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公開日 2022.9.28更新日 2022.11.8

10万円の額面を持つ金貨とは? 通貨型金貨の性質についてもご紹介

金本位制が停止され、現在における金貨は金価格に連動した価値を持つ地金型金貨とアンティークコインとして収集や取引の対象になる収集型金貨の2種類があります。

しかし、10万円の額面を持つ通貨型の金貨も存在することをご存じでしょうか?

10万円の額面が設定された金貨は日本で2種類発行されています。

また、通貨型金貨は額面が設定されているので銀行では10万円で取引されますが、買取に出せば現在においては10万円以上の価格が付くこともあります。

この記事では、10万円の額面を持つ2種類の金貨を紹介した上で、通貨型金貨の性質も解説します。

10万円の額面を持つ日本で発行された2種類の金貨

10万円の額面を持つ金貨は日本では2種類発行されました。まずは、それぞれの金貨を詳しく紹介します。

  • 天皇陛下御即位記念10万円金貨
  • 天皇陛下御在位60年記念10万円金貨

それぞれ詳しく見ていきましょう。

天皇陛下御即位記念10万円金貨

天皇陛下御即位記念10万円金貨

画像引用:https://www.shogeikan.co.jp/shop/products/detail.php?product_id=1008

概要 内容
発行国 日本
発行年 1990年
額面 10万円
直径 33mm
重量 30g
発行枚数 200万枚

皇太子明仁親王殿下の即位を記念して1990年に発行されたのがこちらの10万円金貨です。

表面には、鳳凰が描かれており、鳳凰は健康長寿の象徴であり、鳳凰の下に描かれる瑞雲は吉祥の兆しともされており、デザインからもさまざまな思いが込められています。

裏面は、繁栄隆盛を表す桐と唐草に囲まれた皇室の象徴である菊の御紋の周りには発行年と10万円という額面が確かに刻まれています。

購入する場合は、造幣局専用ブリスターパックが付属しているかどうかを確認するのがおすすめです。

金貨を衝撃から守り、摩耗を防ぐ役割を果たすだけでなく、偽造防止のID番号が入った証紙が付いているので真贋を見きわめる上での信頼性が増します。

日本のアンティークコインについて知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

日本のアンティークコイン特集 おすすめの古銭を紹介

天皇陛下御在位60年記念10万円金貨

天皇陛下御在位60年記念10万円金貨

天皇陛下御在位60年記念10万円金貨

概要 内容
発行国 日本
発行年 1986年・1987年
額面 10万円
直径 30mm
重量 20g
発行枚数 1,100万枚

昭和天皇の在位60年を記念して発行された金貨が天皇陛下御在位60年記念10万円金貨になります。

こちらの金貨は1986年に1,000万枚、1987年に100万枚発行されており、1万円銀貨、500円白銅貨も同時に発行されました。

日本初の記念金貨であり、発行された理由には政治的な理由も絡んでいますが、記念金貨としては発行枚数が多いことから現在の時点におけるプレミア価値は少ないようです。

表面は平和の象徴であると水が表現されており、裏面は文字の刻印以外はシンプルに菊の御紋章のみが描かれています。

天皇陛下御在位60年記念1万円銀貨について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

天皇陛下御在位60年記念銀貨の価値について額面と買取から解説

2種類の金貨から分かる通貨型金貨の性質

2種類の金貨から分かる通貨型金貨の性質

日本の通貨型金貨を2種類紹介しましたが、上記の10万円金貨から通貨型金貨の性質が分かります。

今後高い希少性を持つ可能性がある10万円金貨の性質は下記の通りです。

  • 銀行では同じ額面で使える
  • 含有する金に差があることから買取価格が異なる
  • 希少性が認められればプレミア価値も付く

それぞれ詳しく見ていきましょう。

銀行では同じ額面で使える

今回紹介した2つの金貨は発行枚数と金の含有量から、買取価格を査定した場合には同じ価値がつくことはありません。

その理由に関しては次の項目で解説しますが、銀行で使用した場合は、どちらの通貨も10万円という額面が設定されているので同じ額面で使用可能です。

仮に一時的なものであっても金の価値が大きく下落し、含有している金の価格が10万円を切ったとしても日本政府が価値を保証しているので10万円の額面で使用できます。

通貨型金貨は含有している金量に関わらず、発行当時の額面で使用できる特徴を持っています

含有する金に差があることから買取価格が異なる

一方で、こちらの金貨を買取に出した場合は、含有している金量で買取価格が査定されます。

通貨型金貨は日本政府が発行している通貨であるため、実際に溶かして金に戻すことは犯罪です。

あくまで、金貨の価値を査定する上で、含有している金量を基準にしていると考えるようにしましょう。

このとき先ほど紹介した2つの金貨は査定方法において、同じ額面を持ちながら異なる買取価格が付きます。

なぜなら、天皇陛下御即位記念10万円金貨は30gの金貨でしたが、天皇陛下御在位60年記念10万円金貨は20gの金貨であるため、10gの差があることから買取価格が異なるのです

よって、金価格で査定した場合は、状態にもよりますが天皇陛下御即位記念10万円金貨のほうが高い価値がつきやすいといえます。

希少性が認められればプレミア価値も付く

通貨型金貨は、額面が設定されているものの、希少性が認められれば多くのコレクターから額面以上の価格で取引されるようになるのでプレミア価値も付きます。

銀行で取引すれば今も昔も変わらず10万円で取引されますが、買取に出せば現在の金価格とプレミア価値が加味されて倍以上の価格が付くこともあります。

どちらの金貨も発行されてから30年ほどの月日しか経っていませんが、さらに時間が経てばプレミア価値が付くこともあるかもしれません。

ただし、天皇陛下御在位60年記念10万円金貨は1986年の発行枚数が1,000万枚あるため、記念金貨としては発行枚数が多過ぎることから時間が経っても希少性が認められにくい可能性もあります。

通貨型金貨は現在の金価格や、希少性によるプレミア価値も認められる場合があることを理解しておきましょう。

金貨の投資価値について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

金貨の投資価値とは?価格の推移と種類を一覧形式で紹介

10万円の金貨に関するよくある質問

10万円の金貨に関するよくある質問をまとめました。

  • 額面の価値と金そのものの価値が逆転するとどうなりますか?
  • 金貨の買取を依頼するならどこがおすすめ?

それぞれ詳しく見ていきましょう。

額面の価値と金そのものの価値が逆転するとどうなりますか?

額面の価値と金そのものの価値が逆転するとどうなりますか?

通貨型金貨の額面は発行当時の金価格からすれば割高な価格が設定されますが、金価格は長期的に上昇するため逆転することがあります。

金価格はインフレなどの要因から長期的に右肩上がりに上昇すると考えられるため、通貨としての価値と買取価格に差が生まれます。

このような状況になった場合でも、通貨型金貨を銀行で使う場合は現在の金価格は考慮されず額面通りの価格で取引されるので、金価格で考えれば損をすることになります。

そのため、通貨型金貨は金価格が一定の水準まで上昇した段階で銀行に持っていくよりも、金貨の買取ができる場所で査定してもらったほうが高い価格で現金化が可能です

金貨の買取を依頼するならどこがおすすめ?

コインライブラリー・プリンシパル

金貨の買取を依頼できるおすすめの場所は「コインライブラリー・プリンシパル」があります。

当サイトではアンティークコインなどの希少性の高い金貨を中心に国やジャンルにとらわれない買取を実施しています。

価値の気になる金貨をお持ちの方はこちらのページからお問い合わせください。

まとめ

10万円金貨について紹介しましたが、日本にも記念金貨は存在しており、額面が設定されていることから価値が複雑になりやすい性質を持ちます。

金貨は金価格とプレミア価値の2つの価値基準によって価格が変わってくるので、金貨の種類を把握して、性質を理解することで金貨の収集、売買、投資に役立つことでしょう。

金貨の種類について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

金貨の種類とは? 地金型金貨・収集型金貨に分けて代表的なコインを紹介

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この記事の著者

アンティークコイン ジャーナル編集部

英国王室シリーズから古代コインまで、幅広い年代のコインの紹介だけではなく、試鋳貨、造幣局による違い、彫刻家、リストライク、などアンティークコインの魅力や楽しめる知識をフラットに情報提供している。編集長は、英国王室コインと、動物コインシリーズが好き。

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