インドのアンティークコインは、1923年に独立した後に発行されたコインと英領インド(イギリス領インド帝国)時代のアンティークコインと紀元前の古代コインの3つに分けられます。
アンティークコインのコレクションや投資の対象としてインドが上がることは少ないですが、実は優れたデザインの金貨・銀貨・銅貨が多数あり、ほかの国のコインと比較すると割安で取引されている状況です。
再評価されれば価値が上昇する可能性もあるため、あまり注目されていない段階で優れたデザインのコインに目をつけ収集・投資などを検討したいところです。
この記事では、インドのおすすめの金貨・銀貨・銅貨を紹介します。
インドのアンティークコインについて
インドの古代コイン
インドのアンティークコインは、英領インド時代に発行されたものが希少性とデザインのバランスが良く、当時発行されていたのはモハール金貨でした。
古代から銀貨が発行されてきた歴史があり、アジアの古代コインとしては珍しく肖像が刻印されたものもあります。
通貨単位はイギリスにより、1ルピー=16アンナ=64パイセ=192パイに一本化されることとなります。
インドのアンティークコインは大きく分けて次のように分類可能です。
- 独立後に発行されたコイン
- 英領インド時代のアンティークコイン
- 紀元前の古代コイン(古代クシャン朝時代など)
現在の通貨状況は補助単位としてパイサはあるもののインド・ルピーで統一され、インドの象徴となる人物であるマハトマ・ガンディーの肖像が描かれた紙幣が使用されるようになりました。
インドのおすすめ金貨
インドのおすすめ金貨を紹介します。
- 英領インド ヴィクトリア 1モハール金貨 1841年
- 英領インド マドラス 1モハール金貨 1819年
- インド ウスマーン・アリー・ハーン 1アシュラフィ金貨 1925年
英領インド ヴィクトリア 1モハール金貨 1841年
概要 | 内容 |
発行国 | インド(英領インド) |
発行年 | 1841年 |
額面 | 1モハール |
直径 | 26mm |
発行枚数 | 442,000枚 |
状態 | -EF |
こちらの英領インドの時代に、通貨の発行を主導していたイギリス東インド会社によって発行されていた金貨です。
イギリス東インド会社は17世紀後半からムガル帝国を侵略し、19世紀半ばまでインドでの通貨発行をしてきた経緯があり、ベンガル州カルカッタを拠点とした造幣は1835年頃から始まりました。
1840年代のコインは、コイン自体のデザインが秀逸であることもあり、インドの金貨のなかでは高い人気を誇りますが、人によっては現状でも割安に感じるかもしれません。
なぜなら、こちらの金貨の裏面のライオンはウナとライオンを手掛けたウィリアム・ワイオンの作品であるからです。
表面には若い頃のヴィクトリア女王の肖像が描かれており、裏面にはヤシの木を背景に立つライオンの姿が描かれており、EAST INDIA COMPANY(イギリス東インド会社)の刻印もあります。
コインのデザインや、発行年代からも今後価値が上昇する可能性が高いので、できる限り早く入手したいコインとなっています。
ヴィクトリア女王のおすすめ金貨・銀貨7選 ウナとライオンを含むコインを紹介
英領インド マドラス 1モハール金貨 1819年
概要 | 内容 |
発行国 | インド(英領インド) |
発行年 | 1819年 |
額面 | 1モハール |
直径 | 28mm |
発行枚数 | 117,800枚 |
グレード | MS61 |
モハール金貨がベンガル州カルカッタで造幣されるようになったのは1835年になりますが、イギリス東インド会社はマドラス(現在のチェンナイ)を拠点に造幣を行っていました。
貨幣単位であるモハールは、象徴や紋章を意味し、1540年、北インドのムガール帝国スール朝創始者のシェール・シャーによって導入され、王の力と富を象徴してきました。
その名のとおり1819年に発行されたモハール金貨は、2匹のライオンが紋章を掲げるデザインとなります。
また、同じ種類の金貨でも表面に描かれているEAST INDIA COMPANYの刻印の文字の大きさに違いがあり、パターンとして数種類発行されているようです。
インド ウスマーン・アリー・ハーン 1アシュラフィ金貨 1925年
概要 | 内容 |
発行国 | インド(英領インド) |
発行年 | 1925年 |
額面 | 1アシュラフィ |
直径 | 25mm |
重量 | 11.17g |
品位 | 0.9100 |
状態 | MS64 |
ウスマーン・アリー・ハーンは、インドのハイデラバードにおける最後の君主であり、アーサフ・ジャー7世とも呼ばれています。
藩王国とは、イギリスの従属下で一定の支配権を認められていた藩王の領国のことです。
しかし、1923年にインドが独立したことをきっかけにインド軍の侵攻により、1948年に降伏し、最後のイスラーム王朝の歴史が幕を閉じました。
ウスマーンは、世界最高クラスの資産家であり、200人以上の家族を持ち、総資産は当時のインドの国家収入を超える2,400億USDでした。
ダイヤモンドを文鎮として使用したという逸話も残っており、残された家族たちは莫大な遺産を巡って争うこととなります。
コインの表面に描かれるのは、ハイデラバードのシャルミナールの門扉です。
流通金貨であるため状態の良い金貨は珍しく、KMカタログではMS60のもので3,500USDの価値があると記載されています。
インドのおすすめ銀貨・銅貨
インドの秀逸なデザインのおすすめ銀貨・銅貨を紹介します。
- 英領インド ヴィクトリア 2アンナ銀貨 1887年
- インド 2アンナ白銅貨 1954年
- インド 1パイセ銅貨 1954年
英領インド ヴィクトリア 2アンナ銀貨 1887年
概要 | 内容 |
発行国 | インド(英領インド) |
発行年 | 1887年 |
額面 | 2アンナ |
直径 | 15.4mm |
発行枚数 | 117,800枚 |
品位 | 0.917 |
英領インドでは通貨単位が1ルピー=16アンナ=64パイセ=192パイに統一されることになりますが、ルピーの補助通貨として作られた2アンナの銀貨です。
ヴィクトリア女王の左向き肖像が描かれ、裏面には額面と発行年が描かれたシンプルなデザインの銀貨になります。
インド 2アンナ白銅貨 1954年
概要 | 内容 |
発行国 | インド |
発行年 | 1954年 |
額面 | 2アンナ |
直径 | 25mm |
発行枚数 | 10,548,000枚 |
状態 | NGC PF64 |
独立後に発行された白銅貨であり、表面には雄牛がデザインされ、裏面には国章であるアショーカの獅子柱頭が描かれています。
一般的に流通用に発行されたコインですが未使用のコインに関しては、一定のプレミアで取引されています。
インドのコインをコレクションしたい方におすすめの白銅貨です。
インド 1パイセ銅貨 1954年
概要 | 内容 |
発行国 | インド |
発行年 | 1954年 |
額面 | 1パイセ |
直径 | 21mm |
発行枚数 | 136,758,000枚 |
状態 | NGC PF64RB |
こちらも2アンナ白銅貨と同年に発行されたアンナの下の通貨単位にあたるパイセ銅貨です。
表面のデザインが牡牛から駿馬に変わっており、NGC社から鑑定を受けた非常に状態が良いコレクション用の銅貨になります。
インドのアンティークコインに関するよくある質問
インドのアンティークコインに関するよくある質問をまとめました。
- インドのアンティークコインはどうやって購入すれば良いですか?
- インドのアンティークコインの買取はどこで受け付けていますか?
インドのアンティークコインはどうやって購入すれば良いですか?
インドのアンティークコインは、アンティークコイン専門店を通して購入することをおすすめします。
オークションなどでも出品されていますが、贋作や、相場とかけ離れた価格で販売する個人や業者もいるので、専門店から購入するほうが安全に購入できるからです。
コイン専門店によっては、コインが万が一にも偽物であった場合に永久買戻し保証を付けることでアンティークコインを安心して購入できる仕組みが整っています。
コインを相場に沿った価格で販売し、永久買戻し保証などの保険が充実しているコイン専門店には「コインライブラリー・プリンシパル」があります。
インドのアンティークコインの買取はどこで受け付けていますか?
インドのアンティークコインの買取は、当サイトをはじめとするアンティークコイン専門店で受け付けています。
当サイトでは、インドを含む世界中のアンティークコインの買取を行なっています。
希少性の高いアンティークコインをお持ちの方は、買取依頼を検討してください。
詳しくはこちらのページからお問い合わせお願いします。
まとめ
インドのアンティークコインを金貨・銀貨・銅貨に分けて紹介しました。
英領インド時代の金貨は今後価値が上昇する可能性を秘めているコインもあるため、購入を検討している場合は、できる限り早く購入したいところです。
一方で、コレクションに適したリーズナブルな価格で秀逸なデザインのコインもあるので、ご自身の目的に合わせてインドのコインを選びましょう。