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公開日 2024.12.9更新日 2024.12.9

世界で一番美しい鳥を描く「極楽鳥」コインの魅力と人気の秘密は?

極楽鳥とは、パプアニューギニアとその周辺の島に生息している色鮮やかな綺麗な羽根を持ち、楽園の鳥とも呼ばれます。

ドイツ領であったニューギニアの時代に国鳥である極楽鳥を描いた金貨・銀貨・銅貨など、全9種類のコインが発行されました。

オリジナルの極楽鳥のコインは発行から200年以上の時が経つことから、状態の良いコインがほとんど現存していませんが、2020年に復刻版がパプアニューギニアで発行されコレクターから人気を集めています。

この記事では、世界で一番美しい鳥といわれ、動物コインの中でも人気が非常に高い「極楽鳥」を描いたコインの魅力と人気の秘密を解説していきます。

この記事のポイント

・極楽鳥コインの魅力と人気の秘密を解説
・極楽鳥コインの種類や価値についてご紹介

ニューギニアで発行される「極楽鳥」コインの概要

 

極楽鳥 銀貨 表

極楽鳥 銀貨 裏

概要 内容
発行国 パプアニューギニア
発行年 2020年
額面 10キナ
デザイナー(表面) オットー・シュルツ
表面 枝に止まる極楽鳥
刻印(表面)
裏面 槍とクンドゥ太鼓の上に乗る極楽鳥(国章)
刻印(裏面) PAPUA NEW GUINEA 2020 K20
直径 45mm
重量 62g
発行枚数 250枚
品位 999/1000銀
グレード PR70DCAM
状態 Proof FDC

極楽鳥コインは、ニューギニアで発行された上記の極楽鳥のデザインが描かれたコイン全般を指します。

オリジナルは1894年~1895年頃に発行されていますが、2020年に復刻版の金貨・銀貨が発行されました。

コインとしての価値が高いのはオリジナルではありますが、状態の良いコインの現存数が少ないことから、図柄を詳細に鑑賞しやすいのは復刻版です。

近年では、ウナとライオン、スリーグレイセスなど熱狂的な人気を集めているアンティークコインの復刻が多く、英国王立造幣局がコインコレクターを満足させるために細部までこだわって極楽鳥コインを復活させました。

シュルツ&ワイガンド社の片割れである彫刻家オットー・シュルツがデザインしており、復刻のコインの中でも高い評価を得ています。

世界で一番美しい鳥といわれる極楽鳥を細部までこだわってデザインしたニューギニアの極楽鳥コインは、200年以上の時を経てもコインコレクターに愛されています。

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極楽鳥コインの歴史、魅力と人気の秘密

極楽鳥コインが発行された時代背景などの歴史、魅力と人気の秘密を紹介していきます。

  • ドイツ帝国の初の植民地であるドイツ領ニューギニア
  • パプアニューギニアとその周辺を生息地とする極楽鳥
  • オリジナルはコインとしての価値、復刻版は鑑賞性に優れる

ドイツ帝国の初の植民地であるドイツ領ニューギニア

ドイツ領ニューギニアは、ドイツ帝国初の植民地であり1884年~1914年まで保護領となっていました。

パプアとニューギニアは、それぞれオランダ、ドイツ、イギリスによって分割支配を受けていた歴史があり、現在ではパプアニューギニアに統一されています。

極楽鳥コインはドイツがニューギニアを本格的な統治を開始した時代に発行されたコインです。

当時のドイツはヴィルヘルム2世が統治していましたが、ドイツの君主の肖像とドイツの国章を使用する許可が得られず、ニューギニアの国鳥である極楽鳥がデザインに使用された経緯があります。

しかし、発行は限定的であり1894年~1895年の短い期間のみ発行されていることから、発行枚数も流通貨幣としては非常に限定的です。

コレクター用のプルーフコインも発行されたといわれていますが、発行枚数は不明であり、ごくまれにオークションで見られることがあります。

ドイツの通貨と同様にドイツの君主、ドイツの国章を使用せず、ニューギニアの象徴である極楽鳥を使用したことから、現在もコレクターから人気を集めることとなりました。

パプアニューギニアとその周辺を生息地とする極楽鳥

極楽鳥は、パプアニューギニアとその周辺の島の密林に生息する極彩色の羽根が魅力的な鳥類です。

天敵の少ない環境である鳥類にとって楽園とも呼べる環境で暮らしてきた極楽鳥は、他の地域の鳥類とは異なる独自の進化を遂げました。

フウチョウ科に属する極楽鳥は、実はカラスと同じ共通の祖先をもつ鳥であり、種類も非常に多いです。

極楽鳥は共通してオスが美しい羽毛と派手な飾り羽を持ち、繁殖期には求愛のために踊りを見せることで知られています。

そのため、極楽鳥のメスは色を含めて派手な姿をしていないため、コインに描かれる極楽鳥はオスの姿です。

パプアニューギニアでは極楽鳥が国鳥に指定されており、国旗、国章においても極楽鳥が描かれています。

パプアニューギニアとその周辺で独自の進化を遂げた世界で一番美しい鳥をデザインしていることから、極楽鳥コインはコレクターからアンティークコイン初心者まで人気を誇ります。

オリジナルはコインとしての価値、復刻版は鑑賞性に優れる

極楽鳥コインのオリジナルは、5マルク銀貨が最も広く流通していますが、コインのグレードや状態によって価値が大きく変動します。

状態の良いコインは少ないですが、一定の状態を持つコインであれば5マルク銀貨であっても価値が高いといえるでしょう。

一方で、復刻版は現在の時点では大きなプレミア価値は認められていませんが、状態の良さから鑑賞性に優れます。

デザインの美しさが魅力に感じており、観賞用に極楽鳥コインを入手したいと考えるなら、復刻版を手元に置くことを考えたいところです。

オリジナル・復刻版どちらも人気が高く、入荷してもすぐに品切れとなってしまうことも多い魅力的なコインです。

極楽鳥コインの種類

当サイト「コインライブリー・プリンシパル」でも取り扱ったことがある極楽鳥コインの種類を紹介します。

  • ドイツ領ニューギニア 極楽鳥 5マルク銀貨 1894年【オリジナル】
  • パプアニューギニア 極楽鳥 10キナ銀貨 マット仕上げ 2020年【復刻版】
  • パプアニューギニア 極楽鳥 500キナ金貨 2020年【復刻版】

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ドイツ領ニューギニア 極楽鳥 5マルク銀貨 1894年【オリジナル】

極楽鳥 5マルク銀貨 表 極楽鳥 5マルク銀貨 裏

概要 内容
発行国 ドイツ領ニューギニア
発行年 1894年
額面 5マルク
サイズ 38mm
発行枚数 19,094枚
状態 Toned AU/UNC
グレード MS62+

ドイツ領ニューギニアで発行された極楽鳥のオリジナルである5マルク銀貨です。

グレードはMS62+、状態も他の5マルク銀貨と比較して良好であるため、高い価値を有しています。

パプアニューギニア 極楽鳥 10キナ銀貨 マット仕上げ 2020年【復刻版】

概要 内容
発行国 パプアニューギニア
発行年 2020年
額面 10キナ
サイズ 38.6mm
発行枚数 100枚
状態 Matte Proof FDC
グレード PR70Matte

最初に紹介した10キナ銀貨のマット仕上げを行ったタイプであり、発行枚数がより少ないことから希少な銀貨です。

鑑賞性と希少性を両立しており、今後の価値の上昇が期待できる1枚となっています。

パプアニューギニア 極楽鳥 500キナ金貨 2020年【復刻版】

概要 内容
発行国 パプアニューギニア
発行年 2020年
額面 500キナ
サイズ 38.6mm
発行枚数 400枚
状態 Matte Proof FDC
グレード Proof FDC

復刻版で発行された極楽鳥の大型金貨であり、銀貨とは異なる鑑賞性と金の含有による高い価値を有しています。

オリジナルの極楽鳥は金貨がほとんど流通していないことから、金貨で収集したい場合は復刻版のほうが探しやすいです。

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極楽鳥コインの購入・買取をするなら知っておきたい価値

アンティークコイン

極楽鳥コインはオリジナル版で状態の良いコインは、高値で取引されやすくなっています。

ヘリテージオークションではコレクター用にプルーフ加工の10マルク金貨が約1,000万円で落札されていることから、その価値の高さがわかります。

一方で、復刻版の極楽鳥コインは現在の時点ではプレミア価値が価格に反映されることが少なく、オリジナルと比較すると入手しやすいです。

オリジナルで状態の良い極楽鳥コインであれば高価買取が期待できます。

当サイト「コインライブリー・プリンシパル」では、オリジナル版・復刻版のどちらの極楽鳥コインの取り扱いがあります。

どちらも入荷するとすぐに品切れとなってしまう人気のコインであるため、定期的に入荷状況をチェックしてください。

また、当サイトでは極楽鳥コインの買取も受け付けているため、詳しくはこちらのページからお問い合わせお願いします。

まとめ

世界で一番美しい鳥を描く極楽鳥コインは、アンティークコインのコレクターから初心者まで広く需要のあるコインとなっています。

大型のコインであることから鑑賞性にも優れており、コインの将来的な価値の上昇も期待しやすいです。

デザインの美しさから興味を持ったなら、手元に置くことを検討してみましょう。

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この記事の著者

アンティークコイン ジャーナル編集部

英国王室シリーズから古代コインまで、幅広い年代のコインの紹介だけではなく、試鋳貨、造幣局による違い、彫刻家、リストライク、などアンティークコインの魅力や楽しめる知識をフラットに情報提供している。編集長は、英国王室コインと、動物コインシリーズが好き。

アンティークコイン ジャーナル編集部

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