メイプルリーフ金貨は、カナダ王室造幣局が発行する地金型金貨であり、カナダ政府が価値や価格を保証する信頼性の高い純金コインです。
カナダ国旗にも描かれるカナダを象徴するカエデの葉が描かれており、裏面にはイギリス王室の君主の肖像が彫られています。
世界三大金貨のひとつであり、世界一の流通量を誇る地金型金貨です。
この記事では、メイプルリーフ金貨について、価格を決めるポイントと購入方法を紹介します。
メイプルリーフ金貨とは?
メイプルリーフ金貨とは、カナダを象徴するカエデの葉が描かれた地金型金貨であり、流通数が地金型金貨でも最も多く、世界でもトップクラスの人気と信用性を誇っています。
裏面には1979年の製造開始からエリザベス2世の肖像が描かれてきましたが、崩御をきっかけに今後はチャールズ3世に変化していくことになります。
ロンドン金市場公認溶解・検定業者の資格を持ったカナダ王室造幣局は、メイプルリーフ金貨に純度99.99%の純金を保証しています。
法定金貨として発行されるこちらの金貨は国際的な信頼も高く、全世界に通用する地金型金貨です。
世界三大金貨と言われる、オーストリアのウィーン金貨、オーストラリアのカンガルー金貨と並び金貨を用いた金投資の投資先の候補です。
メイプルリーフ金貨は、当時南アフリカで流通していたクルーガーランド金貨が政治的な事情により、北米やヨーロッパで流通しなくなったことを理由に参入します。
これまで地金型金貨市場を独占していたクルーガーランド金貨の地位を奪った後に現在までトップのシェアを守り通しています。
金の純度だけでなく、デザインも優れており、高度な彫刻とレーザーマーキング技術で作られ、精密で複製が難しい放射状の線などのセキュリティ機能もあるため、地金型金貨の中でも世界トップクラスの安全性を誇ります。
アンティークコインだけでなく、実物資産として金が注目されており上昇が続いていることから、国内でもメイプルリーフ金貨への投資が注目されています。
カナダのアンティークコインについてはこちらの記事をチェックしてください。
メイプルリーフ金貨の価格を決めるポイント
メイプルリーフ金貨の価格を決めるポイントを紹介します。
- 金価格に連動した価値を持つ
- サイズなど重さによって価格が変化する
- 例外的な金貨は2007年に発行されている
それぞれ詳しく見ていきましょう。
金価格に連動した価値を持つ
メイプルリーフ金貨は、純度99.99%の純金であることから金価格に連動した価値を持ちます。
金価格は日本で1gあたりの価格が毎日発表されているため、メイプルリーフ金貨の価値を概算できます。
ただし、プレミア、購入・買取にかかる手数料などを理由に購入価格・売却価格は変動するため、あくまで金価格から算出したメイプルリーフ金貨の価値は目安です。
金価格が上昇すればメイプルリーフ金貨の価値が高まり、反対に金価格が下落すればメイプルリーフ金貨の価値は低下します。
サイズなど重さによって価格が変化する
メイプルリーフ金貨は日本では主に1オンス、1/2オンス、1/4オンス、1/10オンスの4種類の重さで流通しています。
海外ではグラム(g)ではなくオンス(oz)を基準に金価格を出しているため、金貨の重さもオンスを基準に種類が分けられています。
1/20オンスの金貨も世界では流通しており、1994年には1/15オンスの金貨も流通しましたが、特に需要がなかったため、この年以外に発行されることがありませんでした。
種類(オンス) | 直径 x 厚さ | 重量 |
1oz | 30mm x 2.8mm | 31.1g |
1/2oz | 25mm x 2.2mm | 15.5g |
1/4oz | 20mm x 1.7mm | 7.7g |
1/10oz | 16mm x 1.2mm | 3.1g |
オンスをグラム換算すれば日本の1gあたりの金価格から金貨一枚の価格を概算できます。
種類によってメイプルリーフ金貨の価値は異なるため、購入する場合は1/10ozであれば少額から投資可能です。
投資額に合わせてメイプルリーフ金貨を選びましょう。
例外的な金貨は2007年に発行されている
メイプルリーフ金貨は、1994年の1/15オンス金貨などの例外的な金貨が発行されていますが、その中でも規格外に例外な金貨は2007年に発行された重さ100キログラムの金貨です。
額面は100万カナダドル、直径50cm、厚さ3cmの金貨であり、これまで5人が注文した非常に希少な金貨となっています。
メイプルリーフ金貨は、セキュリティを問題に一部デザインが変更されたことがありますが、カンガルー金貨やパンダ金貨などの他の地金型金貨とは異なり、発行開始から現在に至るまでデザインがほとんど変更されていません。
そのため、プレミア価値で取引するコレクター需要はけっして高くないことから、例外的な金貨を除いて付加価値が出る要素は低いといえます。
ただし、100キロ金貨を含めて、限定で発行された金貨に関しては付加価値が付く可能性もあります。
メイプルリーフ金貨は、金価格に忠実に連動しやすい信頼性の高い金貨であることから、例外的な金貨を除いて金投資を目的に購入する地金型金貨です。
メイプルリーフ金貨の購入方法
メイプルリーフ金貨は、田中貴金属工業をはじめとする日本の貴金属店を中心に金を取り扱うお店から広く購入できる地金型金貨です。
取り扱う業者が多いことから購入はもちろん、売却にも困りにくいため、好きな時に現金化しやすい強みがあります。
金投資の方法で持ち運びにくいインゴットよりも持ち運びができる上に鑑賞性もある金貨を選択したい方は、メイプルリーフ金貨は向いています。
金投資における金貨とインゴットの違いはこちらの記事をチェックしてください。
金貨とインゴットはどっちを購入するべき? メリット・デメリットを比較
メイプルリーフ金貨に関するよくある質問
メイプルリーフ金貨に関するよくある質問をまとめました。
- メイプルリーフ金貨の偽物を見分ける方法を教えてください
- メイプルリーフ金貨の価格推移を知るには?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
メイプルリーフ金貨の偽物を見分ける方法を教えてください
メイプルリーフ金貨は2013年以降のものであれば偽造防止技術を使って製造されているため、偽物を見分けやすい金貨となっています。
カエデの葉は偽造が困難なほど深く葉脈が彫られているため、偽造しようとしても再現は困難であり、デザインをよく見比べれば偽物を見分けることは難しくありません。
それだけではなく、偽造防止としてコインの右端のオンスの数字の上には小さなカエデの葉が描かれるようになり、レーザー技術によってマイクロ単位で彫られています。
葉の中心部分に製造年月の下二桁も刻まれていることから、ここまで精巧な技術で作られた金貨を悪質な業者が完全に再現して偽物を作ることは考えにくいことから、知っていれば基本的には見分けられる偽物です。
偽物を避ける上で購入時に気をつけることは、2013年以降の偽物を見分けやすいメイプルリーフ金貨を購入することと、偽物を購入してしまうことがない信頼できる貴金属店からメイプルリーフ金貨を購入することです。
メイプルリーフ金貨の価格推移を知るには?
メイプルリーフ金貨の価格推移は、金価格に連動することから金価格を調べることで推測できます。
金価格が下落しているタイミングではメイプルリーフ金貨の価値も下落しており、反対に金価格が上昇しているタイミングではメイプルリーフ金貨の価値も上昇していると考えられます。
参考になる金価格の推移は以下の通りです。
画像引用:https://gold.mmc.co.jp/market/gold-price/#gold_longspan
メイプルリーフ金貨の価値は、金価格に連動することから、2020年頃から右肩上がりに上昇を続けていることがわかります。
まとめ
メイプルリーフ金貨は、地金型金貨の中でも信頼性が高く、金投資に適しているため、金貨で金投資を検討している場合には有力な投資先です。
アンティークコインのように、特別な限定品を除いて金以外の価値で付加価値が生まれることは少ないですが、金そのものの価値も価格推移を考えるなら長期的に上昇すると考えられます。
また、アンティークコインに投資する場合も、金貨に投資する上では金価格についても価格を決める上で重要な要素となるため、メイプルリーフ金貨をはじめとする地金型金貨についても理解することをおすすめします。