金貨や銀貨などの貨幣、メダルなどの記念コインは昔から世界中で発行されており、そのなかでも100年以上前に発行されたコインはアンティークコインと呼ばれます。
アンティークコインはこれまで収集の対象として知られてきましたが、現在、世界の富裕層を中心に投資対象としても認知されていることをご存じでしょうか?
枚数が新たに増えることがなく、世界中で集められていることから希少価値による成長性と恒久的な需要が期待可能であり、株式や債券などの金融資産と価格が連動しにくいことから安全資産として知られるようになりました。
この記事では、アンティークコイン投資についてメリット・デメリットを中心に解説し、始め方や銘柄の選び方、税金などの投資を始める上で必要な知識を網羅して紹介します。
アンティークコイン投資とは?
アンティークコイン投資とは、これから価値の成長が見込めるコインを保有し、購入した価格よりも高い資産価値を持つようになったタイミングで売却する投資方法のことです。
投資で利益を得る方法は、売買による利益を得るキャピタルゲインと、保有を続けることで利益を得るインカムゲインがありますが、アンティークコイン投資はキャピタルゲインで利益を得る投資方法になります。
株式であれば配当金、不動産であれば賃料収入などのインカムゲインがあるため、アンティークコイン投資に魅力を感じない方もいるかもしれません。
しかし、アンティークコインの投資対象としての魅力は安定かつ高い成長性にあります。
資産運用の目的によっては株式や不動産のような伝統的資産よりもアンティークコインに投資するべき方や、他の金融資産を保有するリスクに備えるためにアンティークコインも保有を推奨する投資家の方も多く存在しているのです。
アンティークコインの成長性
画像引用:PCGS
こちらのグラフは、「PCGS 3000 Rare Coin Index」と呼ばれるアンティークコインの鑑定会社であるPCGS(Professional Coin Grading Service)が公開しているアメリカの希少なコイン3,000銘柄の価格を指数化したものです。
直近の3年間の価格において目覚ましい成長を遂げており、右肩上がりに上昇していることがわかります。
PCGS 3000 Rare Coin Indexはアメリカのコインを対象にしているものの、次に紹介するイギリスのアンティークコインの成長を指数化した「GB200 Rare Coin Index」の成長性や、特に近年のアジアのコインの価格高騰には目を見張るものがあり、アンティークコイン市場全体が成長していると考えられます。
アンティークコインの価格を指数化したデータから参考にすれば、成長が期待できるコインを保有すれば価値の上昇を十分に見込める資産といえるでしょう。
コインライブラリー・プリンシパルでは世界中の希少性の高いアンティークコインを紹介しています。
アンティークコイン投資と他の資産運用の成長性の違いを比較
画像引用:Stanley Gibbons
こちらのグラフはイギリスのアンティークコイン、金、不動産、株式の代表的な指数の成長率を比較したものです。
「GB200 Rare Coin Index」はイギリスの希少価値の高いアンティークコイン200種類の落札価格を指数化したものになります。
uk propertyは、イギリスの不動産価格の代表的な指数、FTSEはFTSEインターナショナルが算出するイギリスを代表する株価指数です。
以上を踏まえた上で、上記の図の不動産、株式のグラフを確認すると2008年9月に発生したリーマンショックにより株式は大幅に暴落、不動産も下落基調になっていることが分かります。
一方で、金はリーマンショックでも値を上げているため安全資産ではありますが、株式が上昇する局面では値を下げていることから市場が好調なときに恩恵を受けにくいです。
しかし、アンティークコインは、どのような局面でも安定して右肩上がりの成長を続けていることが分かります。
金融市場の混乱に対しても安定しており、長期であれば株式、不動産よりも高い成長性が期待できるのです。
代表的な資産運用とアンティークコイン投資の比較について確認したい方は下記の記事もチェックしてください。
アンティークコイン投資の対象になるコインについて
アンティークコインは基本的に100年以上前に発行された希少なコインのことを指します。
しかし、アンティークコイン投資における投資対象は、必ずしも古くに発行されたコインに限定されていません。
コインの価値の上昇を期待して投資するすべての投資を、アンティークコイン投資と呼ぶことも多いです。
それでは、アンティークコイン投資において投資対象になるコインについて詳しく解説します。
収集型コインと地金型コインの違い
アンティークコインにおける投資対象となるコインは大きく分けて、収集型と地金型に分類されます。
収集型コインは希少価値がありコレクターからの需要の大きさからプレミア価値がつくコインのことを指し、地金型コインは造幣局より毎年発行される金を含有した投資用のコインのことを指します。
それぞれの違いを3つの項目分けて表にまとめました。
収集型コイン | 地金型コイン | ハイブリッド型 | |
入手のしやすさ | コインによって大きく異なる | 入手しやすい | コインによって大きく異なる |
価値 | 収集品としてのプレミア価値 | 金価格に連動する | プレミア価値・金価格 |
成長性 | 希少性や需要によって変動 | 金価格に連動する | 希少性・需要・金価格 |
収集型コインは、種類によってはほとんど発行されておらず現存枚数が少ないため入手困難または不可能なコインがある一方で、地金型コインは貴金属販売会社から購入できます。
価値や成長性は、収集型コインの場合は希少性や需要などに左右される一方で、地金型コインは金価格と連動する仕組みです。
よって、地金型コインへの投資は金投資の側面が強いことを理解しておきましょう。
ハイブリッド型コインも存在する
収集型コインのように希少価値を持っており、金を含有していることから金価格による価値の担保がある両方の性質を併せ持つハイブリッド型もあります。
地金型コインは1967年に南アフリカ共和国で発行されたクルーガーランド金貨が始まりです。
しかし、100年以上前に発行され現在では希少性が認められる19世紀のヨーロッパの金本位制時代にナポレオンによって発行された金貨も地金型コインの性質があるといえます。
地金型コインであっても、現存枚数が少なく希少性がありデザインが美麗で需要もある場合は、収集型コインのようにプレミア価値を持つこともあるのです。
アンティークコイン投資において重要なのは、そのコインを保有する目的です。
数多く発行されていることから収集型の性質がない地金型コインをプレミア価値が付くことを期待して保有しても思うような成果は得られないでしょう
ナポレオンのコインについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ナポレオン一族の金貨を含めたおすすめアンティークコイン8選!
アンティークコイン投資のメリット
アンティークコイン投資の主なメリットは3つあります。
- リーマンショックなどの金融危機でも安定している
- 低コストでも始められる
- 手間がかからず忙しくても実践できる
それぞれ詳しく解説します。
リーマンショックなどの金融危機でも安定している
アンティークコインはリーマンショック、コロナショックなどの金融危機でも価値が安定しており、長期的に右肩上がりの成長を続けてきました。
今後、金融危機による市場の混乱や暴落が発生することが考えられるので、富裕層の間では金融危機でも安定した価値を持つ資産が求められています。
アンティークコインは、長期の資産運用における株式や不動産に代わる投資対象になることや、すでに株式などの金融資産を保有している方が新たな投資対象として選択することでリスクの分散が期待できます。
投資初心者の方にも、投資経験者の方にも安定した魅力的な投資先であるといえるでしょう。
リーマンショックなどの金融危機やハイパーインフレなどから資産を防衛する方法について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
インフレ対策となる資産の3つの特徴とは? 資産を守る投資対象も紹介
低コストでも始められる
アンティークコインには、さまざまな種類があり、その価格には大きくバラつきがあります。
当サイト「コインライブラリー・プリンシパル」でのコインの購入金額の割合は下記の通りです。
希少価値の高い100万円以上のコインを購入する方が多く、実際にアンティークコイン投資の対象になりやすいのもこの金額です。
しかし、100万円以下のコインでも長期的な価値の上昇が期待できるものも存在しており、50万円以下、30万円以下のコインも投資対象になります。
そのため、自身の予算と相談しながら低コストから始められるのもアンティークコイン投資のメリットといえるでしょう。
アンティークコイン投資を少額から検討したい方はこちらの記事をチェックしてください。
少額からできる初心者向けの資産運用【アンティークコイン投資を少額から始める】
手間がかからず忙しくても実践できる
アンティークコイン投資に興味はあっても、投資の知識がまったくない方もいることでしょう。
投資に対して抱く印象は、株式投資であれば毎日株価を確認して、金融関係のニュースを読む。不動産投資であれば物件の入居者を募集し、問題が起きないように管理を行うといった手間のかかる印象を抱いているかもしれません。
投資について勉強する時間もなく、忙しいので投資に手間をかけたくない考えている方にアンティークコイン投資は向いています。
なぜなら、アンティークコイン投資はコインを購入すれば、後はコインを保有し続けて価値が上昇するのを待つだけだからです。
売却日を10年、20年など具体的に決めておけばタイミングに困ることもないでしょう。
アンティークコイン投資のデメリットとリスク
一方で、アンティークコイン投資には次のようなデメリットとリスクが考えられます。
- 相場より高値で購入すると失敗しやすい
- 贋作などの詐欺の被害に遭う可能性もある
- 市場が整備されていないので売却に時間がかかる
それぞれ詳しく解説します。
相場より高値で購入すると失敗しやすい
アンティークコインは購入できる場所がさまざまあるために、購入する場所によっては本来の相場よりも割高で購入してしまう可能性があります。
仮に、毎年平均で10%価値の上昇が見込める300万円程度の価値を持つコインを430万円で購入したとします。
このとき、コインの本来の価値が購入価格に追いつくまでの過程を下記の表にまとめました。
初年度 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | |
コインの価値 | 300万円 | 330万円 | 363万円 | 399万円 | 439万円 |
損益 | -130万円 | -100万円 | -67万円 | -31万円 | 9万円 |
本来の利益 | 0円 | 30万円 | 63万円 | 99万円 | 139万円 |
こちらの例では、損益が一時的にマイナスになるだけでなく、本来受けられたはずのコイン価値の成長における恩恵を5年分無駄にしてしまったということです。
成長率や購入価格によっては追いつくまでにさらに時間がかかるケースや、マイナスのまま終わる可能性もあります。
コインを相場よりも高い価格で買ってしまいやすい購入先は、個人が簡単に出品できるオークションサイトでの購入が大半を占めます。
アンティークコイン投資用のコインは、運営会社もはっきりしている信頼できるコインの取扱業者から購入することが重要です。
贋作などの詐欺の被害に遭う可能性もある
オークションサイトでは意図せず相場よりも高い価格でコインを販売しているケースもありますが、最初から本来の相場を理解した上で割高でコインを販売しようとする販売元も存在します。
なかには、贋作であることを知った上でコインを売りつけようとする悪質なケースもあるので注意が必要です。
アンティークコイン投資詐欺は、コインの単価が非常に高いことと、アンティークコイン投資に対する知識がない初心者を狙う目的で、簡単に見抜けるものから非常に手の込んだ手口まで報告されています。
こちらも信頼できるコイン専門店からコインを購入することで解決可能です。
コイン専門店のなかには、万が一コインが偽物であった場合は永久に買戻しを保証する保険を付帯している場合があるので、保証の厚い業者を頼るのがおすすめになります。
アンティークコイン投資詐欺の詳しい手口と回避する方法について知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
市場が整備されていないので売却に時間がかかる
アンティークコインに限らずコレクションとして収集品の対象になる資産に共通しますが、金融資産とは異なり、市場が整備されておらず買い手が見つかる仕組みができていないので、売却に時間がかかります。
そのため、短期での投資にはまったく向かず、好きなタイミングで現金化できないので、余裕を持って行う必要があるといえるでしょう。
アンティークコイン投資を始めるなら、コインの売却先も購入と同時に決めておくのがよいです。
当サイト「コインライブラリー・プリンシパル」では、コインの購入だけでなく買取も受け付けているので、アンティークコイン投資を始めやすいコイン専門店となっています。
アンティークコインが売れなくて困っている方や、投資における売却に不安のある方はこちらの記事をチェックしてください。
アンティークコインが売れない理由とは? 儲からない人の特徴も解説
アンティークコインはどこで買う?
アンティークコインを購入できる場所を3つ紹介します。
- コイン専門店
- オークション
それぞれ詳しく見ていきましょう。
コイン専門店
アンティークコインを専門に取り扱うコイン専門店は、初心者がアンティークコインを購入するうえで有力な候補です。
コイン専門店では、店頭販売とオンライン販売の2種類の方法でコインを購入できます。
店頭販売は実際にコインを鑑賞して選ぶことが可能であり、投資に向いたアンティークコインの特徴などを聞くこともできるため、コインの購入が初めてなら利用したい購入方法です。
しかし、店頭まで足を運ぶ必要があることから、住んでいる場所によっては難しい可能性もあります。
一方で、オンライン販売はどこに住んでいてもアンティークコインを気軽に購入できるメリットがありますが、購入するまで実際に現物を見ることができない点に注意が必要です。
初めてアンティークコインを買うなら店頭販売を利用したいところであり、その店の店頭でコインを購入したことがある場合や、アンティークコインの購入が初めてでない場合はオンライン販売に頼るのもおすすめです。
オークション
オークションではアンティークコインが数多く出品されており、海外サイトだけでなく日本でもアンティークコインを取引できるオークションサイトが存在します。
コイン専門店では売られていない欲しいコインが入手できる可能性がありますが、この購入方法は初心者向けではありません。
アンティークコインを取引するなら出品者の信頼性を見きわめることが重要であり、贋作でないか、相場に沿った価格で出品されているかを判断する必要があります。
アンティークコインの取引に慣れていない人がオークションサイトを利用すると失敗する可能性もあるため、オークションでコインを購入する場合は慎重に検討しましょう。
アンティークコインの購入方法を詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アンティークコイン初心者が投資を始める方法
アンティークコイン初心者がオークションサイトなどで、真贋や相場を判断してコインを購入するのは非常に難しいです。
このような方法で投資を始めると失敗する確率が高くなります。
そのため、アンティークコイン初心者の方ははじめにコインを選ぶのではなく、信頼できる販売元を選ぶほうが投資に成功しやすいです。
コイン専門店を選ぶポイントは下記の通りになります。
- コインに対する保証が充実している
- コインの販売価格の設定基準が明確である
- 購入だけでなく買取も対応している
コインが万が一にも贋作だった場合は、永久買戻し保証による保証が充実していると安心して購入できます。
コイン価格は、外国貨幣評価書、オークションログの最新かつ正確な資料を元に価格設定をしている業者であれば割高で購入しにくくなります。
また、アンティークコイン投資はコインを売却するまでが重要であるため、同じ店で購入から買取までを完結させるのがおすすめです。
信頼できるコイン専門店を見つけ、予算や購入する目的を相談しながら、目的に合った理想のコインを探すのが理想になります。
アンティークコイン投資の始め方など入門知識をより詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アンティークコイン投資入門 グレード・希少性・人気などの選び方を解説
アンティークコイン投資におけるおすすめ銘柄の選び方
アンティークコイン投資の世界では、コレクターであれば誰でも知っている人気の高いコインである「ウナとライオン」の値上がり事例が話題となっています。
1839年に発行されたこちらのコインは、発行枚数400枚という希少価値の高さとデザインの美しさから高い価値を持ち、状態によっては億単位で取引される銘柄です。
ウナとライオンは、近年にも復刻版として発行されていますが、発行枚数が少ないことから瞬く間に売り切れてしまい、その価値は1年足らずで数倍になりました。
上記の事例からアンティークコインの投資対象になりやすいおすすめ銘柄は下記のような特徴を持ったコインになります。
- 発行枚数が少ないことから高い希少性を持つ(希少性)
- 鑑定会社により状態がよいと判断されている(グレード)
- デザインの美しさなどから需要があり人気がある(需要)
アンティークコイン投資に最適なおすすめ銘柄を探すために、やるべきことを確認していきましょう。
ウナとライオンのアンティークコインはこちら
コインを購入するための予算を確定する
例に上げたウナとライオンのコインを購入できる予算があるのであれば、こちらのコインを探してもよいかもしれませんが、ほとんどの人はいきなり1億以上の資金をアンティークコイン投資にかけられないでしょう。
どれだけ投資に魅力的なコインがあっても、予算をオーバーしていれば購入できないので、まずは自身がアンティークコイン投資にかけられる予算を確定することが重要です。
株式や不動産では証券会社や銀行からお金を借りて投資して利益を高めることが推奨されることがあります。
しかし、アンティークコインはすぐに現金化しにくく、インカムゲインが発生しない資産であるため、借金をしてコインを購入するのは非常にリスクが高いです。
欲しいコインがあっても、必ず余裕資産の範囲内で購入しましょう。
コインの希少性・グレード・需要などを分析
予算を決めたら、予算の範囲内で先ほど説明したアンティークコイン投資のおすすめ銘柄の特徴である希少性・グレード・需要を分析します。
希少性は、基本的に発行枚数から類推できますが、発行年が古いコインや、歴史的背景からほとんどが溶解されているコインは発行枚数に対して現存枚数が少なく、希少価値が高まっている場合があります。
グレードは、アンティークコインの鑑定会社による状態の評価であり、高い評価を受けているコインは状態がよく同じ種類のコインであっても価値が高まりやすいです。
需要の分析は難しいですが、ウナとライオンのように美しい女性や、動物が描かれたコインは人気が出やすい傾向にあり、ナポレオン金貨のように歴史的な偉人が描かれたコインも人気になります。
3つの要素を総合的に分析して、自身の予算の範囲内でアンティークコイン投資に適した銘柄を見つけていきましょう。
アンティークコイン投資のおすすめ銘柄の選び方について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アンティークコイン投資のおすすめ銘柄と高額コインの値上がり事例
アンティークコインの代表的な鑑定会社
アンティークコインのグレードは鑑定会社が評価していますが、現在アンティークコイン業界で権威のある鑑定会社は下記の2社です。
- NGC(Numismatic Guaranty Corporation)
- PCGS(Professional Coin Grading Service)
どちらもアメリカの鑑定機関であり、アンティークコインの鑑定会社は他にも存在しますが、今回は評価のポイントが細かくグレードの基準が厳しいことから信頼性が高い代表的な二大鑑定機関について解説します。
NGC(Numismatic Guaranty Corporation)
1987年に設立されたNGC(Numismatic Guaranty Corporation)社は和訳するとアンティークコイン保証会社となり、アメリカ・フロリダ州に拠点を置く世界最大級の鑑定会社です。
スミソニアン博物館やミントミュージアムなどの世界的な展示における重要性の高いコインの鑑定を任されるほど信頼性が高い企業になります。
鑑定できるコインも古代~現代までと幅広く、コインの汚れをできる限り除去して美しく保存するサービスを提供するなど事業の幅も広いです。
また、日本からNGC社に鑑定を依頼する場合は、コイン専門店を通すことになりますが、請求額は鑑定するコインの評価額によっても異なり、3万円以下や偽物であった場合も一定の料金が発生する仕組みです。
1,000万円の価値を持つコインでも数万円の鑑定料となるため、個人でも気軽に依頼できます。
これから紹介するPCGS社と比較すると鑑定するコインの種類の幅や事業内容の広さにおいて優れています。
PCGS(Professional Coin Grading Service)
NGC社が設立される1年前となる1986年に設立されたのがPCGS(Professional Coin Grading Service)社であり、コイン格付専門サービスという意味を持つアメリカ・カルフォニア者に拠点を持つ企業です。
アンティークコインの品質を保つために世界共通のグレード基準を設定したのは同社になります。
グレードを70段階に細分化するシャルドン・スケールは、現在さまざまな鑑定会社が使用しているグレードの評価基準です。
鑑定するコインの対象は16世紀から現代までのコインとなっており、古代コインの鑑定には対応していません。
鑑定の厳しさはコイン収集家の間ではPCGSのほうが厳しいという意見や噂も多いので、PCGSで鑑定したほうがグレードの信頼性が高いと考えるコレクターは多いのが現状です。
よって、鑑定料も大きく変わらないのでモダンコインを中心に年代の新しいコインの鑑定を依頼するなら、特別な理由がない限りPCGS社に依頼するのがよいかもしれません。
アンティークコイン投資にかかる税金
コインの売却で利益が出た際に気になるのは、投資にかかる税金ではないかと思います。
アンティークコイン投資には購入・売却のタイミングで税金がかかります。
購入のタイミングでかかる税金は消費税のみですが、売却のタイミングでは譲渡所得として課税の対象になります。
また、税金の計算は5年未満の所有である短期譲渡所得であるか、5年以上の長期譲渡所得であるかによって異なります。
- 短期譲渡所得=売却価額–(購入代金–譲渡費用)–50万円
- 長期譲渡所得=売却価額–(購入代金–譲渡費用)–50万円×1/2
参考:国税庁「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」
譲渡費用は購入や売却にかかった手数料などを指し、購入代金から譲渡費用を差し引いた額が300万円のとき500万円で売却したときの長期譲渡所得を計算します。
- 500万円(売却価額)-300万円(購入代金–譲渡費用)-50万円×1/2=75万円
75万円が譲渡所得として課税の対象になるので、給与所得などの他の収入などと合算して税率が決定します。
アンティークコイン投資の税金について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アンティークコイン投資の税金とは? 購入・売却・相続にかかる税金
アンティークコイン投資に関するよくある質問
最後に、アンティークコイン投資に関するよくある質問を4つまとめました。
- アンティークコイン投資は儲かる?
- アンティークコイン投資に失敗する人の特徴は?
- アンティークコイン投資を始めるのにおすすめの取引先は?
- コインの保管や買取も受け付けているコイン専門店を知りたい
それぞれ詳しく解説します。
アンティークコイン投資は儲かる?
アンティークコイン投資は、長期的に考えれば儲かる可能性が高いですが、短期的に儲けることを考えているのであれば儲からないかもしれません。
アンティークコインを購入して、別の店やオークションサイトなどで売却して利益を得る転売という手法であれば、短期的に儲けることは不可能ではないでしょう。
しかし、アンティークコイン転売は、コインの価値の判断の難しさや取引の回数をこなすほど偽物を購入してしまうリスクも高まることから、安定して儲けることが難しいです。
そのため、アンティークコイン投資を考えるなら短期間で〇〇〇万円、〇億円を稼いだなどの儲け話に乗せられることなく、長期的な価値の成長が見込めるコインを購入して保有することが安定して儲けやすい方法になります。
アンティークコイン転売のリスクについてはこちらの記事で紹介しています。
アンティークコイン転売にリスクはある? 初心者もできる売買方法を紹介
アンティークコイン投資に失敗する人の特徴は?
アンティークコイン投資に失敗する人の特徴は、短期的に儲けようとすることや、コインの購入方法を間違えてしまうことが挙げられます。
アンティークコインにおいて一番大きな失敗は贋作を購入してしまうことですが、それ以外にも相場以上の価格でコインを購入してしまうことも失敗といえるでしょう。
コインの価値がわからない状態で、誰でも出品できるオークションサイトでアンティークコインを購入するのは失敗するリスクが非常に高いです。
投資であるため、購入した後にどこで売るなどの具体的な売却を想定していない人もコインを売る際に買手が見つからない原因になります。
管理の不手際でコインを傷つけて価値を損ねてしまう失敗も考えられますが、投資を目的にアンティークコインを購入するなら、購入したコインの保管もおこなってくれる購入先を選ぶこともおすすめします。
アンティークコイン投資にはいくつかの失敗の原因や、失敗する人の特徴を想定できるため、このような過ちを起こさないように失敗する理由を理解しておきましょう。
アンティークコイン投資で失敗する人の共通点や特徴について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アンティークコイン投資で失敗する人の共通点は? 成功するためのポイントも紹介
アンティークコイン投資を始めるのにおすすめの取引先は?
アンティークコイン投資を始めるなら、信頼できる取引先となるコイン専門店選びが重要です。
古物商許可証を取得している業者であることに加えて、保証が充実しており、コイン価格の算出基準が明確である業者がおすすめになります。
加えて、アンティークコイン投資に理解のある業者を選ぶほうがスムーズにコインを購入しやすくなるでしょう。
当サイト「コインライブラリー・プリンシパル」では、アンティークコイン投資の知識を持った担当者がコインの選び方から投資の知識までサポートできる取引先になります。
コインの保管や買取も受け付けているコイン専門店を知りたい
保有しているコインは自身で保管するのもよいですが、より安全に保管するためにコイン専門店の金庫にて保管の委託ができます。
また、購入・買取においてコイン専門店が複数関わると、買取がスムーズに進まないこともあるので、コインの購入先と買取先は同じ場所にするのがおすすめです。
当サイトでは、コインの保管、買取まですべて対応しています。
アンティークコイン投資に必要なサービスを網羅しているコイン専門店となっていますので、ご相談があればこちらのフォームからお気軽にお問い合わせください。
まとめ
アンティークコイン投資に必要な知識をすべて網羅して解説しましたが、さらに詳しく知りたい方はリンク先の個別記事なども参照して知識を深めていきましょう。
長期を前提とした資産運用の手段として新たな常識となり得るアンティークコインは、鑑賞して楽しみながら価値の成長を待てる魅力的な資産です。
安定性と成長性の高い資産であるため、投資初心者の方も経験者の方もアンティークコインの保有を検討しましょう。