エリザベス2世のコインであるエリザベスコインを集めるにあたって、偽物の見分け方について知りたい方もいることでしょう。
しかし、コインの状態を損なう方法で偽物を見分けることは本物であったとしても大きく価値を下げるので、コインの状態を損ねない方法でなくてはなりません。
エリザベスコインのなかには贋作が確認されているコインも存在するので、特に偽物が確認されている種類のコインを購入する場合は注意が必要です。
この記事では、エリザベスコインの偽物を見分ける方法と贋作が確認されているコインを紹介します。
エリザベスコインの種類について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
エリザベスコインの種類は? 金貨・銀貨に分けて代表的なコインを紹介
エリザベスコインの偽物の見分け方
エリザベスコインの偽物を見分ける方法を3つ紹介します。
- 図柄の見比べ
- 磁石に反応するかを確認する
- 鑑定会社の鑑定
それぞれ詳しく見ていきましょう。
図柄の見比べ
コインの偽物を見分ける上で、コインに傷をつけず贋作を見きわめる方法は、図型をよく見比べることです。
精巧な贋作であれば、図柄を見比べるだけでは偽物と断定するのは難しいかもしれませんが、偽物のなかには粗悪なものも多く、よく見比べれば分かるものもあります。
特に注目したいのは彫りの深さ、多くの偽物は彫りが浅いなどの相違点を抱えているので、デザインだけで見比べるのではなく、立体的に見比べることが重要です。
特にエリザベスコインは、記念コインも細かな彫りが多いため完成度が高く、投資用コインも偽造対策も考えて作られています。
複雑なデザインで贋作で再現することが難しい部分や、彫りに着目して見比べると、知識がなくても完成の低い偽物であれば簡単に見比べられることもあります。
ただし、精度の高い偽物の場合は、見比べるだけでは偽物と判別するのが難しいため、確実な方法ではありませんが、コインを傷つけずに自身の手で偽物を判別するなら見比べることは基本であり、有効です。
磁石に反応するかを確認する
金貨や、銀貨を購入したとき、材質を調べるなら磁石を使った判別方法もあります。
金や銀は磁石には反応しないので、磁石に反応した時点で偽物と判別可能です。
金メッキや銀に近い金属を使用し、他の材質で贋作を作った場合は、磁石だけで贋作だと分かります。
ただし、磁石に反応しない金属を使用して、贋作を作る場合もあるので、磁石に反応しない場合でも確実に材質が金や銀であるか分からず、金貨の場合は銀に金メッキを塗るという方法で贋作を作る可能性もあります。
材質の見きわめとして簡単にできる方法であり、反応した時点で贋作と判別できますが、反応しなかった場合でも確実に贋作でなく、材質にも誤りがないとはいいきれません。
鑑定会社の鑑定
グレーディング会社にグレーディングを依頼することで、一部のコインは真贋を確認できる場合があります。
ただし、グレーディングと真贋は全く異なる評価のため、グレーディングがされているから、真贋確認がされている、とは思わないよう気をつけましょう。
アンティークコインにおいて権威あるグレーディング会社には、PCGS社とNGC社があり、グレーディングが得意不得意な年代や種類があるため、全てのコインの真贋確認はできませんが、主に19世紀以降のコインについては、真贋確認がされる解釈でも良いかと思います。
古代コインについては、真贋確認をしていない場合や、グレーディング自体を受け付けていない場合もあります。
鑑定料はかかりますが、偽物の疑いがあるエリザベスコインがどちらであるか信頼性のある鑑定結果が得られる上に、鑑定してもらったコインは信頼性があることから、高値で買取されることもあります。
アンティークコインの偽物や投資詐欺の手口についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
贋作が確認されているエリザベスコイン一覧
現在、贋作が複数確認されている代表的なエリザベスコインは、流通量の多い投資用コインとなっています。
記念コインなどのアンティークコインも注意する必要がありますが、多くの偽物が報告されている投資用のエリザベスコインを紹介します。
- メイプルリーフ金貨
- カンガルー金貨
- ブリタニア銀貨
メイプルリーフ金貨
メイプルリーフ金貨は、発行国を象徴するカナダのカエデの葉とエリザベス2世の肖像が描かれた、流通量の多い投資用コインです。
単調なデザインで流通量が多いので、偽物も出回りやすいですが、現在の時点では、精度の低い偽物の割合が多くなっています。
カエデの葉やエリザベス2世の髪の彫りを見比べ、刻印がつぶれていないかどうかを確認するようにしましょう。
カナダの金貨について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
カンガルー金貨
画像引用:https://www.mmc.co.jp/corporate/ja/news/press/2021/21-1124.html
カンガルー金貨は、オーストラリアが発行する毎年デザインが変更される投資用金貨であり、エリザベス2世の肖像が描かれているのが特徴です。
デザインが毎年変化するためコレクションの対象にもなっていることから、偽物も流通しているのが現状になります。
発行年によっては地金価格以上で取引されることから、鑑定機関で鑑定されたことを証明するコインを入れるスラブケースまで偽造されたケースもありました。
コインの偽造ではなく、スラブケースを精巧に偽造する手口もあるので、鑑定会社からの鑑定を受けていたとしても本物であると判別するのは危険です。
ブリタニア銀貨
画像引用:https://www.royalmint.com/invest/bullion/bullion-coins/silver-coins/britannia-2023-1-oz-silver-bullion-coin/
イギリスの擬人化であるブリタニアが描かれた、投資用銀貨であり、イギリスの投資用コインを代表する銀貨になります。
彫りが非常に細かいため、偽物の製造するのにも難しいデザインといえますが、最新の偽装防止技術を取り入れることにより、繊細な点描により、見る角度によって図柄が変わります。
偽造防止だけでなく、鑑賞するときの美しさも兼ねているので、偽装防止技術によってコインの安全性を高めるだけでなく、鑑賞性も両立している優秀な銀貨です。
しかし、2021年以前の銀貨に関しては偽装防止技術が取り入れられておらず、過去のコインである場合は現在のコインと比較すると偽物を判別することが困難になります。
エリザベスコインの偽物に関するよくある質問
エリザベスコインの偽物に関するよくある質問をまとめました。
- 偽物を避ける上で気をつけることは?
- 信頼できる購入先の探し方は?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
偽物を避ける上で気をつけることは?
エリザベスコインを傷つけずに偽物を判断する方法は、いくつかありますが、偽物を避けるなら信頼できる購入先でコインを購入することが重要です。
特に出品者の素性が分からないオークションなどで購入する場合は、偽物を入手してしまう可能性が高まります。
知識のない方が確実に贋作を見分けるのは難しいので、偽物を見分けるなら、判別方法を意識するよりも購入先を選別するほうが偽物を避けやすくなります。
信頼できる購入先の探し方は?
エリザベスコインの種類によっても異なり、投資用コインであれば貴金属店、アンティークコインであればコイン専門店になります。
どちらもオンラインショップであっても実店舗で実際にコインを見ることができるお店を探すのがおすすめです。
コイン専門店では、万が一にも偽物であったことが発覚した場合に永久買戻し保証が付くコイン専門店を利用すると偽物を購入してしまうリスクが無くなるので安心できます。
古物商許可証を取得しているかどうかも信頼できる取引先であるかどうかを判別する材料になります。
まとめ
エリザベスコインの偽物を見分ける方法と、贋作が確認されている主なコインを紹介しました。
傷をつけずに誰でもコインの偽物を見分けられる方法は存在しますが、確実性に欠けるため、購入先を吟味することのほうが重要です。
どのエリザベスコインを購入するかによっても購入先は変わりますが、エリザベス2世のコインを購入するなら信頼できる購入先から購入するようにしましょう。
エリザベスコインの価値についてはこちらの記事をチェックしてください。