ホーム コラム コイン特集 クルーガーランド金貨とは? コインの価格を決めるポイントをご紹介!

  • コイン特集

公開日 2024.5.9更新日 2024.5.9

クルーガーランド金貨とは? コインの価格を決めるポイントをご紹介!

クルーガーランド金貨は南アフリカ共和国で発行される地金型金貨であり、1980年代には日本でもブームとなったことから親しまれていました。

かつて南アフリカに位置したトランスヴァール共和国の元大統領ポール・クリューガーの肖像が描かれていることからこのように呼ばれています。

クルーガーランド金貨に描かれる動物はスプリングボックであり、南アフリカと関わりの深い動物が選ばれています。

この記事では、クルーガーランド金貨について解説し、コインの価格を決めるポイントを紹介します。

クルーガーランド金貨の歴史

クルーガーランド金貨は、1967年に発行された世界で初めての本格的な地金型金貨であり、当初は1オンス金貨のみが発行されました。

純度は22金であり、約91.67%が金で残りが銅で形成された金貨であり、約5,000万枚発行されていました。

1980年から1/2、1/4、1/10オンスの3種類の金貨が加わり、1980年代頃から日本でも金貨ブームを巻き起こし、実質的に地金型金貨の市場を独占していました。

しかし、後に南アフリカのアパルトヘイトへの抗議などの政治的な問題から、世界各国で輸入が自粛され、クルーガーランド金貨は世界の地金型金貨市場から姿を消します。

その後、カナダのメイプルリーフ金貨が台頭し、メイプルリーフ金貨に続いて世界中で地金型金貨が造られるようになったことから、現在の複数の地金型金貨が流通する状況となりました。

現在は全盛期と比較すれば流通数は限定的なものとなりましたが、発行が続けられている地金型金貨となります。

表面には、トランスヴァール共和国の元大統領であるポール・クリューガーの肖像、アンテロープの一種であるスプリングボックが描かれています。

このデザインは、1892年から1900年にかけて発行されていた1ポンド金貨と同じものです。

元になった1ポンド金貨

南アフリカのアンティークコインについてはこちらの記事をチェックしてください。

南アフリカのアンティークコイン特集 おすすめの金貨・銀貨を紹介

クルーガーランド金貨の価格を決めるポイント

クルーガーランド金貨の価格を決めるポイントを解説します。

  • 金価格に連動した価値を持つ
  • サイズ・重さなどの種類によって変化する
  • 年代によっては希少性が評価される場合がある

それぞれ詳しく見ていきましょう。

金価格に連動した価値を持つ

クルーガーランド金貨は、22金で純金ではありませんが、それに近い純度を持つ金貨であることから、その価値は金価格に連動します。

金の価値は発行当初の1967年と比較して大きく上昇しており、1960年代の日本の金価格は700円前後でした。

インフレを含めて、当時と比較すると金の価値は10倍以上に高まっていることがわかり、金価格に連動する価値を持つクルーガーランド金貨は年々価値を高めています。

サイズ・重さなどの種類によって変化する

クルーガーランド金貨は、発行当初は1オンス(oz)金貨の1種類しかありませんでしたが、1980年から重さ別に複数の種類が発行されるようになりました。

クルーガーランド金貨の種類は以下の通りです。

種類(オンス) 直径 重量
1oz 32.7mm  33.93g
1/2oz 27.07mm  16.96g
1/4oz  22.06mm  8.48g
1/10oz  16.55mm 3.39g

純金のメイプルリーフ金貨の重量が31.1gであることから、K22のクルーガーランド金貨は純金の金貨と比較して重量が異なることがわかります。

そのため、単純に金価格と重量を計算して価格を算出することはできません。

年代によっては希少性が評価される場合がある

クルーガーランド金貨は発行枚数が多過ぎることと、発行年が新しいことからアンティークコインのように希少性をメインに評価されるコインではありません。

しかし、年代によっては希少性が評価されるクルーガーランド金貨もあり、純金ではないものの、プレミア価値によって純金と同等またはそれ以上に価格として評価されることがあります。

純金ではないため、価値が下がってしまうのではないかという心配は少なく、古い年代のクルーガーランド金貨は地金型金貨として主流でなくなった今でも価値のある資産といえます。

品位で考えるクルーガーランド金貨よりも優れた地金型金貨

カナダ アンティークコイン

クルーガーランド金貨は、現在でも価値のある地金型金貨であるものの、品位がK22であることから、今から地金型金貨に投資するならK24の純金の金貨を購入したいところです。

地金型金貨でK24の純金となる金貨は以下の通りになります。

紹介した金貨は世界三大金貨とも呼ばれる信頼性の高い金貨であるため、地金型金貨を購入して金投資を始めるなら間違いのない種類です。

クルーガーランド金貨以外の地金型金貨への投資を検討するなら、より品位の高い金貨を候補にしましょう。

クルーガーランド金貨に関するよくある質問

コインライブラリー・プリンシパル

クルーガーランド金貨に関するよくある質問をまとめました。

  • クルーガーランド金貨の偽物を見分けるには?
  • クルーガーランド金貨を購入する方法は?

それぞれ詳しく解説します。

クルーガーランド金貨の偽物を見分けるには?

クルーガーランド金貨は知名度の高い地金型金貨であり、古い金貨を中心に偽造防止技術が使用されていないことから、偽物が確認されています。

偽物を見分けるポイントは重さであり、実際の偽物も金メッキで中身は銅であったケースもあるため、このようなケースでは本物と重量が明らかに異なります。

粗悪な偽物であれば、図柄をよく見比べることで判断できる場合もありますが、精巧な偽物を見分けることが難しいため、偽物を購入するリスクが低い信頼できる場所で購入することが重要です。

クルーガーランド金貨を購入する方法は?

クルーガーランド金貨は、貴金属店などで取り扱われており、地金型金貨として買取の対象にもなっています。

オークションなどでも販売されている場合もありますが、偽物を避けるためにも信頼できる場所で購入したいところです。

取り扱いのある信頼性の高い貴金属店などで探すようにしましょう。

まとめ

世界初の本格的な地金型金貨であるクルーガーランド金貨について紹介しましたが、現在ではけっして主流の地金型金貨とは呼べない状況が続いています。

新しく地金型金貨を購入して金投資を検討している場合は、クルーガーランド金貨以外の信頼できる金貨に投資するのもおすすめです。

クルーガーランド金貨を持っている場合は、純金ではないものの希少性の高さから価値がつきやすいため、現金化したい場合は売却を検討しましょう。

金貨を購入・売却する

この記事の著者

アンティークコイン ジャーナル編集部

英国王室シリーズから古代コインまで、幅広い年代のコインの紹介だけではなく、試鋳貨、造幣局による違い、彫刻家、リストライク、などアンティークコインの魅力や楽しめる知識をフラットに情報提供している。編集長は、英国王室コインと、動物コインシリーズが好き。

アンティークコイン ジャーナル編集部

関連コラム

アーカイブ