イーグル金貨は、アメリカの国鳥であるハクトウワシと自由の女神がデザインされたアメリカを象徴する金貨です。
その価値は、含有している金の価値に比例しますが、知名度と流通枚数の多さから偽物も多い金貨となっています。
しかし、精度の低い贋作であれば、見分け方を知っていれば金貨に対する知識が少なくても見分けられる可能性もあるので、イーグル金貨の購入を検討している方は理解しておきましょう。
この記事では、偽物が多いイーグル金貨の価値について解説したうえで、偽物の見分け方について解説します。
イーグル金貨の価値について
イーグル金貨は、アメリカ合衆国で発行されている純度22K（91.7%）の地金型金貨であり、金投資などを目的に広く流通しています。
以前は、アメリカ合衆国で発行されていた10ドル金貨の名称でしたが、1986年から発行されているイーグル金貨は投資などの目的で発行されている地金型金貨です。
イーグル金貨の表面には、自由の女神の全身像が描かれており、裏面にデザインされたイーグル（ハクトウワシ）はアメリカの国章や記章にも描かれる国鳥であり、それが金貨の名称となっています。
それでは、イーグル金貨の価値と偽物が多い理由について考えていきましょう。
額面・大きさ・重さで4種類に分けられる
イーグル金貨は、大きく分けて4種類あり、額面・大きさ・重さによって分けられ、それぞれ価値が異なります。
それぞれのイーグル金貨の内容について見ていきましょう。
| 額面 | 大きさ | 重さ |
| 50ドル | 32.7mm | 1oz（33.9g） |
| 25ドル | 27.0mm | 1/2oz（16.9g） |
| 10ドル | 22.0mm | 1/4oz（8.4g） |
| 5ドル | 16.5mm | 1/10oz（3.3g） |
額面はそれぞれの金貨に設定されていますが、基本的には 1oz（オンス）などの重さによって種類分けされることが多いです。
また、イーグル金貨の価値は含有している金量を毎日発表されている金価格で換算して価値を決めるのが一般的になります。
金貨の投資価値についてはこちらの記事をチェックしてください。
流通枚数と人気の高さから偽物が多い
イーグル金貨の価値は基本的に金量と金価格で決まるので、一部の金貨を除いてプレミア価値はほとんど考慮されない場合が多いです。
そのため、希少性の高いアンティークコインのように金量から求められる価格を大きく上回ることはほとんどありません。
しかし、イーグル金貨は流通枚数と人気の高さから偽物が多い金貨となっています。
今回紹介するイーグル金貨とは別にインディアン金貨や、ターバンヘッド、リバティヘッドと呼ばれる金貨もイーグル金貨に該当し、これらの偽物も含めればイーグル金貨の流通数と偽物の多さはトップクラスになるかもしれません。
流通枚数の少ないアンティークコインよりもイーグル金貨のように知名度の高い地金型金貨のほうが偽物は作られやすい状況にあります。
インディアン金貨の偽物の見分け方についてはこちらの記事で紹介しています。
インディアンコイン（インディアン金貨）の偽物と本物の見分け方
イーグル金貨の偽物の見分け方
イーグル金貨の偽物の見分け方は以下の通りです。
- 図柄を見比べる
- 重さを計る
- 鑑定機関を利用する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
図柄を見比べる
イーグル金貨は非常に精巧な作りになっているので、図柄を見比べるだけでも偽物を見分けられることがあります。
有名な金貨であることから本物と偽物を比較する動画が有志の手で公開されていることもあるので、見分ける基準となる資料も多いことが特徴です。
流通枚数の多さから実際に貴金属店や、コイン専門店にイーグル金貨の偽物が持ち込まれたケースもあるので、注意喚起として報告をしている場合もあります。
コインの表面の彫りの深さや、側面のギザギザした部分の彫りなど、細かな部分に違いがないか確認しましょう。
重さを計る
イーグル金貨の重さは先ほど紹介した通り種類によって決まっています。
つまり、重さを計って、本物と異なる重さであった場合は偽物と判別可能です。
1オンス金貨であれば重さは33.9gになりますが、それを超えることがあれば偽物であり、アンティークコインのように経年劣化による重さの減少も考えにくいので、少ないことがあれば偽物と判別できます。
イーグル金貨の贋作が作られる目的としては、他の安い金属を使用して作ったコインをイーグル金貨として売却することで利益が得られるということが考えられます。
このように他の金属を使用して偽物を作った場合に重さを計る見分け方は有効であり、金と他の金属では重さが異なることから偽物と判別できます。
鑑定機関を利用する
ご自身では判別が難しい場合や、確実な結果を見て安心したい場合は、購入したイーグル金貨に限られますが鑑定機関を利用することで確実に判別できます。
主な鑑定機関には、PCGS社とNGC社があり、どちらもアンティークコインでも権威のあるアメリカの鑑定会社です。
日本から郵送をすることで鑑定してもらうことが可能になります。
ご家族などが保有していて譲り受けた金貨があったとき、本物であることが証明できない場合は、利用するのも選択肢になるでしょう。
イーグル金貨の偽物に関するよくある質問
イーグル金貨の偽物に関するよくある質問をまとめました。
- イーグル金貨の偽物が多い理由はなんですか？
- イーグル金貨を購入するときに気をつけるべきことは？
それぞれ詳しく見ていきましょう。
イーグル金貨の偽物が多い理由はなんですか？
金を含有していることから一定の価値を有しており、流通数が多く、知名度が高いため、プレミアはあまりつかない金貨ではありますが、偽物が多くなっています。
そのため、金ではない素材で作られ、金メッキなどを施して贋作を製造する報告が多いといわれています。
偽物の精度の高さはコインにもよるため、金貨に知識がなければ、必ずしも図柄などを見比べて偽物を判別できるわけではありません 。
イーグル金貨を購入するときに気をつけるべきことは？
イーグル金貨は、貴金属店を中心に信頼できる取引先が販売しています。
そのため、素性の分からない個人が出品できるオークションサイトから購入するのではなく、信頼できる取引先から購入するのがおすすめです。
品質の証明書や、領収書を発行してくれるので、無くさずに保管すれば売却時にもコインの真贋を信頼できる資料になります。
まとめ
イーグル金貨の偽物の見分け方について解説しましたが、貴金属店で購入できるため、新しく購入するのであれば、基本的には信頼できる取引先から購入するのがおすすめになります。
ただし、万が一にもオークションなど素性の分からない相手から購入してしまった場合や、ご家族から譲り受けたイーグル金貨で品質や購入場所を証明する資料がない場合は、真贋を見分ける必要があります。
今回紹介した方法を参考にお手持ちのイーグル金貨の偽物を見分けるようにしましょう。
イーグル金貨の価格を決めるポイントについてはこちらの記事で紹介しています。
