ナポレオン3世の100フラン金貨は、直径35mm、重量約32gのフランス史上初の大型金貨であり、アンティークコイン市場では広く知られている金貨です。
かつては地金価格を基準にプレミア価値を10%程度とした相場で取引されていましたが、1868年製は発行枚数がわずか789枚しかないことから価値が再評価され近年では価値が高まっているコインになります。
イギリス王室と並ぶアンティークコインの収集テーマであるナポレオン一族の金貨の中でもトップクラスに注目されているコインであり、アンティークコインを資産として保有したい方は知っておきたいところです。
この記事では、ナポレオン3世の100フラン金貨について、その魅力とデザインの違いによる種類、価値について解説していきます。
フランスの史上初の大型金貨 ナポレオン3世 100フラン金貨とは?
概要 | 内容 |
発行国 | フランス |
発行年 | 1868年 |
額面 | 100フラン |
デザイナー(表面) | デジレ=アルベール・バレ(Désiré-Albert Barre) |
表面 | ナポレオン3世の右向き肖像 |
刻印(表面) | NAPOLEON III EMPEREUR BARRE |
裏面 | レジオン・ドヌール勲章の襟に囲まれた梁の上の鷲で飾られたエクリュ |
刻印(裏面) | EMPIRE FRANÇAIS 100 FRs BB 1862 |
刻印(エッジ) | DIEU PROTEGE LA FRANCE |
直径 | 35mm |
重量 | 32.25806g |
発行枚数 | 789枚 |
品位 | 900/1000金 |
状態 | AU/UNC |
ナポレオン3世は、フランスの皇帝であり、ナポレオン一族による第二帝政の皇帝となった人物です。
武勲で功績を上げたナポレオン1世とは対称的に、フランスの近代化に貢献した君主として評価されています。
1852年~1870年に渡って在位したナポレオン3世の時代にフランス史上初の直径35mmを超える大型金貨が発行されました。
ナポレオン3世の肖像が描かれた100フラン金貨は流通用の通貨として発行されたため、状態の良い金貨は非常に希少です。
さらに、ナポレオン一族の同じ皇帝であってもナポレオン1世が歴史上でどのようなことを行ってきたのか知っている人は多いと思いますが、ナポレオン3世に関してはスダンの戦いで敵軍の捕虜になった不名誉なエピソード以外はあまり知られていません。
歴史上の人物の中でも後世から見て人気が高いとはいえないため、コインの価値も含めて過小評価されていたところがあります。
19世紀に発行されていた金貨の多くが地金価格とほぼ同等の金額で取引されていた時代もありましたが、ナポレオン3世の金貨は近年においてその価値が認められつつあります。
ナポレオン一族とアンティークコインのお話、ナポレオン3世について詳しく知りたい方は以下の記事をチェックしてください。
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ナポレオン3世 100フラン金貨の魅力
ナポレオン3世の100フラン金貨の魅力を紹介していきます。
- フランスの近代化を支えたナポレオン3世
- フランス史上初の大型金貨
- 有冠と無冠によるデザインの違い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
フランスの近代化を支えたナポレオン3世
ナポレオン3世は、1848年の二月革命により実験を握り、1851年にクーデターによる実験を握ったことでナポレオンの第二帝政を開始し皇帝となった人物です。
フランスで一度はナポレオンが打倒されたもののフランスは再びナポレオンを求めたことで、ナポレオンの後継者となるナポレオン3世が実権を握ることに成功します。
ナポレオン3世はフランスの近代化に大きく貢献した君主といわれており、内政においてパリを都市として大きく改造し、近代における金融システムの確立、鉄道網の設立に尽力しました。
また、パリ万博の開催によって、当時のフランスの近代化は世界中に知れ渡ったことでしょう。
フランスにおける産業革命の舵取りを見事に取っていたことから後世においては功績が評価されています。
内政において評価されるべきところはあるものの、国民がナポレオンに求めていたのは武勲です。
1853年のクリミア戦争においては大勝したものの、目立った功績を上げることなく、メキシコ出兵で撤退したことで国民から失望されました。
ナポレオン3世の退位を決定的にしたのは普仏戦争です。
スダンの戦いにおいてナポレオン3世自身が捕虜になってしまったことが決定的となり、国民がクーデターを起こしたことで退位せざるを得なくなりました。
フランスは第二帝政から第三共和政に移行し、ナポレオン3世はフランスにおける最後の君主となっています。
フランス史上初の大型金貨
ナポレオン3世の金貨は、直径35mm、重量約32g、金の純度は90%の良質な大型金貨です。
現在においても地金型金貨として取引できるほど、金を多く含んだ不純物の少ない金貨です。
時代が前であれば金投資用の金貨としても勧められたコインであったと考えます。
大型であるほど地金としての価値が高くなることはもちろんですが、コレクション用の金貨としても大型のコインは見栄えが良いという点で魅力があります。
1868年製の金貨の発行枚数はわずか789枚しかないことから、希少性の高さも魅力です。
地金型金貨としての理想的な条件を満たす一方で、アンティークコインとして収集の対象になっていくのも必然といえる金貨であったといえるでしょう。
有冠と無冠によるデザインの違い
後ほど紹介しますが、ナポレオン3世の金貨のデザインは、有冠と無冠の2種類に分けられ、月桂冠を被っているものと被っていないものがあります。
有冠のデザインのほうが希少であるといわれていますが、コレクター視点では好みが分かれるようです。
細かなデザインの違いからコレクション需要もあるため、近年ではナポレオンシリーズのコインを収集するコレクターを中心に需要が高まっています。
ナポレオン3世 100フラン金貨の種類
ナポレオン3世 100フラン金貨の種類を見ていきましょう。
- ナポレオン3世 100フラン 金貨 無冠
- ナポレオン3世 100フラン 金貨 有冠
- ナポレオン3世 100フラン 試作金貨
ナポレオン3世 100フラン 金貨 無冠
ナポレオン3世の無冠の金貨であり、月桂冠を被っていないことがわかります。
コインの状態はEFであり、ナポレオン3世の金貨はEFまたはEF+の状態で流通していることは多いです。
ナポレオン3世 100フラン 金貨 有冠
ナポレオン3世の有冠の金貨であり、デザインを見比べれば一目瞭然ではありますが、ナポレオン3世が月桂冠を被っています。
一般的に有冠のデザインの100フラン金貨のほうが希少性は高いですが、コインの状態のほうが価値に影響を与えやすいです。
ナポレオン3世 100フラン 試作金貨
ナポレオン3世の100フランの試作金貨であり、試作金貨においても有冠・無冠の両方が発行されています。
試作金貨は一般的に流通する前の段階で作られた金貨であることから数が少なく、大変希少なものとなっています。
ナポレオン3世の100フラン金貨の価値
ナポレオン3世の100フラン金貨は以前においては地金価格とほぼ同様の相場で取引されていましたが、近年ではプレミア価値が付き50万円を超える価格で取引されることも増えています。
基本的にEF、EF+の金貨が流通しているもののAU以上の金貨であれば、状態の良さからさらに高く取引されることが考えられます。
特に1868年発行の100フラン金貨は、発行枚数が少ないことからプレミア価値が付きやすいです。
金の価値に支えられた資産ですが、長期的にプレミア価値が高まっていくことが予測されているため、大変人気の高い金貨です。
当サイト「コインライブラリー・プリンシパル」では複数回の取扱経験がありますが、入荷しても売り切れとなってしまうケースが多かったため、入荷を見逃さないように定期的にチェックすることを推奨します。
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まとめ
ナポレオン3世の100フラン金貨は、地金価格に近い価値で取引されていた金貨ですが、近年ではプレミア価値が認められつつあります。
ナポレオン一族の金貨はその知名度から人気も高く、すぐに売り切れてしまう需要の高いコインであり、発行年によっては発行枚数の少なさなどの希少性が再評価されています。
今後の価値の上昇を期待するなら、投資・収集、両方の面において魅力の高いナポレオン3世の100フラン金貨を手元に置きたいところです。