エリザベス2世(在位1952~2022年)は、父ジョージ6世の退位によって女王となり、発行された5ポンド金貨の種類も豊富です。
在位60年を迎えた国王にのみ贈られるダイヤモンド・ジュビリーは、イギリス王室ではヴィクトリア女王とエリザベス2世のみが受賞しており、2022年には在位70周年のプラチナ・ジュビリーも受賞しています。
この記事ではエリザベス2世の記念コインを5つ紹介し、その生い立ちと歴史についても解説します。
エリザベス2世の生い立ちと歴史
画像引用:https://www.royal.uk/her-majesty-the-queen
まずは、エリザベス2世の家族構成について見ていきましょう。
配偶者 | エディンバラ公爵フィリップ |
王朝 | ウィンザー朝 |
家名 | ウィンザー家 |
子供 | チャールズ |
アン | |
アンドルー | |
エドワード |
エリザベス2世(在位1952年~2022年)は先代の国王であるジョージ6世とエリザベス王妃の間に生まれた長女であり、ウィンサー朝における4代目の女王です。
これまでの歴史を5つの章に分けて解説します。
- エリザベス2世の誕生
- 第二次世界大戦を経験
- 21歳でフィリップ王子と結婚
- ジョージ6世の崩御と25歳での即位
- 60年以上の治世が続く
エリザベス2世の誕生
1926年4月21日にロンドンのメイフェアで、ジョージ6世とエリザベス王妃の第一子・長女として生を受けます。
ジョージ5世の初めての内孫であったエリザベス2世は溺愛されており、エリザベス2世も定期的に見舞いに訪れたといわれています。
しかし、1936年にジョージ5世は崩御し、エドワード8世はアメリカ人女性との恋愛を選び、退位を宣言。
エドワード8世の退位によってジョージ6世が正式に即位すると、エリザベス2世は正式に王位継承権第1位となりました。
エリザベス2世には妹のマーガレット以外に兄弟がいなかったため、バッキンガム宮殿に移り住み国王としての教育を受けることとなります。
第二次世界大戦を経験
1939年に勃発した第二次世界大戦では、ドイツによりイギリス全土が空爆の対象となりました。
しかし、父ジョージ6世と母エリザベス王妃はロンドンに留まり最後まで戦うことを宣言。
エリザベス2世とマーガレットの王女姉妹もロンドンに留まることとなりました。
エリザベス2世は14歳でありながら、自ら演説を行い国民を励まし、クイーン・ウール・ファンドの支援のためにパントマイムを上演するなど王位継承権第1位として自分にできることを最大限に行ないました。
以降、エリザベス2世は公務にも積極的に関わる立場となっていきます。
21歳でフィリップ王子と結婚
エリザベス2世は13歳の時にフィリップ王子に一目惚れしており初恋の相手でした。
1947年にエリザベス2世は21歳でフィリップ王子と結婚しますが、婚約に至るまでには険しい道のりがあります。
なぜなら、フィリップ王子は外国生まれで資産を保有しておらず、姉が第二次世界大戦の対戦相手だったドイツの貴族と結婚していることから、両親である国王夫妻はこれを快く思いませんでした。
フィリップ王子は正式にイギリスに帰化し、イングランド国教会への回収を行ない、ジョージ6世は正式に婚約を認めることとなりました。
国王夫妻の反対を押し切った結婚ではありましたが、エリザベス2世とフィリップ王子夫妻は世界中から祝福されます。
翌年に第一子であるチャールズを出産し、1950年に長女のアンが誕生しました。
ジョージ6世の崩御と25歳での即位
父であるジョージ6世は病弱であり、第二次大戦に直面したことでストレスにより体調が悪化していきます。
1952年に就寝中に冠状動脈血栓症により崩御したことで、エリザベス2世女王陛下として正式に即位することとなりました。
翌年の1953年にウェストミンスター寺院で戴冠式が行われ、この模様は全世界にテレビ中継されています。
戴冠式には日本の皇室からも皇太子明仁親王が参列しました。
25歳という若さで即位したエリザベス2世の長い治世の始まりとなります。
60年以上の治世が続く
画像引用:https://www.royal.uk/celebrating-queens-official-90th-birthday
エリザベス2世の功績として有名な物には競馬があり、本人も競馬好きとして知られています。
競馬の法人組織であるジョッキークラブに法的基盤を与え、日本を含めた世界中でエリザベス2世を冠するレースが開催されています。
1990年代は王室にさまざまな問題が発生しており、長男チャールズとダイアナ妃の離婚騒動もありましたが、このときも自らのできることを全うし王室の信頼回復に務めています。
さらに、2002年には妹のマーガレットと母エリザベス王太后の2度の死別がありました。
このような厳しい出来事を経験しながらも2022年に在位70周年記念式典は開催され、プラチナ・ジュビリーを受賞することとなりました。
しかし、同年にスコットランドのバルモラル城で老衰により、在位期間は70年、96歳で崩御しました。
国王になる以前から常に自分ができることを最大限に行う姿と、女王にふさわしい気品のある振る舞いは国民から支持を大きく集め、多くの人に愛されている女王といえるでしょう。
エリザベス2世の記念コイン
エリザベス2世の記念コインの種類は非常に多く、特に5ポンド金貨は数多くのバリエーションが発行されており、収集の対象となっています。
今回は1980年にスタンダードな5ポンド金貨に加えて、それ以外の記念コインに関しても詳しく紹介します。
- エリザベス2世 5ポンド金貨 1980年
- エリザべス2世 ソボレン金貨500周年記念4枚セット 1989年
- エリザベス2世 クラウン金貨 2004年
- エリザベス2世 1000ポンド金貨 2008年
- エリザベス2世 100ドル金貨 1975年
エリザベス2世 5ポンド金貨 1980年
発行国 | イギリス |
発行年 | 1980年 |
額面 | 5ポンド |
グレード | Proof FDC |
直径 | 36mm |
重量 | 39.94g |
品位 | 917/1000 |
発行枚数 | 10,000枚 |
状態 | 完全未使用 |
エリザベス2世のコインのなかでも「品格、歴史性、適度な希少性、材質による資産性」、この全てを兼備した存在がこの5ポンド金貨です。
表面はエリザベス2世の肖像、裏面はこれまでの5ポンド金貨でも使用された伝統的な「聖ジョージの竜退治」のデザインになります。
1980年に発行が開始された5ポンド金貨は見事な大型金貨であり、また1937年の父王ジョージ6世による発行以来43年ぶりの5ポンド金貨発行ということで大きな注目を集めてました。
コインの発行も即位以来イギリス本国及び英連邦諸国で盛んに行われ、通常貨、記念貨ともに初心者から上級者まで多くのコレクターが収集対象としています。
また、エリザベス2世の5ポンド金貨は裏面のデザインを変えて、さまざまなバリエーションで発行されています。
エリザベス2世の5ポンド金貨の種類について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
イギリス王室のアンティークコインを紹介
エリザべス2世 ソボレン金貨500周年記念4枚セット 1989年
発行国 | イギリス |
発行年 | 1989年 |
額面 | 5ポンド/2ポンド/1ソボレン/ 1/2ソボレン |
グレード | 5ポンド:PF69 UltraCameo 2ポンド:PF70 UltraCameo 1ソボレン:PF70 UltraCameo 1/2ソボレン:PF70 UltraCameo |
直径 | 36.02mm /28.39mm /22.04mm /19.29mm |
重量 | 不明 |
品位 | 不明 |
発行枚数 | 5,000セット |
状態 | 完全未使用 |
ヘンリー7世治世に最初に発行されたソブリン金貨の500周年を記念した5ポンド・2ポンド・ソブリン・1/2ソブリン金貨の4枚セットです。
エリザベス2世が戴冠式の王座に座っているデザインであり、裏面は薔薇の絵柄となっています。
薔薇の絵柄は別名テューダーローズ(チューダーローズ)と呼ばれ、クラシックで人気のデザインです。
エリザベス2世 クラウン金貨 2004年
発行国 | イギリス |
発行年 | 2004年 |
額面 | 5シリング |
グレード | UNC |
直径 | 38mm |
重量 | 不明 |
品位 | 不明 |
発行枚数 | 不明 |
状態 | 準未使用 |
1988年からマン島では「キャットコイン」と呼ばれている猫をデザインとしたコインが毎年発行されています。
こちらのコインは表面にエリザベス2世の肖像が描かれ、裏面はトンキニーズという品種の猫をモデルにデザインされています。
キャットコインは、他にもスコティッシュフォールドやメイクーンなど種類が沢山ありますので、飼っている猫と同じコインがあるかもしれません。
マン島キャット金貨の特集ページを公開しています。
エリザベス2世 1000ポンド金貨 2008年
発行国 | イギリス(ロイヤルミント) |
発行年 | 2008年 |
額面 | 1000ポンド |
グレード | Proof FDC |
直径 | 100mm |
重量 | 不明 |
品位 | 不明 |
発行枚数 | 34枚 |
状態 | 完全未使用 |
イギリスロイヤルミントがアルダーニー(オルダニー)で2008年に34枚だけ作られた超大型金貨であり、1969年から2003年まで飛行したコンコルドの誕生40周年をお祝いして作られました。
飛行機コンコルドはイギリスとフランスが共同開発した超音速旅客機です。
このコインは地金型金貨であり、1091グラムの総重量のうち1000グラムが純金です。2020年6月19日時点で概算地金価格647万9,000円となります。
金により価値が担保された上で希少価値が高く人気のコインであり、オークションに出品されることもほとんどない代物です。
エリザベス2世 100ドル金貨 1975年
発行国 | ニュージーランド |
発行年 | 1975年 |
額面 | 100ドル |
グレード | Proof FDC |
直径 | 不明 |
重量 | 9.60g |
品位 | 不明 |
発行枚数 | 17,000枚 |
状態 | 完全未使用 |
表面にエリザベス2世の肖像と発行年である1975という文字が彫られており、裏面にはジョージ3世とジェームズ・クック 帆船図が描かれています。
クック船長の第2回航海の200周年を記念して作られた金貨であり、ニュージーランドにはクック船長に由来した地名が多いことでも知られています。
エリザベス2世のアンティークコインでよくある質問
エリザベス2世のアンティークコインでよくある質問をまとめました。
- エリザベス2世のコインはどこで購入するのがおすすめ?
- エリザベス2世のコインを売却するには?
それぞれ詳しく解説します。
エリザベス2世のコインはどこで購入するのがおすすめ?
エリザベス2世のコインは、オークションでも広く出品されており、知名度の高いコインであれば簡単に入手できます。
しかし、信用性の低い取引先でコインを購入すると相場よりも高い価格でコインを購入してしまう場合や、贋作の被害に遭う原因になります。
アンティークコインを購入するなら、相場に合った適正な価格設定でコインを提供する「コインライブラリー・プリンシパル」の利用がおすすめです。
エリザベス2世のコインを売却するには?
「コインライブラリー・プリンシパル」では他店で購入したコインの買取もおこなっています。
また、当店でご購入いただいたコインは金庫にてお預かりした上で、現金化したいタイミングで迅速に売却することもできます。
まとめ
エリザベス2世はエリザベス1世、ヴィクトリア女王に続く女性の国王であり、女王らしい気品ある振る舞いと勤勉な性格から、長きに渡って多くのイギリス国民に支持されました。
発行されたアンティークコインの種類も豊富であり、5ポンド金貨とキャットコインはアンティークコイン初心者もコレクションしやすい商品となっています。