は金と比較して価格が安定しにくいため、安全資産としてはリスクが大きいです。
銀投資の歴史は投機的な資金の流入によって乱高下してきた歴史もあり、このような状況のことをオイルショックに合わせてシルバーショックと呼ばれています。
よって、銀を保有するなら銀よりも価値が安定しやすい金や、より安全性の高い投資対象を選ぶことが考えられるでしょう。
工業の先行きに影響されやすい
銀価格は、工業と密接に結びついているため、工業の先行きに価格が影響されやすい性質を持ちます。
特に工業需要が重要であり、需要が縮小することがあれば価格は下落しやすいです。
これは投資以外の需要が宝飾が大半であり、工業需要が多くを占めていない金よりも銀のほうが影響を受けやすい点になります。
特に短期的に取引する場合は、直近の工業の動向を注視する必要があります。
銀投資の将来性について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
銀投資の将来性は? 価格が上昇する理由やおすすめの方法を解説
銀投資のおすすめの方法はアンティークコイン投資である理由
銀ではなく金に投資する理由と考えられるデメリットについて紹介してきましたが、ここまでの内容を踏まえて銀投資に魅力を感じない方もいることでしょう。
しかし、銀に対するおすすめの投資方法があり、アンティークコイン投資であれば人によっては金ではなく銀に投資する理由を見出せるかもしれません。
アンティークコイン投資がおすすめである理由は下記の通りです。
- 希少性の高い銀貨の価値は安定しやすい
- 貴金属の価格がコインの価値に影響しにくい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
希少性の高い銀貨の価値は安定しやすい
アンティークコイン投資は、一般的に100年以上前に発行された銀貨を保有して価値の上昇期待する投資方法です。
過去に発行された銀貨は減ることはあっても増えることはないので、価値が下がりにくく、長期的には上昇しやすい性質を持っているといえます。
また銀は劣化しやすいですが、紀元前に発行されたコインであれば錆などの劣化が見られる状態であっても、銀貨自体の希少性が非常に高いことから高値が付きやすいです。
よって、貴金属への投資で期待される安全資産としての役割を果たしやすいといえるでしょう。
貴金属の価格がコインの価値に影響しにくい
銀価格で取引される投資用銀貨と希少性の高さから高値で取引されるアンティークコインでは、その価値がどこにあるのかが異なります。
貴金属店で広く購入できる投資用銀貨は、銀貨自体の希少性がないため、銀価格に基づいて取引されます。
一方で、希少性の高いアンティークコインは貴金属の価格に上乗せして、プレミア価値を加味した上で取引されるのが一般的です。
数百万円、数千万円の価値を持つ非常に希少なアンティークコインにおいて貴金属価格の変動が価値に及ぼす影響は少なくなります。
しかし、数十万円の金貨であれば金は1gあたり数千円になることから、金の価値の変動がアンティークコインの価格に影響を及ぼしてしまう場合もあります。
銀の場合は1gあたり数十円であることから、金貨と同じ価値を持つ銀貨であれば銀価格がコインの価格に影響を及ぼしにくいです。
アンティークコインに少額から投資を検討するほど貴金属価格が問題になってくるので、貴金属価格が高騰する状況ではアンティークコイン投資家の間では金貨よりも銀貨のほうが人気を集めることがあります。
投資できる銀貨の種類について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
銀貨の投資方法は? 価値の推移と投資できる銀貨を一覧形式で紹介
銀投資のおすすめの方法についてよくある質問
銀投資のおすすめの方法についてよくある質問をまとめました。
- 銀投資はどんな人におすすめなのか教えてください
- 希少性の高い銀貨を購入するおすすめの方法は?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
銀投資はどんな人におすすめなのか教えてください
銀投資の目的にもよります。例えば、銀価格の価格変動幅が他の貴金属よりも大きいことを理由に、短期的に投資をしたいと考えているなら銀投資が適しているでしょう。
ただし、上記の投資方法は上級者向けの投資方法となっているので、初心者にはおすすめできません。
一方で、希少性の高い銀貨を保有するアンティークコイン投資は、少額からアンティークコイン投資を始めたいと考えており、安定した資産に投資をしたいと考えている人におすすめです。
希少性の高い銀貨を購入するおすすめの方法は?
希少性の高い銀貨は、コイン専門店を利用して購入するのがおすすめです。
銀貨を購入できるコイン専門店には「コインライブラリー・プリンシパル」があります。
アンティークコイン投資は銀貨を購入するだけでなく、適切な保有方法と売却手段についても考える必要があるので、これらの機能を揃っている専門店を選ぶことが重要です。
当サイトでは銀貨を専用の金庫にて預かり、預かった銀貨は売却指示をいただいてから迅速なタイミングで現金化します。
スタッフは銀貨だけでなく、資産形成に対しても知見があるため、アンティークコイン投資だけでなく一般的な資産運用についても相談可能です。
詳しくはこちらのページからお問い合わせください。
まとめ
金ではなく銀を選ぶ理由はいくつか考えられますが、少額で安定した投資対象を見つけるなら銀貨から選ぶほうがいい状況もあります。
特にインフレが懸念される状況で金などの貴金属価格が高騰している場合は、後に下落するリスクを考えて銀貨に投資することも検討しましょう。
希少性の高い銀貨などのコインに投資するアンティークコイン投資について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。