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公開日 2024.5.28更新日 2024.6.11

プラチナ投資のメリット・デメリットは? 将来性とおすすめの方法を紹介

プラチナは、産業用の金属として高い需要と希少性を持ち、その他にも宝飾、投資需要もある人気の高い金属です。

貴金属への投資では、金(ゴールド)が代表的ではありますが、プラチナは金にはないメリットを持ち、大きなリターンが期待できることから注目を集めています。

ただし、リスクも考えると無視できないデメリットもあるため、両方を理解した上で投資を検討したいところです。

この記事では、プラチナ投資のメリット・デメリットについて解説し、将来性とおすすめの方法を紹介します。

プラチナ投資とは?

プラチナ投資とは?

プラチナ投資とは、プラチナ現物(インゴット、コインなど)の保有、あるいはプラチナを投資対象にした投資信託などの金融商品の購入、差金決済などの関連する金融サービスに投資することの総称です。

日本語では白金と呼ばれる金属であり、銀と近い色でありながら異なる白い光沢を持ち、その美しさから装飾にも使用されます。

また、自動車触媒を中心に産業需要の高い金属であり、バラジウムと並びエンジンの触媒として使用されてきました。

金と同じく希少性の高い金属として知られており、同様に投資需要も生まれているため、市場に流通するプラチナの10%弱は投資に用いられているといわれています。

プラチナ投資のメリット

プラチナ投資のメリット

プラチナ投資のメリットは3つあります。

  • 産業需要が高く価値が失われることが考えにくい
  • 金よりも希少性の高い金属である
  • 金と比較して値動きが大きくリターンが狙いやすい

それぞれ詳しく見ていきましょう。

産業需要が高く価値が失われることが考えにくい

プラチナは、ディーゼルエンジン、FCV(燃料電池車)をはじめとする自動車触媒を中心に、ガラス、電子材、石油、体に入っても拒否反応を起こしにくい性質から医療分野にも用いられる産業需要の高い金属です。

プラチナそのものの希少性の高さと需要の大きさから、価値が失われることが考えにくいため、投資対象として安定していると考えられます。

また、日本では婚約・結婚指輪に使用されることが多く、国によって宝飾需要の大きさに差はあるものの、世界的に宝飾に使用されている金属です。

金や銀と同様に産業需要があるため、貴金属への投資先として2つの金属と並ぶ形で日本でも頭角を現わしています。

金よりも希少性の高い金属である

プラチナは希少性があることから投資対象になる金よりも希少性の高い金属です。

年間の産出量は金が2,500トンに対して、プラチナは200トン、埋蔵量も金は約54,000トンと推定されているもののプラチナは16,000トンと非常に少ないことがわかります。

希少性の高さは将来的な価格上昇に良い影響を及ぼしやすく、金以上の希少価値を持っていることから、値上がりも期待できます。

金と比較して値動きが大きくリターンが狙いやすい

プラチナは金と比較すると値動きが大きくなりやすいといわれており、価格変動の度合いが大きいことからボラリティの大きい資産といわれます。

値動きが大きいということは、高いリターンが狙いやすく、プラチナ投資では金投資よりも高い利益を期待できる可能性があります。

金と比較するとリスクヘッジのための現物資産として保有するだけでなく、リターンも追い求める攻めの姿勢で投資する金属といえるでしょう。

プラチナ投資のデメリット

プラチナ投資のデメリット

プラチナ投資のデメリットは3つあります。

  • ボラリティの大きさから暴落の危険性もある
  • 産出地の偏りによる地政学リスクがある
  • 産業需要は技術革新によって減少する恐れがある

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ボラリティの大きさから暴落の危険性もある

ボラリティが大きいということは反対に、暴落の危険性もあり、損失が大きく膨らむことも考えられます。

2008年のリーマンショック時には、ディーゼル車販売における企業の経営悪化に伴い暴落しました。

産業需要が高い性質からプラチナは株式と同様の値動きをすることも多い金属といわれます。

ボラリティの大きさと、産業に関わる企業の業績なども価格に影響することから、安全資産と言われる金と比較するとリスクの高い資産と考えられます。

産出地の偏りによる地政学リスクがある

プラチナは、南アフリカ、ロシア、ジンバブエ、カナダ、アメリカなどで産出されますが、基本的には南アフリカが世界総産出量の大半を占めています。

産出地が偏っているため、地政学リスクが高く、特定の国で輸入ができなくなれば別の金属に代用する動きも出てきます。

ロシアが主要な産出地であるパラジウムがウクライナ情勢によって輸出が制限されると、脱ロシアを掲げて、パラジウムを代用する方向となりました。

実際にパラジウムはプラチナで代用できる部分もあるといわれています。

そのため、パラジウム価格は下落が続いており、貴金属の産出地に偏りがあれば地政学リスクによって価格が下落すると考えられます。

万が一にもプラチナが産出国の国際的な事情によって世界市場に流通しなくなり、代替する方向に産業が進むと需要が減少し、価格が下落するリスクが高いです。

産業需要は技術革新によって減少する恐れがある

産業需要において必要なプラチナが流通していたとしても、技術革新によってプラチナを必要としない状態になれば需要は減少します。

プラチナは希少価値が高いことから、より安い素材で代用できるのであれば、生産コストを減らすために別の金属に切り替えるという発想になりやすいです。

現状ではプラチナは、金属として産業で使用する上で優秀な部分も多いことから、簡単に代用できる素材が見つかるとは考えられません。

しかし、技術革新の内容によっては、プラチナの需要が減少する方向に進んでいく可能性がないとは言い切れないのが現状です。

産業需要の大きさから価値が認められている金属であるため、将来的にもプラチナが使用され、その需要が高まらなければ長期的な価格上昇は見込めません。

プラチナ投資の将来性を見きわめるポイント

プラチナ投資の将来性を見きわめるポイント

メリット・デメリットを理解した上で、プラチナ投資の将来性を見きわめるポイントを紹介します。

  • 宝飾需要が少なく産業需要に依存しやすい性質を持つ
  • 経済が上向くことで価格上昇が期待できる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

宝飾需要が少なく産業需要に依存しやすい性質を持つ

プラチナは宝飾需要が少なく産業需要が高いため、金とは正反対の性質を持ちます。

つまり、価格変動が産業需要の依存しやすく、プラチナの将来性を見きわめるなら、プラチナが求められる産業需要について理解が必要です。

自動車触媒を中心に産業需要のある金属ですが、メインとして使用されているディーゼルエンジンは、ディーゼル車自体の減少によって今後は需要の減少が見込まれます。

しかし、環境に配慮した自動車が求められる昨今ではEVと並んで需要が高まっているFCV(燃料電池車)の触媒にプラチナが使用されています。

プラチナの使用量はディーゼル車と比較して数倍が使用される見込みであるため、FCVの広がりによってプラチナの需要が高まることが期待されるのです。

上記は産業需要の一例ではありますが、自動車触媒をメインに使用されているプラチナは、自動車産業の需給をメインに価格が変動しやすいといえるでしょう。

自動車触媒を中心に、プラチナの需要が増減する材料を考えることで、プラチナ価格の上下を見きわめやすくなります。

経済が上向くことで価格上昇が期待できる

金は経済的な不安が広がる中で購入される貴金属として知られていますが、プラチナは反対に経済が上向くことで価格上昇が期待しやすくなります。

株式市場の値動きに連動しやすい資産であるといわれることも多いため、好景気で株価が上昇しやすい局面ではプラチナの価格は上昇しやすいです。

今後の経済の動きを予測して、上向くと考えるのであれば、プラチナを購入することで価格上昇が期待できることになります。

反対に厳しい経済状況が続くのであれば、プラチナの値動きは軟調になり、利益は期待しにくくなります。

金とは正反対の値動きをしやすいため、金とあわせて保有することでリスクヘッジを期待できる金属といえるでしょう。

プラチナ投資の今後についてこちらの記事で紹介しています。

プラチナ投資の今後はどうなる? 価格変動の要因を徹底解説!

プラチナ投資の種類

銀貨 相場

プラチナ投資の種類を大きく分けて4つ紹介します。

  • 現物投資
  • 投資信託・ETF
  • 先物取引
  • 暗号資産(仮想通貨)

それぞれ詳しく見ていきましょう。

現物投資

プラチナのインゴット、コインなどを購入して、保有する投資方法は現物投資となります。

実際に自分で保有することで、売却したいタイミングで買取に出すことで売却が可能です。

インゴットなどの大型の金属になると保管や管理に手間がかかる点がデメリットといえます。

投資信託・ETF

プラチナを投資対象とする投資信託・ETFに投資することで、プラチナに間接的な投資が可能です。

プラチナを保有するための管理などの手間がかからず、金融商品として保有できます。

ただし、信託報酬と呼ばれる運用手数料など、手数料がかかる点に注意が必要です。

先物取引

先物取引は、将来の売買を現時点で約束して、決められた期日に履行する投資方法です。

例えば、ある数量のプラチナを100万円で購入することを取り決めると、期日になった際にプラチナの価格が130万円になった場合も、70万円になった場合も、100万円で取引することになります。

プラチナの価格が上がった場合は、130万円のプラチナを100万円で購入できるため30万円の利益、一方で下がった場合は70万円のプラチナを100万円で購入することになるため30万円の損失です。

実際にプラチナの受け渡しをおこなわず、金銭の授受のみで決済を行う差金決済で取引されます。

差金決済では他にもCFD取引でもプラチナを対象にした取引が行えます。

暗号資産(仮想通貨)

近年では、プラチナなど貴金属を対象にした暗号資産(仮想通貨)も登場しています。

ステーブルコインと呼ばれる価値の裏付けがある暗号資産であり、プラチナを価値の裏付けにすることで、同様の値動きをする資産となることが特徴です。

具体的には、三井物産デジタルコモディティーズ株式会社が発行するジパングコインプラチナ(ZPGPT)があります。

ただし、ステーブルコインは発行元の信頼性が揺らぐことによって、破綻した事例もあるため、慎重に投資する必要があるといえるでしょう。

プラチナ投資のおすすめの方法

プラチナ投資を始めるなら、目的を意識して始めることが重要です。

投資信託・ETFは現物投資よりも手間がかからないことから初心者も始めやすく気軽に投資できるメリットがあります。

一方で、先物取引など差金決済の取引はリスクが高くなっており、レバレッジをかけることでさらに大きなリターンが期待できるため、積極的に短期で投資したい人に向いています。

現物投資でおすすめの方法は、インゴットよりも保管や管理が容易であるコインへの投資です。

プラチナで造られたプラチナ貨は、持ち運びやすく、現物保有しやすいことからおすすめになります。

プラチナ貨は、カナダで発行されているメイプルリーフのプラチナコインやアメリカのイーグルのプラチナコインが有名であり、コインを用いてプラチナに現物投資をする手段になります。

また、アンティークコインでも稀にプラチナで発行されたコインがあり、プラチナの将来性だけでなくコイン自体の価値の高まりを期待して投資可能です。

2022年には、エリザベス女王追悼記念100ポンドプラチナ貨として、チャールズ3世の肖像とエリザベス2世の肖像が描かれる発行枚数が限定された記念プラチナ貨が発行されました。

長期的な保有を考えるならアンティークコイン投資の選択肢として金貨、銀貨だけでなく、プラチナ貨も選択肢に入るため、検討してみましょう。

プラチナ貨が購入できる場所はこちら

プラチナ投資に関するよくある質問

コインライブラリー・プリンシパル

プラチナ投資に関するよくある質問をまとめました。

  • プラチナの価値は今後どうなることが予測される?
  • プラチナ投資が儲かるって本当?

それぞれ詳しく解説します。

プラチナの価値は今後どうなることが予測される?

プラチナの価値は、自動車触媒をはじめとする産業需要の推移や、経済状況によって変化することが予測されます。

ボラリティが金と比較して大きいため、プラチナの価格変動に関連する出来事やニュースを理由に、価格変動が起こる可能性もあります。

現状では、プラチナが使用されるディーゼル車の製造・販売の減少、反対にFCVの需要の増加などが争点になるでしょう。

プラチナ投資が儲かるって本当?

プラチナ投資は、ボラリティの大きさから取引手法によっては儲かる可能性があります。

先物取引・CFD取引は、リスクが大きいため大損する危険性もあるものの、期待できるリターンは大きいといえます。

リスクとリターンのバランスを考えて、プラチナ投資で利益を上げられる手法を検討してください。

まとめ

近年、希少性の高いプラチナと比較して希少性の低い金で価格の逆転現象が起こっており、価格だけを比較するなら金のほうが高い状況にあります。

しかし、反対に言えば金価格は右肩上がりに上昇を続けているため、中期で考えれば価値が見直される可能性があり、プラチナが割安で放置されていると考えることもできます。

プラチナの将来性を考えた上で、今後価格が上昇すると考えるなら投資する時期としてはねらい目です。

プラチナは金と真逆の値動きをしやすいことから、両方保有することでリスクヘッジの役にも立つ資産といえます。

プラチナ貨を購入・売却する

紹介したコイン

  • グレートブリテン(イギリス)

    イギリス チャールス3世(2022-) 100ポンドプラチナ貨 2022 エリザベス女王追悼記念 31.21gm 999Gold NGC PF69 ULTRA CAMEO (PF FDC)

    SOLD OUT

    ー 円

この記事の著者

アンティークコイン ジャーナル編集部

英国王室シリーズから古代コインまで、幅広い年代のコインの紹介だけではなく、試鋳貨、造幣局による違い、彫刻家、リストライク、などアンティークコインの魅力や楽しめる知識をフラットに情報提供している。編集長は、英国王室コインと、動物コインシリーズが好き。

アンティークコイン ジャーナル編集部

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