アンティークコインを保有・収集する目的はさまざまですが、どの種類のコインから収集するのか決めるにあたって、金貨を選ぶ方が多く人気があります。
金貨がアンティークコインにおいて人気の理由は、劣化がしにくいなどの保管における理由に加えて、金自体に価値があることも挙げられます。
アンティークコインにおいて人気コインを選ぶ場合も基本的には金貨が選ばれるので、アンティークコインを知るならまずは金貨から調べるのはおすすめです。
この記事では、アンティークコインにおいて金貨が人気の理由を解説し、おすすめコインを5つ紹介します。
アンティークコインにおいて金貨が人気の理由
アンティークコインにおいて、銀貨や銅貨ではなく、金貨が人気の理由は3つあります。
- 見栄えがよく劣化しにくい
- 金自体に希少性がある
- 資産として高く評価されやすい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
見栄えがよく劣化しにくい
保管における観点であれば、金が貴金属として劣化しにくいことが他の金属と比較して人気となっている理由といえるでしょう。
1064度以上の温度にならなければ溶けることはなく、耐蝕性に優れ酸化もしません
そのため、アンティークコインとして現代に残る金貨は良質な状態で現存していることも珍しくありません。
また、今後保管するにあたって劣化を気にせずに保有できるのは安心といえるでしょう。
彫刻の見栄えもよく、劣化しにくい点から購入の選択肢に上がりやすく、近年に発行されるモダンコインにおいても将来的な劣化を考えて金貨が人気となっています。
アンティークコインの価値は希少性のほかにグレード(状態)があり、状態のいいコインが多い金貨が人気ですが、買取価格を左右するグレードについて知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アンティークコインの価値は? 買取価格を左右するグレードについても解説
金自体に希少性がある
金貨に含有される貴金属である金はそれ自体が希少な金属です。
より上位の金属であるプラチナでコインが作られるのは稀であり、現在では一部の投資用コインでしか発行されていません。
アンティークコインとしては最高級の金属である金貨は、他の金属で発行された貨幣と比較しても希少性が高くなります。
アンティークコインの価値を計る上で重要な発行枚数と現存枚数は、金貨が希少であるがゆえに少なくなります。
よって、金自体が希少であるため、過去に発行された金貨の価値も上昇しやすいので、人気も伸びやすいです。
金貨1枚あたりの時代における価値の推移について知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
金貨1枚あたりの価値の推移は? 中世から現在までの変化を解説
資産として高く評価されやすい
金自体に希少性があるということは、金そのものにも価値があるため、金貨は資産として高く評価されます。
金の1gあたりの価格は金価格として毎日発表されていますが、1gあたり数千円の価値があるため、20g~30g程度の純金に近い金貨であれば、それだけでも資産になるといるでしょう。
近年に発行されている地金型金貨は、金そのものの価値の上昇を期待する金投資の手段にもなっています。
アンティークコインの高い希少性によるプレミア的な価値に加えて、金自体が持つ貴金属の価値が上乗せされるので、金貨はアンティークコイン投資において一定の人気を持っています。
金貨の投資価値についてはこちらの記事をチェックしてください。
アンティークコインのおすすめ金貨
それでは、アンティークコインで人気のおすすめ金貨を5つ紹介します。
- ウナとライオン 5ポンド金貨 1839年
- ナポレオン3世 100フラン金貨 1859年
- パナマパシフィック博覧会 50ドル金貨 八角形タイプ 1915年
- ヴィットリオ・エマヌエレ3世 100リレ金貨 1925年
- マン島 ハーフクラウン金貨 マンクスキャット 1988年
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ウナとライオン 5ポンド金貨 1839年
概要 | 内容 |
発行国 | イギリス |
発行年 | 1839年 |
額面 | 5ポンド |
直径 | 36mm |
重量 | 39.94g |
発行枚数 | 400枚 |
数多くのコレクターや投資家の間で注目を集めているコインが、こちらのウナとライオンになります。
イギリスロイヤルミントの主任彫刻師であるウィリアム・ワイオンの傑作であり、世界で一番美しいコインといわれるほどです。
表面にはウナとライオンの彫刻、裏面には当時の王室の君主であったヴィクトリア女王の肖像が描かれています。
ウナとライオンをはじめとするイギリス王室に関係する金貨は、アンティークコインのテーマの中でも高い人気を誇ります。
イギリス王室の歴史とアンティークコイン14選! レアな金貨・銀貨をご紹介
ナポレオン3世 100フラン金貨 1859年
概要 | 内容 |
発行国 | フランス |
発行年 | 1859年 |
額面 | 100フラン |
グレード | EF |
直径 | 35mm |
発行枚数 | 14,710枚 |
状態 | 美品 |
ナポレオン一族の金貨は、ナポレオン1世をはじめとするナポレオン一族の肖像が描かれていますが、アンティークコインではイギリス王室と並ぶ人気を持ちます。
ナポレオンの第二帝政で国王になったナポレオン3世の金貨は、パリ造幣局長のアルバート・バレーが手掛けたコインです。
表面のナポレオン3世の肖像は、月桂冠を被ったものと被っていないものの2パターンがありますが、こちらは無冠のタイプになります。
その価値は、流通用に発行されたものであるため、摩耗が少なく美品であるほど価値を増し、未使用に近いほど高額での買取が期待できるでしょう。
フランス アンティークコインの歴史と価値【12種のコイン・メダル】
パナマパシフィック博覧会 50ドル金貨 八角形タイプ 1915年
概要 | 内容 |
発行国 | アメリカ |
発行年 | 1915年 |
額面 | 50ドル |
グレード | MS63 |
直径 | 45mm |
重量 | 83.59g |
品位 | 金90% 銅10% |
発行枚数 | 645枚 |
状態 | UNC+(未使用) |
アメリカで発行された金貨でトップクラスの希少性を持つパナマパシフィック博覧会の50ドル金貨は、コレクションにもアンティークコインによる資産形成にも利用できる価値を持ったコインです。
丸形のコインが一般的ですが、こちらのコインは八角形の形をしていることから形状からも希少性があります。
発行当時の都合により製造された金貨の半数が溶解されてしまったことから、現存枚数が少ないといわれており、高い金の含有率と枚数の少なさから高額で取引されていましたが、現在ではオークションで見ることも少なくなった希少な金貨です。
ヴィットリオ・エマヌエレ3世 100リレ金貨 1925年
概要 | 内容 |
発行国 | イタリア |
発行年 | 1925年 |
額面 | 100リレ |
グレード | PF63 MATTE |
直径 | 35mm |
重量 | 32g |
品位 | .900 |
発行枚数 | 5,000枚 |
状態 | Matte Proof UNC(完全未使用) |
ヴィットリオ・エマヌエレ3世は、自身がアンティークコインのコレクターであったことから、コインに対するこだわりが強く、イタリアのアンティークコインといえばヴィットリオ・エマヌエレ3世といわれるほどです。
マット仕上げを行ったこちらの金貨は良い状態で現存している金貨が少なく、PF63 MATTEはアンティークコインの鑑定機関として代表的なNGC社で状態が高く評価された金貨になります。
発行枚数も5,000枚と希少になっているため、コイン専門店において取り扱いが始まるとお問い合わせも多くなる金貨です。
イタリア アンティークコインの価値と歴史【10種類の金貨・銀貨】
マン島 ハーフクラウン金貨 マンクスキャット 1988年
概要 | 内容 |
発行国 | マン島 |
発行年 | 1988年 |
額面 | 1/2Crown |
直径 | 30mm |
重量 | 15.5g |
品位 | .999 |
1988年~2012年の25年の間に発行されたマン島キャット金貨と呼ばれる発行年によってそれぞれ異なる猫をモチーフとしたデザインのコインは、アクセサリーへの加工を含めて男女問わず高い人気を誇る金貨です。
すでに2012年に発行が終了していることから供給がなく、アクセサリーへの加工で現存数が減っていることから、長期的に価値を伸ばすと考えられているコインになります。
マンクスキャットとは、マン島固有の猫であり、上記のデザインからも分かるとおり尻尾のない珍しい品種になります。
アンティークコインの金貨に関するよくある質問
アンティークコインの金貨に関するよくある質問をまとめました。
- アンティークコインを選ぶなら金貨のほうがいい?
- アンティークコインの金貨を購入する方法は?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
アンティークコインを選ぶなら金貨のほうがいい?
アンティークコインを選ぶ場合、必ずしも金貨がいいとは限りません。
なぜなら、銀貨にも高い希少性と価値を持つコインがあるため、金貨に絞って選択肢を狭める必要がないからです。
もちろん、収集に対する好みの関係で光沢や見栄えを理由に金貨のみを収集する場合は、話が異なります。
アンティークコインへの投資や、資産形成への利用を検討するなら、必ずしも金貨でなければならないわけではありません。
アンティークコインの金貨を購入する方法は?
この記事で紹介したおすすめコインはすべて「コインライブラリー・プリンシパル」で取り扱いがある(記事を閲覧したタイミングによっては品切れの可能性あり)コインです。
アンティークコインの金貨は、当サイトを含めたコイン専門店から購入することをおすすめします。
当サイトでは、コインの仕入れに偏りなく、世界中の金貨を広く取り扱っています。
購入だけでなく金貨の買取も受け付けているので、希少性のある金貨をお持ちで買取をご検討の方は、こちらのページからお問い合わせください。
まとめ
アンティークコインの金貨について紹介しましたが、収集・投資どちらの観点においても金貨は人気があります。
目的にもよりますが、必ずしも金貨を選ぶべきというわけではありませんが、人気のアンティークコインは金貨であることも多いです。
また、アンティークコインの金貨は長期的に保有することで価値が上昇する仕組みを利用して、富裕層の間で資産形成の手段として知られるようになりました。
アンティークコインへの投資について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。