インディアンコイン(インディアン金貨)は、1907年~1933年に発行されたアメリカの金貨であり、発行年によってはプレミアがつき高価格で取引されることで知られています。
額面は10ドルと5ドル・2.5ドルの金貨がありますが、10ドルと他の額面ではデザインが異なり、高い価値が付きやすいのは自由の女神がインディアンの被り物をした平和の象徴たるデザインが描かれた10ドル金貨です。
重さが額面に比例しており、プレミアがほとんどつかないインディアンコインは、基本的に金そのものの価値で取引されます。
この記事では、インディアンコインの価値とプレミアについて解説します。
インディアンコイン(インディアン金貨)とは?
10ドル金貨におけるインディアンコインのデザイン
5ドル金貨におけるインディアンコインのデザイン
概要 | 内容 |
発行国 | アメリカ |
発行年 | 1907年~1933年 |
額面 | 10ドル・5ドル・2.5ドル |
直径 | 27mm(10ドル金貨) |
重量 | 16.71g(10ドル金貨) |
品位 | 0.900(品位は共通) |
インディアンコインとは、1907年~1933年にアメリカ合衆国で発行されたアメリカ先住民の頭部をデザインした金貨のことです。
インディアンヘッドと呼ばれるこちらのデザインは額面によってモデルが異なり、5ドル・2.5ドルでは老人が描かれているためオールドインディアン、10ドルのインディアンヘッドは若者が描かれているように見えるのでヤングインディアンと呼ばれました。
しかし、インディアンコインをデザインしたオーガスタス・セント=ゴーデンズ氏は、10ドル金貨に描かれたインディアンヘッドは自由の女神がインディアンを象徴する羽根帽子を被ることで、アメリカの融和を願ってデザインしたことを明らかにしています。
裏面には共通してアメリカを象徴する国鳥であるハクトウワシが描かれているのが特徴です。
金の品位は共通して90%となっており、残りの10%は銅で構成されています。
アメリカ金貨の種類について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アメリカ金貨の種類を一覧形式で紹介 コインの価値についても解説
インディアンコインの価値について
インディアンコインの価値を決めるポイントについて解説します。
- 金貨としての純度
- デザインの種類
- プレミアがつく年代
それぞれ詳しく見ていきましょう。
金貨としての純度
インディアン金貨は、90%が金で構成されており金としての純度が高いため、金価格が考慮されて取引されます。
金価格は毎日発表されており、金の価値が上昇するほどインディアンコインの価値が上昇することが期待可能です。
また、額面によって重さが異なることから、含有している金の総量も異なるので、基本的には金貨の額面が大きいほど高い買取価格がつきます。
金貨の価値について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
金貨1枚あたりの価値の推移は? 中世から現在までの変化を解説
デザインの種類
インディアン金貨は、額面によってデザインが異なることから、デザインの種類によっても価値が変わってきます。
オールドインディアンとヤングインディアンでは、ヤングインディアンのほうが人気のデザインです。
また、同じヤングインディアンでも、発行年によって刻印が異なる場合もあるので、細かなデザインの違いによっても価値が大きく変化することもあります。
プレミアがつく年代
インディアンコインは、プレミアがほとんどつかない年代であれば、ほとんど地金価格と同等の価値で取引されます。
しかし、プレミアがつく年代であればコイン自体の人気の高さからも高い価値が付きやすいです。
通常では数万円程度で取引されるインディアンコインも、プレミアがつけばその数十倍~数千倍で取引されることもあります。
プレミアがつく年代は限られており、歴史的な背景から発行枚数や現存枚数が少ないとされる年が該当します。
プレミアがつくインディアンコインの種類
それでは、具体的にプレミアがつくインディアンコインの種類を紹介します。
- インディアンコイン 10ドル金貨 1933年
- インディアンコイン 10ドル金貨 1907年
それぞれ詳しく見ていきましょう。
インディアンコイン 10ドル金貨 1933年
画像引用:https://www.pcgsasia.com/valueview/index?cid=779&specno=8885
インディアンコインの中でも最も希少性が高いといわれているのが最後に発行された1933年になります。
1933年は、アメリカにおける金本位制が停止された年であり、フランクリン・ルーズベルト大統領は国民が金を保有することを禁止しました。
そのため、多くの金貨が買い上げられ、1933年製のインディアンコインの流通量はほとんど0に等しい状態です。
このような歴史的背景から、1933年のインディアンコインは非常に入手困難であり、すべてのインディアンコインのなかでも最も希少価値があり、プレミアもつくコインとなっています。
インディアンコイン 10ドル金貨 1907年
画像引用:https://www.pcgsasia.com/valueview/index?cid=776&specno=8850
最後に発行されたコインとは反対に、1907年に初めて発行されたインディアンコインもプレミアがつく希少な金貨です。
発行枚数と現存枚数の少なさだけでなく、デザインにも違いがあり、1907年のインディアンコインには「In God We Trust(我々は神を信じる)」という刻印が入っていません。
この刻印は1908年の中頃に発行されたインディアンコインに刻印されるようになった国家の標語であり、1908年前期に発行されたインディアンコインにも刻印がないので、刻印がないコインが1907年製というわけではありません。
しかし、刻印がないコインというだけでも一定のプレミア価値が認められ、1907年製であれば、より高い価格がつきやすくなります。
インディアンコインに関するよくある質問
最後に、インディアンコインに関するよくある質問をまとめました。
- インディアンコインの価値を決定するポイントは?
- インディアンコインの中でプレミアがつく発行年は?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
インディアンコインの価値を決定するポイントは?
インディアンコインの価値は、プレミアがほとんどつかない場合は、金そのものの価値で買取されます。
金の価値に加えて、発行年、デザインの種類によってプレミア価値が考慮して、買取価格が決定する仕組みです。
アンティークコインの価値について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アンティークコインの価値は? 買取価格を左右するグレードについても解説
インディアンコインの中でプレミアがつく発行年は?
インディアンコインは1907年~1933年に発行されましたが、希少性が高くプレミアがつきやすいのは、1907年製、1933年製です。
上記の年代は歴史的な背景からも非常に希少であり、入手が難しい発行年のインディアンコインとなっています。
他の年度のコインに関しては発行枚数と現存枚数を考慮して、一定のプレミア価値がつくことがあります。
まとめ
インディアンコインの価値とプレミアについて解説しましたが、こちらのコインは非常に人気であり、ネックレスなどのアクセサリーにも用いられています。
アクセサリーに加工されるということは純正品が減少するということであるため、長く保有すればプレミア価値が認められているコインだけでなく、インディアンコイン全体にプレミア価値が認められる可能性もあります。
インディアンコインを含むアンティークコインは長期的に保有するほど、その価値を増す性質を持っているので、インディアン金貨を保有している方はこれからも状態を保ちつつ保有を続ければ、将来的に価値の上昇が期待できるかもしれません。
アンティークコインの性質を利用したアンティークコイン投資について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。