ナポレオンの20フラン金貨は、ナポレオンの金貨の中でもトップクラスに知名度が高く広く取引されているコインです。
流通数が多いことからアンティークコインとしての価値はけっして高くはありませんが、あのナポレオンが描かれていることから人気があります。
そのため、アンティークコインに興味を持った人が最初に購入するコインとして適している金貨です。
また、こちらの20フラン金貨は生前に本人が大変気にいっていたといわれており、ナポレオンと金貨に関する逸話が残っています。
この記事では、アンティークコイン初心者におすすめのナポレオンの20フラン金貨について解説していきます。
この記事のポイント
・初心者も購入しやすいナポレオン 20フラン金貨の価値を解説
フランスの第一帝政に発行されたナポレオン 20フラン金貨について
概要 | 内容 |
発行国 | フランス |
発行年 | 1811年 |
額面 | 20フラン |
デザイナー(表面) | ジャン=ピエール・ドロー(Jean-Pierre Droz) |
表面 | ナポレオン1世の左向き肖像 |
刻印(表面) | NAPOLEON EMPEREUR· |
裏面 | 月桂樹のリースに囲まれた額面 |
刻印(裏面) | EMPIRE FRANÇAISE. 20 FRANCS 1811. A(ミントマーク) |
刻印(エッジ) | DIEU PROTEGE LA FRANCE |
直径 | 21mm |
重量 | 6.45g |
発行枚数 | 3,705,489枚 |
品位 | 900/1000金 |
グレード | MS63 |
状態 | UNC |
ナポレオン1世はフランスの第一帝政の皇帝であり、第三帝政のナポレオン3世など歴史上では複数のナポレオンが存在しますが、日本において一般的にナポレオンといわれるのはナポレオン1世です。
皇帝に即位したのは1804年ですが、こちらの20フラン金貨は即位前から流通しており、1815年まで発行されていました。
月桂冠を被るナポレオン1世の肖像が描かれていますが、こちらの肖像にローマ皇帝を連想した方もいるかもしれません。
月桂冠はローマ皇帝の象徴であり、ナポレオンは自身をローマ皇帝と重ねることで権威を誇示するためにローマ皇帝を意識したデザインにしたと考えられています。
ナポレオンの帝政はヨーロッパの各地の支配に成功したことにより、金貨もヨーロッパ各地に広く流通しました。
アンティークコインで高い価値がつく場合は希少性の高さが重要であるため、ナポレオンの20フラン金貨は希少性において評価されておらず、人気の金貨でありながら低価格で購入しやすいです。
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ナポレオン 20フラン金貨に関連するエピソード
ナポレオン 20フラン金貨に関連するエピソードを紹介していきます。
- ナポレオン1世の金貨は金本位制の先駆けといわれている
- ナポレオンは自身の金貨を気に入り農夫に配ったことがある
- ナポレオン 20フラン金貨のミントマーク
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ナポレオン1世の金貨は金本位制の先駆けといわれている
1816年、イギリスで金本位制が開始され、イギリスに続く形で本位貨幣として各国が金貨を鋳造しました。
フランスもナポレオン金貨が金本位制の始まりといわれますが、ナポレオン1世ではなくナポレオン3世のことであり、1852年~1870年頃まで発行されていた金貨のことを指します。
つまり、ナポレオン1世の金貨は1800年代前半から1815年頃まで発行されていることから、イギリスの金本制の先駆けであったいわれることがあります。
また、ナポレオン1世・ナポレオン3世の金貨は貨幣として流通させるために大量に発行したことから、地金価格と比較してプレミアがほとんどつかない状態で取引されてきました。
そのため、金本位制だけではなく、現在のメープルリーフ金貨などの地金型金貨においても先駆けであったといわれています。
ナポレオンは自身の金貨を気に入り農夫に配ったことがある
ナポレオンは自身が描かれた20フラン金貨をとても気にいっていたことがわかっており、金貨に関する逸話が残っています。
セントヘレナ島に島流しにされたナポレオンは、その際に20フラン金貨を大量に持ち運んでいました。
島へ向かう前には20フラン金貨を兵士に配ろうとして、イギリス将校に止められたことがありました。
また、セントヘレナ島では畑で農夫から鋤を奪い、一筋の長い真っすぐの畝を作った後に、農夫に金貨を手渡したというエピソードは有名です。
ナポレオンの20フラン金貨にはナポレオンにまつわるエピソードが残っていることも人気の理由といえるでしょう。
ナポレオン 20フラン金貨のミントマーク
ナポレオンの20フラン金貨は各地で製造されていたことから、区別するためにミントマークが刻まれています。
金貨の刻まれたミントマークでナポレオンの金貨がどこで鋳造されたのかわかるため、お手持ちの金貨があれば以下の表を参考にしましょう。
ミントマーク | 場所 |
A | パリ |
AA | メス |
B | ルーアン |
BB | ストラスブール |
CL | ジェネス |
D | リヨン |
G | ジュネーブ |
H | ラ・ロシェル |
I | リモージュ |
K | ボルドー |
L | バイヨンヌ |
M | トゥールーズ |
M/A | マルセイユ |
Q | ヘルピニャン |
R | オルレアン |
T | ナント |
W | リール |
ナポレオンの20フラン金貨はミントマークが裏面に記されており、Aと表記されている場合はパリで鋳造されたものであるとわかります。
ミントマークによっては鋳造された枚数が少ないことから付加価値が生まれる場合もあります。
ナポレオン 20フラン金貨の価値は?
ナポレオンの20フラン金貨の価値は、発行枚数が非常に多いことから、基本的にはアンティークコインとして高値で取引されることがありません。
ただし、流通貨幣であることから状態の良いものが少なく、一定の状態の金貨であれば高値で取引される可能性があります。
特定の年代・特定のミントマークによって発行枚数が少ないことを理由に希少性が生まれる場合もあります。
しかし、プレミアが付く条件が整っていない場合は、安いもので10万円程度、50万円以下で取引されることが多いです。
アンティークコインとしては安く購入できる人気の金貨であるため、初めてコインを購入する人におすすめとなっています。
当サイト「コインライブラリー・プリンシパル」でも複数回入荷したことがありますが、すぐに品切れとなった金貨です。
まとめ
ナポレオン1世の20フラン金貨は、アンティークコインの中でも人気があり、入手のハードルも高くないことから初心者が初めて購入するコインに向いています。
日本においても誰もが名を知るあのナポレオンの金貨であることから、人気の高さから品切れになることも多いアンティークコインです。
入手したい場合は当サイトを中心にコインの入荷状況を定期的にチェックしてください。