メキシコのアンティークコインは、現在の現行通貨であるペソの金貨や、スペイン植民地時代に発行されたエスクード金貨が代表的です。
メキシコペソ金貨は長き渡って大量に発行されており、もっとも新しい金貨は1950年代以降に鋳造されています。
アンティークコインのテーマとしてメジャーではないものの、優れたデザインのコインが揃っているので、興味のある方はコレクションを検討してみるのもいいかもしれません。
この記事では、メキシコのアンティークコイン特集としておすすめの金貨・銀貨を紹介します。
メキシコのアンティークコインについて
メキシコのアンティークコインは、スペインによって植民地化されて16世紀に発行されたレアルなどが最も古いアンティークコインになります。
メキシコペソが通貨として発行されるようになったのが、独立後の1821年以降のことですが、スペインのレアルやエスクードも1870年代頃まで発行されていました。
アンティークコインとして市場に広く流通しているのは、独立戦争後のペソ金貨が多くなっています。
ペソ金貨は継続的な鋳造をされていませんでしたが、1921年の独立100周年などの記念に発行されており、ペソ金貨に関しては1972年と近年に新しく再鋳されました。
メキシコのコインは、国鳥でもある特徴的な鷲のデザインが描かれており、多くのコインに採用されています。
これは蛇をくわえた鷲がサボテンの止まった場所に帝都(現在のメキシコシティ)を築いたというアステカの建国伝説に由来しています。
メキシコのおすすめ金貨
メキシコのおすすめ金貨を紹介します。
- メキシコ リバティキャップと書物 8エスクード金貨 1871年
- メキシコ 勝利の女神 50ペソ金貨 1945年
- メキシコ フリジア帽と天秤 20ペソ金貨 1871年
メキシコ リバティキャップと書物 8エスクード金貨 1871年
概要 | 内容 |
発行国 | メキシコ |
発行年 | 1871年 |
額面 | 8エスクード |
直径 | 36mm |
状態 | UNC+/FDC |
メキシコで発行された8エスクード金貨であり、エスクードはスペインの通貨単位となっています。
1840年~1870年から流通通貨として大量に発行されてきた経緯があるため、現存数が非常に多く、金貨自体の希少性は低いです。
ただし、コンディションの良い未使用以上の金貨に関しては現存数が少ないため、過去には6,000ドル(当時の日本円換算で約80万円)の落札事例も存在します。
表面には、サボテンの上に立ち蛇をくわえる鷲が描かれており、裏面にはペンの上にリバティキャップを載せて法律を書いたノートに手書きをする様子が描かれています。
メキシコの金貨のなかでも代表的なデザインであり、状態の善し悪しで価値が大きく変わるので、大型金貨でありながら2,000ドル以下で落札されることもある海外では入手しやすい金貨です。
スペインのアンティークコインについて知りたい方はこちらの記事で紹介しています。
メキシコ 勝利の女神 50ペソ金貨 1945年
概要 | 内容 |
発行国 | メキシコ |
発行年 | 1945年 |
額面 | 50ペソ |
直径 | 37mm |
重量 | 41.67g |
発行枚数 | 1,012,000枚 |
品位 | 900/1000金 |
状態 | UNC |
メキシコ独立1821年から100周年を祝って1921年から1947年銘で各年号ごとに発行された50ペソ金貨です。
表面の蛇を喰らう鷲の絵が先ほどのコインと比較してもリメイクされていることがわかり、裏面には翼を持った勝利の女神がデザインされています。
女神が描かれた裏面には37.5Grと記載されていますが、金そのものの重量が37.5gであることを示しており、全体の90%を占めていることがわかります。
こちらの金貨はリストライク金貨として、2013年まで製造が続けられていました。
メキシコ フリジア帽と天秤 20ペソ金貨 1871年
概要 | 内容 |
発行国 | メキシコ |
発行年 | 1871年 |
額面 | 20ペソ |
直径 | 34mm |
重量 | 33.84g |
発行枚数 | 20,000枚 |
品位 | 875/1000金 |
状態 | EF+ |
グレード | AU58+ |
1870年から1900年まで製造されていたメキシコの20ペソ金貨になります。
アステカの建国伝説の由来する鷲のデザインと、天秤の上でフリジア帽が輝いているところが描かれています。
共通している鷲のデザインですが、ここまで紹介した3つの金貨を比較すると微妙に異なることがわかるはずです。
メキシコのおすすめ銀貨
メキシコのおすすめ銀貨を紹介します。
- メキシコ アグスティン1世 8レアル銀貨 1822年
- メキシコ クアウテモック王 5ペソ銀貨 1947年
- メキシコ 夏季オリンピック記念 25ペソ銀貨 1968年
メキシコ アグスティン1世 8レアル銀貨 1822年
概要 | 内容 |
発行国 | メキシコ |
発行年 | 1822年 |
額面 | 8レアル |
直径 | 38.6mm |
重量 | 27.07g |
品位 | 903/1000銀 |
アグスティン・デ・イトゥルビデはメキシコ独立革命の指導者であり、メキシコ帝国の皇帝アグスティン1世として君臨しました。
国を治めるやり方として従わない者を投獄するやり方を選んだことから反感を買い、失脚した後にイタリアとイギリスに亡命しましたが、再びメキシコに戻った際に射殺されました。
現在では連邦共和制国家となっているメキシコですが、アグスティン1世による帝政と、マクシミリアーノ1世による第二帝政がありますが、どちらも在位期間はわずか1年ほどです。
メキシコ クアウテモック王 5ペソ銀貨 1947年
概要 | 内容 |
発行国 | メキシコ |
発行年 | 1947年 |
額面 | 5ペソ |
直径 | 40mm |
重量 | 30g |
品位 | 900/1000銀 |
クアウテモック王は、アステカの第11代の皇帝であり、アステカ帝国を征服したスペインのエルナン・コルテスと戦った第9代の君主モクテスマ2世の従兄弟にあたります。
クアウテモックはメキシコの英雄であり、メキシコシティにはクアウテモックの銅像が建っています。
征服を実行したスペインにもクアウテモックを貴族や勇者、すべての特性を兼ね揃えた若者であると彼の人間性を高く評価した文献があることが明らかになりました。
メキシコ 夏季オリンピック記念 25ペソ銀貨 1968年
概要 | 内容 |
発行国 | メキシコ |
発行年 | 1968年 |
額面 | 25ペソ |
直径 | 38mm |
重量 | 22.5g |
品位 | 720/1000銀 |
第 19 回夏季オリンピックにメキシコシティが選ばれたことから、記念に発行された銀貨になります。
裏面には、アステカの選手の肖像が描かれています。
発行年が新しく純銀から遠いため、価値は高くありませんが、メキシコのコレクション銀貨として一定の知名度を持つコインです。
メキシコのアンティークコインに関するよくある質問
メキシコのアンティークコインに関するよくある質問をまとめました。
- メキシコのアンティークコインはどこで買える?
- メキシコのアンティークコインの買取方法は?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
メキシコのアンティークコインはどこで買える?
メキシコのアンティークコインは、一部のコイン専門店で購入可能です。
アンティークコインにおいてメジャーな国ではありませんが、当サイト「コインライブラリー・プリンシパル」でも取扱経験がある金貨となっています。
素性の分からない個人が出品できるオークションサイトでも一定の数の出品が確認されていますが、当サイトでは安全のためコイン専門店で購入することを推奨しています。
メキシコのアンティークコインの買取方法は?
メキシコのアンティークコインの買取も当サイトで受け付けております。
メキシコに限らず世界中の希少性の高いアンティークコインの買取を受け付けているので、売却を検討しているアンティークコインの買取依頼を検討しましょう。
詳しくはこちらのページからお問い合わせお願いします。
まとめ
メキシコのアンティークコインは発行枚数が多いものが多く、状態の良いものでなければ価値が付きにくいかもしれません。
しかし、コレクションを目的に収集するなら共通してデザインされていますが、コインごとに微妙に異なるアステカ建国にまつわる鷲のコインを集めてみるのも楽しいかもしれません。
アンティークコインの購入方法についてはこちらの記事で紹介しています。