貴金属のなかでも金は安全資産ともいわれますが、次いで知名度の高い投資対象になる金属が銀ですが、将来性について疑問を持つ方もいることでしょう。
銀の価格が上昇する理由はさまざまありますが、長期的にインフレが進行することを考えるなら価格の上昇が期待できるものの、過去に幾度も投機対象として価格が押し上げられたこともあるため、購入タイミングが難しい投資です。
金を購入するほど資金に余裕がないため、銀に投資をしたいと考えている方もいるのではないかと考えますが、貴金属に少額投資をするならおすすめの方法があります。
この記事では、銀投資の将来性を分析するのに必要な過去の価格推移と上昇する理由について解説し、銀投資のデメリットも挙げつつ、将来性に期待して投資するのにおすすめの銀投資の方法も紹介します。
銀投資の将来性を分析するのに重要な銀価格の推移
画像引用:https://gold.mmc.co.jp/market/silver-price/#silver_longspan
銀投資のはじまりは1980年にハント兄弟が銀に目を付け買い占めをおこなったことがきっかけです。
当時の暴騰により銀先物は50ドルを超しており、この価格は2022年現在の銀価格でも超えられていません。
上記の表は1984年~2022年までの銀価格の海外価格と国内価格の値動きを表したチャートになります。
銀価格は横ばいに価格が変動し安定している時期も多い反面、特定のタイミングで大きく高騰し暴落している局面があることがグラフから読み取ることが可能です。
しかし、長期的に見れば価格が上昇していることに間違いはありません。
また銀価格が高騰する相場のことを原油価格が高騰するオイルショックに準えてシルバーショックと呼びます。
代表的なシルバーショックの例について見ていきましょう。
1996年 ウォーレン・バフェットが年間供給量の5分の1を買い占め
1996年にバークシャー・ハサウェイCEOのウォーレン・バフェット氏が世界の銀の年間供給量の5分の1を買い占めました。
直後に銀価格は暴騰しており、影響力の強い投資家により相場が大きく上昇することとなりました。
同氏は代表的な米国株投資家であり、2021年にもカナダの鉱山会社であるバリック・ゴールドの株を取得しており、インフレが懸念される状態では投資家が安全資産を求めて貴金属に資金が集中するという事態は昔から変わっていません。
銀への投資が注目される理由があり、著名な投資家が銀を購入したというニュースがあれば再びシルバーショックが起こる可能性もあるでしょう。
2011年 大規模なシルバーショック再び
ここまで銀価格は高騰する局面はあったものの、ハント兄弟の買い占めによって記録された50ドルの大台に乗ることはありませんでしたが、2000年代に入って最も大きなシルバーショックが起きたのは2011年になります。
今回のシルバーショックは工業需要の増加が注目されており、ハント兄弟の例があり最高値を未だに更新していない銀に割安さを感じやすい状況であったことから発生したといわれています。
また当時には銀ETFと呼ばれる、銀の現物を保有せずに銀に投資する方法が生まれた時代であり、銀への投資がしやすく個人投資家が銀に投資しやすい状況であったことも後押しとなったことでしょう。
銀価格は一時40ドルを超え、2010年1月時点では20ドル以下であったことから1年で価格が倍以上に膨れ上がりました。
しかし、このシルバーショックは取引所が先物取引の過熱を抑えるために、証拠金を大きく引き上げたことで崩壊し暴落しました。
この40ドルという価格は10年後も半分程度までしか回復していないことから、高騰した状態で銀を購入するリスクが高いことが分かる事例といえるでしょう。
中世の価格推移など過去の銀の価値について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
銀貨の投資方法は? 価値の推移と投資できる銀貨を一覧形式で紹介
将来的に銀価格が上昇する理由は?
ここまで銀価格の推移を見てきましたが、以上を踏まえて将来的に銀価格が上昇する理由は下記の3つです。
- 工業需要の増加
- 金価格との連動
- インフレの加速
それぞれ詳しく見ていきましょう。
工業需要の増加
2011年のシルバーショックの事例を考えれば、工業需要の増加は銀価格を大きく押し上げる材料になる可能性があります。
銀はその需要のほとんどが工業用であるため、工業需要の増加は銀を購入する材料となるでしょう。
銀価格に期待して銀投資をするなら、工業需要の増加が期待される場面で購入するか、将来的に工業需要が増加することを見越して保有することが考えられます。
ただし、需要の増加により高騰をした場合は、取引所の証拠金引き上げなどなんらかの理由で価格が見直されたタイミングで暴落する可能性もあります。
金価格との連動
銀は金に追随する形で価格が連動することが多いため、金への投資が注目されるタイミングで上昇することが考えられます。
ただし、すべての貴金属が金に連動するわけではなく、プラチナは株式と連動しやすい性質を持っています。
連動する性質があることから金価格が上昇しているタイミングでは銀も同時に買われる状況になりやすいといえるでしょう。
金ではなく銀を選ぶべき理由についてはこちらの記事をチェックしてください。
銀投資のおすすめの方法は? 金ではなく銀を選ぶ理由についても解説
インフレの加速
貴金属への投資は、インフレが加速しお金の価値が下がることが懸念される場面で活発化しやすくなります。
銀を含む実物資産はインフレ対策に効果的であるため、長期的にインフレが懸念される事態が続くほど銀価格は上昇しやすくなるといえるでしょう。
また特定の投資家がインフレ対策のために購入することがあれば、市場心理が傾き銀価格が高騰する事態になる可能性もあります。
インフレ対策になる資産について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
インフレ対策となる資産の3つの特徴とは? 資産を守る投資対象も紹介
将来性を期待して銀投資を行なうデメリット
銀価格が再び短期的に大きく上昇する局面が訪れることを期待する場合や、長期的に価格が上昇することを期待する場合は以下のリスクが考えられます。
- 価格の変動幅が大きい
- 経済状況に大きく左右される
- 工業需要の低下による不安材料
それぞれ詳しく見ていきましょう。
価格の変動幅が大きい
銀の将来性に期待して長期的に投資する場合にリスクとなるのは、価格の変動幅が金よりも大きい点が挙げられます。
銀はその価値の変動の大きさから投資対象としては悪魔の金属と呼ばれ、暴騰から暴落の流れで多くの投資家が莫大な損失を出してきた歴史があります。
よって、リスクの大きい投資対象であるため、長期的に保有するということは暴落に巻き込まれる可能性が高くなるため注意が必要です。
安全資産として長期的に保有することを目的にするなら、暴騰や暴落をする可能性がある銀投資よりも適切な方法もあります。
経済状況に大きく左右される
銀投資は経済状況や金融市場の動向に大きく左右されやすいことはこれまでの価格変動が証明しています。
著名な投資家の買い占め、インフレへの懸念などのさまざまな理由で銀価格は変動しています。
金に次いでリスクを避ける状況では買いが先行しやすいことから、株式や投資信託を保有している投資家が金融市場の暴落などのリスクを避けて購入するにはタイミングも重要であり、インフレが懸念されてから購入しても割高で購入することになるかもしれません。
つまり、銀を安全資産として保有するのは経済状況に左右されやすい性質から購入のタイミングが限られるということです。
銀を中心とする貴金属はすでに投資家から株式に投資していた資金を逃がす先として広く知られていることから、状況によっては安全資産になりにくい問題があります。
工業需要の低下による不安材料
銀は工業需要の増加が見込まれるとき将来性が期待できますが、技術革新の結果、銀の需要が下がることが懸念されるようになれば、価格が下落するだけでなく将来性に対しても不安材料になります。
不安材料をきっかけに暴落することも考えられ、需要が回復する目途が立たなければ長期的に下落することも考えられるでしょう。
現在の時点で銀の需要が大きく減少することは考えにくいかもしれませんが、20年後、50年後となれば世界がどのように変化するのかは具体的には誰にも分かりません。
また実際に銀の需要が低下しない場合でも、フェイクニュースなどの誤った情報が先行した結果、市場がパニックとなり暴落する可能性もあるので、銀投資の最大のデメリットは事実に関わらず暴騰・暴落する可能性があることです。
将来性が期待できる銀投資のおすすめの方法はアンティークコイン投資
ここまで銀投資のデメリットについて解説しましたが、安全資産として保有するには難しく、しかし、価格の変動幅が大きいことから期待できるリターンは大きいため上級者向けの投資方法になります。
しかし、将来性を期待して安全に投資することが可能であり、投資初心者でも実践しやすい銀への投資方法が存在します。
それは、アンティークコインと呼ばれる100年以上前に発行された銀貨を保有することです。
なぜアンティークコイン投資が銀への投資方法としておすすめであるのか3つの理由を挙げました。
- 右肩上がりに価格が上昇している
- 金融市場に影響されにくい
- 少額から投資しやすい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
右肩上がりに価格が上昇している
画像引用:Stanley Gibbons
上記のチャートはアンティークコイン(イギリスの代表的な200種類のコインを指数化したもの)と代表的な資産(金・不動産・株)の成長率を比較したものです。
青色の線がアンティークコインの成長率ですが、暴騰や暴落のような局面がなく右肩上がりに上昇していることが分かります。
注目したいタイミングは2008年のリーマンショックのタイミングであり、このタイミングでは株式は暴落、金などの貴金属は上昇しています。
しかし、アンティークコインはこのような局面でも価格が変動することなく、安定して上昇していることが分かります。
価格の安定性が高く、右肩上がりの成長が期待できる点は安全資産として優れているといえるでしょう。
アンティークコインと他の資産運用の比較について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
金融市場に影響されにくい
銀への投資は、銀価格の変動により価値が変わりますが、銀貨を対象にしたアンティークコイン投資では希少性によるプレミア価値を前提に価格が決定されます。
アンティークコインは、高い希少性を持ち、世界中にコレクターがいることから需要があるため、実際にコインに含有している銀の量とは比較にならない程の価値が付く仕組みです。
つまり、銀価格に価値が連動しないことから、金融市場や経済状況に価格が影響されにくいということです。
安全に銀に投資するなら銀そのものや銀価格に投資するのではなく、別の価値基準において希少性と需要を持つ銀貨に投資するほうが大きく価格が変動することなく安全です。
少額から投資しやすい
銀は金よりも少額から投資しやすいメリットがありますが、アンティークコイン投資においても少額投資を検討するなら金貨ではなく銀貨のほうがおすすめです。
希少性の関係から金貨よりも高額な銀貨も存在するものの、全体的には銀貨のほうが価格は安い傾向にあります。
また同じ金額の金貨と銀貨では、少額投資を前提にするなら銀貨を選ぶ方が適している場合もあります。
アンティークコインは含有している金属の価格に上乗せする形でプレミア価値が決定しますが、金価格で12万円の価値がある金貨もプレミア価値を上乗せして考慮して数百万円、数千万円という値がつく仕組みです。
しかし、これが数十万円となると金は希少性が高く1gで数千円にもなるので、プレミア価値を上乗せしたとしても金そのものの価値が占める割合は大きくなり、貴金属そのものへの投資の性質が強くなってしまいます。
一方で、銀は1gあたりの価格が金の100分の1程度であるため、仮に同じ価格の金貨と銀貨があった場合、銀貨のほうが金属の価格よりもプレミア価値が大きいことが分かるでしょう。
アンティークコインの少額投資の方法について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
少額からできる初心者向けの資産運用【アンティークコイン投資を少額から始める】
銀投資の将来性に関するよくある質問
銀投資の将来性に関するよくある質問をまとめました。
- インフレに備えてお金だけでなく貴金属を保有するのはあり?
- 将来性に期待できるアンティークコイン投資を実践するおすすめの方法は?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
インフレに備えて貴金属を保有するのはあり?
インフレが加速することを懸念するならお金だけを貯蓄していても、その価値が目減りしてしまう危険性があります。
よって、貴金属の価格が割安の状態で保有するのはインフレ対策に有効です。
しかし、多くの投資家から安全資産として知られている銀や金などの貴金属はインフレが世界的に懸念される状態になったタイミングではすでにその価値が実際の価値よりも高騰している場合もあるので、価格が上昇したタイミングで購入するのはリスクがあります。
そのため、貴金属その物を保有するのではなく、希少性の高いアンティークコインと呼ばれる銀貨を保有するほうが経済状況に影響を受けにくく、投資タイミングを選びません。
将来性に期待できるアンティークコイン投資を実践するおすすめの方法は?
価値が安定しやすく安全資産として保有可能であり、右肩上がりの価格上昇が期待できることから将来性も高いアンティークコイン投資はコイン専門店から始められます。
コイン専門店にはさまざまな種類がありますが、アンティークコイン投資を始めるなら特化した専門店を選ぶべきです。
アンティークコイン投資に特化したコイン専門店には「コインライブラリー・プリンシパル」があります。
当サイトではアンティークコイン投資に適した銀貨を販売しており、アンティークコインや投資に知識のない方にも専門のスタッフが分かりやすく解説します。
また、購入方法も資金に合わせて一括購入と分割購入を選択できるので、購入できるコインの幅が広がる仕組みです。
銀貨を利用したアンティークコイン投資に興味のある方はこちらのページからお問い合わせください。
まとめ
銀投資の将来性について解説しましたが、その歴史は暴騰と暴落を繰り返してきたこともあり、通常の方法では貴金属への投資に期待されるインフレ対策の安全資産という役割は果たしにくいかもしれません。
しかし、希少性が高くプレミア価値が付くアンティークコインと呼ばれる銀貨は、銀投資のなかでも安定しており、将来性もある安全資産として保有しやすいです。
アンティークコイン投資についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。