デザインの美麗さ、その歴史の深さからコレクターを惹きつけてやまないアンティークコインですが、興味を持ってもどのように購入すればいいのか分からない人もいることでしょう。
近年では、富裕層を中心にアンティークコインの性質に目をつけ投資対象として保有する人も増えており、アンティークコインを買いたいという需要が増えています。
しかし、アンティークコイン初心者は適切な方法でコインを購入しなければ、贋作や、相場とかけ離れた割高な価格で買ってしまう危険性もあるので、購入方法について理解することが重要です。
この記事ではアンティークコインの購入方法やその目的、コインの選びの基礎知識まで解説し、人気コインについても紹介します。
アンティークコインの購入方法
アンティークコインは過去に発行された希少性のある金貨・銀貨などのコインのことですが、近くのお店やデパートなどで売られていることはほとんどないので、どこで売っているのか分からない方もいるでしょう。
アンティークコインは基本的に専門店か、個人同士での取引で購入するのが一般的です。
アンティークコインの購入方法は主に3つあります。
- 店頭販売
- オンラインショップ
- オークション
それぞれ詳しく見ていきましょう。
店頭販売
アンティークコインの専門店のなかでも店頭販売に対応しているお店であれば、実際にコインの担当者と話しながらコインの現物を確認して購入できます。
店頭まで足を運ぶ必要があるので、専門店の場所によっては手間がかかるかもしれませんが、一番確実にアンティークコインを購入する方法です。
特にアンティークコイン初心者の方はコインの知識があるスタッフと話すことで、目的に合ったコインが選びやすくなるなどのメリットがあります。
アンティークコインに関する知識が少ない場合は、実際に店舗に足を運んでコインを選びたいところです。
オンラインショップ
アンティークコインの専門店はオンラインに対応している場合や、実店舗がなくオンライン専売のお店もあるので、店舗に足を運ばなくてもコインは購入できます。
現物を実際に見ることができない懸念がありますが、万が一にも贋作であったときの保証である永久買戻し保証が付帯しているお店を選ぶことでオンラインでも安心してコインを買えます。
コイン専門店を運営している企業の情報や、古物証許可書を取得しているかどうかを確認して、信頼できる取引先から購入することが重要です。
専門店の選び方を間違わなければ、実際に足を運ぶ必要がないことから敷居が低いといえるでしょう。
オークション
ここまではコイン専門店を利用した購入方法でしたが、アンティークコインを個人間で取引するならオークションを利用する方法があります。
アンティークコインのオークションは日本だけでなく、海外サイトでも常に利用できる状態にあり、専門店を利用するより手軽に感じる人が多いことから、オークションからアンティークコインを購入する人もいます。
しかし、素性の分からない個人が出品できるオークションサイトでは、信頼できる取引先を選ぶことが難しく、現物を見られないため贋作や相場以上の価格で売りつけられることも。
一方で、コイン専門店のなかでオークションを開催していることもあるので、出品者の素性が怪しい媒体を使用するのではなく、信頼できる媒体が開催していオークションを利用することが重要です。
総合的に考えて、オークションでコインを買うことは知識が多く求められるため、上級者向けの購入方法になります。
アンティークコインを購入する目的は?
世界的に広く需要があるアンティークコインですが、その購入目的は必ずしも一つではなく、人によって異なります。
大きく分けてアンティークコインを購入する目的は2つに分けられます。
- コレクション
- アンティークコイン投資
それぞれ詳しく見ていきましょう。
コレクション
アンティークコインは世界規模で市場があり、毎日のようにオークションが開催されています。
近年では投資を目的にコインを保有する人も世界では増えましたが、日本では投資対象として認知されていないことから購入目的はコレクションがほとんどであり、世界でもコレクションとしての需要が高いことに変わりありません。
後ほど人気のアンティークコインについては写真付きで紹介しますが、画像を見るだけでなく、実際に店舗に訪れてアンティークコインの現物を見ればコレクターを虜にするその魅力がさらに分かることでしょう。
美しく魅力的なコインをコレクションに保有したいという需要や、家宝になるような価値の高いコインを購入したいという需要に応えられるのが、美麗さと大きな価値を持つアンティークコインになります。
アンティークコイン投資
アンティークコインは高い希少性を持ち、増えることはあっても減ることはない性質から資産運用に利用しやすいことから、世界の富裕層を中心に投資対象として知られることとなりました。
アンティークコインの強みは経済不安や金融市場の暴落に対しても価値が安定しやすく、長期的な保有で希少性が高まることで右肩上がりの成長が期待できる点です。
実物資産であることからインフレにも強いため、安定した投資先や、インフレ対策の資産として世界から注目されています。
アンティークコイン投資について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アンティークコイン投資とは? 3つのメリット・デメリットを解説
アンティークコインでリスクがある購入方法
アンティークコインは価値が安定している印象や、安全資産として知られていますが、購入方法を間違えると思わぬリスクを抱える可能性があります。
アンティークコインでリスクがある購入方法を2つまとめました。
- 販売元の素性が分からない購入先を利用する
- 転売を目的とした短期売買
それぞれ詳しく見ていきましょう。
販売元の素性が分からない購入先を利用する
アンティークコインの購入でリスクが高いのは、販売元の素性が分からない購入先です。
個人でも気軽に出品できるオークションサイトや、運営元の情報がないオンライン専売のコイン専門店はリスクが高いので注意が必要になります。
贋作を購入してしまった場合でも、相手が贋作と知りながらコインを販売したことが証明できなければ訴訟することは難しいです。
一方で、相場とはかけ離れた価格で売りつけられた場合も一部の例外を除いて、訴えが通ることはないでしょう。
つまり、コインを購入してしまった時点で取り返しがつかないことが多いので、贋作や割高な価格で販売する悪質な取引先から購入することがないように信頼できる購入先を見つけることが重要です。
アンティークコインに関する詐欺について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
転売を目的とした短期売買
アンティークコインは転売の対象として注目されており、相場が異なる2つのオークション市場を利用して、コインを相場の低い市場を利用して購入し、相場の高い市場で売る方法が一部では流行しています。
これはアンティークコイン投資における短期売買の一種ですが、このような方法で利益を得ることはリスクが高く推奨できません。
コインに関する深い知識を持っていることが前提であり、事業規模で転売できない限り黒字になる公算も低いため、初心者が行うにはいくつものリスクを抱える必要があります。
短期的に売買するやり方はアンティークコインで利益を得る方法のなかでもリスクの高い方法であるため、投資に利用する場合でも長期を前提に購入するのがよいでしょう。
アンティークコイン転売のリスクについて知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アンティークコイン転売にリスクはある? 初心者もできる売買方法を紹介
購入するアンティークコインを選ぶのに役立つ基礎知識
購入方法について理解したところで、実際にアンティークコインを選ぶのに役立つ基礎知識を紹介していきます。
- コインの価値基準
- 投資用コインとの違い
- 資産運用に利用する場合に意識したいこと
それぞれ詳しく見ていきましょう。
コインの価値基準
アンティークコインに需要があることは分かっても、数百万円~数千万円もするコインの価値はどこにあるのか気になる方も多いでしょう。
アンティークコインに価値基準は大きく分けて3つあり、この3つを総合してコインの価値が決まりやすいです。
- 希少性(発行枚数)
- グレード(状態)
- 人気(需要)
希少性はコインの価値を決める上で重要であり、いかに魅力的なコインであっても世界中にいくつでもあるのならアンティークコインとしての価値はありません。
世界に10枚しかないコインや、1万枚発行されているにも関わらず歴史的背景からそのほとんどが溶解されて現存数がほとんどないコインは高い希少性を持ちやすいです。
そして、希少性に加えてコインは時間と共に劣化しやすいため、PCGSやNGCなどの鑑定機関によるグレードの格付による状態のよさもコインの価格に関わってきます。
仮に200年前に10万枚発行されているコインであっても、流通用であるためほとんどが劣化しているなかで、状態のいいコインがあれば価格も上昇します。
そして、人気や需要は多くのコレクターがコインを欲しがる理由になるので、コインが売れやすくなるだけでなく、オークションなどで高騰することが見込みやすいです。
以上の3つの基準でコイン価格は決定し、その価値が損なわれることがない限り、時間と共に価格も上昇しやすくなる性質を持っています。
アンティークコインの価値基準を参考にしてコインを選ぶ方法を詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アンティークコイン投資入門 グレード・希少性・人気などの選び方を解説
投資用コインとの違い
アンティークコインは基本的に100年以上前に発行されたコインのことを指しますが、コインの価値の上昇を期待して保有する投資方法におけるコインは、必ずしもアンティークコインではなく、希少性のある100年以内に発行されたモダンコインが選ばれることもあります。
モダンコインをコレクション目的で集めるなら問題はなく、投資対象として集める場合も一定の希少性があり、価値の上昇が期待できるなら適しています。
しかし、モダンコインのなかには投資用に発行されたコインもあるため、このようなコインをアンティークコイン投資の対象として保有する場合は注意が必要です。
投資用コインは純金や純銀で作られた硬貨のことであり、金価格や銀価格と連動するようになっています。
美麗なデザインのコインも多く存在する投資用コインですが、広く一般的に発行されていることから希少性はほとんどなく、貴金属価格の上昇以外に価値の高騰を期待できません。
投資用コインをアンティークコイン投資として勘違いして保有することがないように気をつけましょう。
もちろん、デザインの美しいコインも多いのでコレクションを理由に入手する場合や、金投資や銀投資の手段として購入するのであれば問題ありません。
投資用コインの種類に関してはこちらの記事で紹介しています。
資産運用に利用する場合に意識したいこと
資産運用を目的にアンティークコインを購入する場合、最終的には売却することで利益を得ることを考えているはずです。
アンティークコイン投資を実践するためにコインを購入するなら、コインを購入した時点で売却のことをも考えておくことが重要になります。
アンティークコイン投資が成功するかどうかは購入の時点で決まっていることが多く、成功させるには購入した時点でどのように売却するのか考えておくことが必要になります。
実際にアンティークコイン投資の失敗として、購入したアンティークコインが売れなかったというケースもありました。
売却先を考える上で最も簡単な方法はコインの購入先で買取が依頼できる店を探すことです。
アンティークコインを購入した後に売却先を新たに考える必要がないので、購入・買取どちらも対応しているコイン専門店がおすすめです。
このような特徴を持つコイン専門店には「コインライブラリー・プリンシパル」があります。
アンティークコインで人気のあるおすすめコイン一覧
ここからはアンティークコインで人気のあるおすすめコインを紹介していきます。
他にも魅力的なコインは数多く存在しますが、今回は人気とデザインの美麗さを兼ね揃えたおすすめのコインに絞って見ていきましょう。
- ウナとライオン ヴィクトリア女王 5ポンド金貨 1839年
- ナポレオン1世 20フラン金貨 1811年
- パナマパシフィック博覧会 50ドル金貨 八角形タイプ 1915年
それぞれ詳しく解説します。
ウナとライオン ヴィクトリア女王 5ポンド金貨 1839年
概要 | 内容 |
発行国 | イギリス |
発行年 | 1839年 |
額面 | 5ポンド |
直径 | 36mm |
重量 | 39.94g |
発行枚数 | 400枚 |
世界で最も美しい金貨といわれるイギリスで発行された5ポンド金貨であり、コレクター・投資家共に高い知名度を誇ります。
その希少性は1837年~1839年のわずか2年の間に限り400枚しか発行されなかったことにあり、大型金貨であることから見栄えも良く、一度は手元に置きたいコレクターが絶えないほど人気です。
イギリスを擬人化した存在であるウナと強さの象徴とされるライオンが描かれ、裏面には20代の肖像である若いヴィクトリア女王が描かれています。
この美しい金貨をデザインしたのは世界一のデザイナーといわれるウィリアム・ワイオンであり、彼のデザインしたコインはコレクターから高い人気を集めています。
オークションでの高額落札事例があったことから、世界中から注目を集めており、コレクターの憧れとも呼べる存在のコインです。
ウナとライオンのアンティークコインはこちら
ナポレオン1世 20フラン金貨 1811年
概要 | 内容 |
発行国 | フランス |
発行年 | 1811年 |
額面 | 20フラン |
直径 | 21mm |
重量 | 6g |
発行枚数 | 3,705,489枚 |
フランスの英雄ナポレオン1世の金貨は、流通用に発行されたため、発行枚数は多いもののその人気の高さから、入荷をしてもすぐに完売してしまうほどの人気コインです。
ナポレオン1世の肖像が描かれていますが、肖像のタイプにも種類があり、月桂冠を付けていないコインもあります。
月桂冠を付けているコインのほうがコレクターからの人気は高いようです。
また流通用の金貨ではありますが、未使用の金貨も存在しており、状態のいい金貨は高い価値を持ちやすくなります。
ナポレオン1世を中心にナポレオン一族のコインにはコレクターも多く需要の高いテーマとなっています。
ナポレオン一族のコインを他にも見てみたい方はこちらのボタンからご確認ください。
パナマパシフィック博覧会 50ドル金貨 八角形タイプ 1915年
概要 | 内容 |
発行国 | アメリカ |
発行年 | 1915年 |
額面 | 50ドル |
グレード | MS63 |
直径 | 45mm |
重量 | 83.59g |
品位 | 金90% 銅10% |
発行枚数 | 645枚 |
状態 | UNC+(未使用) |
パナマパシフィック金貨はアメリカが発行した金貨のなかでもトップクラスに希少性が高い金貨であり、丸形ではなく八角形の形をしていることが最大の特徴です。
知恵をつかさどる女神ミネルヴァと知恵の象徴として描かれるフクロウは人類の英知の集大成であるパナマ・太平洋万国博覧会の記念にふさわしいデザインといえます。
当時の金貨は半分以上が溶解され高い希少性を持っており、発行当時は大きく注目が集まらなかったものの、後にコレクターから高く評価され、100年で50ドルという価格から数千倍に価値が成長しました。
パナマパシフィック金貨には特集ページがありますので、こちらのコインが気になる方はチェックしてください。
アンティークコインを購入したい人が読みたいよくある質問
アンティークコインを購入したいと考えている人が読みたいよくある質問をまとめました。
- アンティークコインの定義とはなんですか?
- アンティークコインが買えるおすすめの購入先は?
それぞれ詳しく解説します。
アンティークコインの定義とはなんですか?
アンティークコインは過去に発行された金貨・銀貨などのコインのことを指しますが、具体的な古さの基準は100年以上前といわれることが多いです。
100年以内に発行されたコインはアンティークコインと区別するためにモダンコインと呼ばれることもありますが、明確に分けて呼ばれることはありません。
アンティークコイン投資におけるアンティークコインは、希少性の高いコインという意味で呼ばれることも多く、モダンコインであっても希少性が高く値上がりが期待できるコインに投資する場合もアンティークコイン投資といわれます。
区別をつけないのは、現在の時点でモダンコインであっても、長期的な保有で年数が経てばアンティークコインになることも考えられるので区別する必要がないことが理由です。
投資におけるアンティークコインの定義は複雑ですが、基本的にアンティークコインは100年以上前に発行されたコインと定義すれば間違いありません。
アンティークコインが買えるおすすめの購入先は?
アンティークコインを買えるおすすめの購入先には「コインライブラリー・プリンシパル」があります。
コインライブラリー・プリンシパルは、世界中のコインを広く仕入れ、買取を実施していることが特徴であり、アンティークコイン投資にも特化しています。
古物商許可証を取得しており、購入したコインが万が一にも贋作であった場合には永久買戻し保証を付帯していることから、オンライン・店舗(予約必須)どちらでの購入でも安心です。
購入したいコインがある場合や、実際に店舗に足を運んでコインを選びたい方は、こちらのページから商品に関する問い合わせや、店舗への予約について相談してください。
まとめ
アンティークコインの購入方法と人気のあるおすすめコインについて紹介しました。
コインを購入する目的は人によってさまざまですが、アンティークコインの魅力を理解した上で、お気に入りのコインを購入しましょう。
集めるだけでも面白く、投資するなら美麗なコインの価値が年月を経て成長していく様子が見られるので、正しい購入方法を知っていればアンティークコインを楽しめるはずです。
またコインを一括で購入するのが難しい場合は、分割購入を受け付けている専門店もあるので、価格が高いことに諦めずに相談してみましょう。