ウィーン金貨 ハーモニーは、オーストリアで発行されているウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会場と楽器をデザインした地金型金貨です。
世界三大金貨の一つであり、信頼性の高さとデザインの秀逸さから日本における人気が高く、金投資にも選ばれやすいコインとなっています。
音楽の都と呼ばれるオーストリアの個性が表れた魅力的なデザインとなっているため、金投資に興味を持っていてどの地金型金貨を購入するべきか悩んでいる場合は有力な候補となるでしょう。
この記事では、ウィーン金貨 ハーモニーについて解説し、価格が決まるポイントなども解説していきます。
ウィーン金貨 ハーモニーとは?
画像引用:田中貴金属工業
ウィーン金貨 ハーモニーとは、1989年よりオーストリア造幣局で発行が開始された地金型金貨のことです。
金・銀・プラチナなど、さまざまな材質で鋳造されており、世界でもトップクラスの信頼性を誇っています。
K24の純金製、純度99.99%の金貨は、一定のプレミアが付けられたプレミアム金貨として、基本的には金価格に連動する形で流通しています。
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会場である楽友協会大ホールにあるパイプオルガンを表面に描き、裏面にはウィーンホルン、ハープ、ビオラ、バイオリン、ファゴットの管弦楽器が彫られています。
地金型金貨の中でもトップクラスの美しさを誇るウィーン金貨 ハーモニーは、日本からの金投資の手段として人気が高いです。
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ウィーン金貨の価格を決めるポイント
ウィーン金貨の価格を決めるポイントを3つ紹介します。
- 金価格に連動する
- サイズの種類によって価値が変化する
- 例外的な種類に関しては大きなプレミアが付くことがある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
金価格に連動する
ウィーン金貨は、地金型金貨であるため、その価値は基本的に金価格に連動します。
金価格が上昇すればウィーン金貨の価値も高まり、金価格が下落するとウィーン金貨の価値も減少します。
地金型金貨の中には毎年デザインが変わるものもありますが、ウィーン金貨に関しては1989年当時からデザインのモチーフに変更はありません。
ニッチなコレクターを除いて複数のコインをコレクション目的に収集する人が少なく、収集金貨としては注目されていないことから、金の価値で価格が決定する金貨となっています。
サイズの種類によって価値が変化する
ウィーン金貨は、日本では4つのサイズの金貨が販売されています。
海外では重量の基準がグラム(g)ではなくオンス(oz)であるため、日本の金価格の基準であるグラムに直すと以下の通りです。
種類(オンス) | 直径 x 厚さ | 重量 |
1oz | 32mm x 2.95mm | 31.1g |
1/2oz | 25mm x 2.50mm | 15.5g |
1/4oz | 20mm x 2.30mm | 7.7g |
1/10oz | 16mm x 1.80mm | 3.1g |
上記の通り4種類の金貨が販売されており、投資したい額に合わせてサイズを選ぶことで、金投資における初期投資額をある程度コントロールできます。
金価格が1gで10,000円のとき、1ozのウィーン金貨の投資額の概算は31万1,000円程度になりますが、1/10ozであれば3万1,000円になります。
少額から投資をしたい場合は、サイズの小さいウィーン金貨を購入すれば、投資しやすいといえるでしょう。
売却時は、金価格が1gで12,000円になった場合、37万3,200円の概算で売却できることになります。
ウィーン金貨には一定のプレミア価値があり、手数料などを含めると金価格による概算価格と比較すると売買の結果にズレが発生します。
例外的な種類に関しては大きなプレミアが付くことがある
ウィーン金貨は、アンティークコインとは異なり、地金型金貨であることから大きなプレミアが付くことは少ないです。
しかし、一部のウィーン金貨に関しては、金価格と比較しても乖離するほど大きなプレミアがつくことがあります。
例えば、25周年記念となった2014年に発行されたウィーン金貨の中には、発行枚数が限られた特殊な金貨セットがあり、他のウィーン金貨と比較して買取価格が変化することで知られています。
他にも25周年の一環で、15枚限定の1,000オンスの31kg金貨が発行されており、言うまでもなく希少性の高いウィーン金貨であるといえるでしょう。
金価格に連動した価格を持つウィーン金貨ですが、ごく一部の種類に関しては希少性が加味されて価格が付けられることがあります。
ウィーン金貨以外の地金型金貨について
ウィーン金貨は世界三大金貨と呼ばれますが、その他にも信用性の高い地金型金貨が2つあります。
具体的には、カナダのメイプルリーフ金貨、オーストラリアのカンガルー金貨です。
ウィーン金貨以外にも地金型金貨への投資には選択肢があり、それぞれ特徴も異なることから代表的な種類は知っておくことをおすすめします。
ウィーン金貨以外の地金型金貨の種類を以下にまとめました。
ウィーン金貨に関するよくある質問
ウィーン金貨に関するよくある質問をまとめました。
- ウィーン金貨を日本で購入する方法は?
- 日本で購入できるウィーンコインの種類と違いは?
- ウィーン金貨の偽物を見分ける方法は?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ウィーン金貨を日本で購入する方法は?
ウィーン金貨は、日本では正規の輸入代理店である田中貴金属工業、三菱マテリアルなどの販売元から購入できます。
発行枚数が多いことから、他の販売元から購入することもできます。
しかし、偽物の流通も確認されているため、十分に注意して購入するようにしてください。
日本で購入できるウィーンコインの種類と違いは?
日本で購入できるウィーンコインは、1オンス、1/2オンス、1/4オンス、1/10オンスの4種類のウィーン金貨。
純度99.95%以上のプラチナで造られた1オンスのプラチナウィーンコイン ハーモニーがあります。
ウィーンコインでは、金貨だけでなくプラチナへの投資もできるため、選択肢の広さも魅力です。
ウィーン金貨の偽物を見分ける方法は?
ウィーン金貨は、発行枚数の多さから偽物が確認されており、見分ける方法もコインの図柄を確認するだけでは困難になっています。
ただし、金貨の偽物は銅やニッケルの材質で作り、金メッキで塗装するなどの方法で作られることが多いため、重量を計ることで見分けることが可能な偽物は多いです。
確実に見分けることは難しいことから、安全に購入するなら正規の輸入代理店から購入することをおすすめします。
まとめ
ウィーン金貨は、世界三大金貨の中でも日本における人気がトップクラスに高い地金型金貨であり、信頼性の高さから金投資に選ぶコインとして最適です。
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団をモチーフにした美しいデザインも魅力的であり、コレクション資産として希少性はないものの、コインコレクターなら1枚は手元に置きたいところです。
金投資初心者やウィーン金貨のデザインに惹かれた人も含めて、入手を検討してみましょう。