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公開日 2022.1.14更新日 2022.4.11

ナポレオン3世の金貨・記念コイン4選! 帝政を含むその歴史とは?

フランス皇帝であるナポレオン3世は、ナポレオン1世の弟であるホラント王ルイ・ボナパルトの第三子です。

ナポレオン3世の時代は英仏通商条約により貿易が発展し、フランス産業革命が完成したことで、大きくフランスが成長した時代でもあります。

この記事ではフランスの近代化に貢献したナポレオン3世の金貨や記念コインを紹介し、生い立ちと歴史についても解説します。

ナポレオン3世(シャルル・ルイ=ナポレオン・ボナパルト)の生い立ちと歴史

ナポレオン3世

画像引用:https://www.fujibi.or.jp/our-collection/profile-of-works.html?work_id=3549

それでは、ナポレオン3世の生い立ちと歴史について解説していきます。

父親 ホラント王ルイ・ボナパルト
母親 オルタンス・ド・ボアルネ
配偶者 ウジェニー・ド・モンティジョ
家名 ボナパルト家
王朝 ボナパルト朝(フランス第二帝政)
子供 ナポレオン・ウジェーヌ

ナポレオン3世は、ルイ・ボナパルトとその妃オルタンスとの間に生まれます。

その歴史について5つの章に分けて解説します。

  • ナポレオン3世の誕生
  • ナポレオンの失脚による亡命生活と投獄
  • 二月革命によりフランスの大統領に就任し皇帝に
  • フランスの近代化を支える
  • 普仏戦争の敗北により退位

ナポレオン3世の誕生

1808年に後にナポレオン3世と呼ばれるシャルル・ルイ=ナポレオン・ボナパルトは、ホラントの王位を与えられたルイ・ボナパルトの第三子として生を受けます。

しかし、ナポレオン3世が生まれたとき両親は不仲で別居状態にあり、母であるオルタンスに複数の愛人がいたことからナポレオン3世はルイ・ボナパルトの実子ではないという説もありますが、証拠はないため憶測の域を出ません。

兄にはナポレオン・シャルルとナポレオン・ルイがいましたが、シャルルは5歳で薨去しています。

生誕の時点では王位継承権第4位の位置にいましたが、ナポレオン2世の誕生により王位から遠い存在となりました

ナポレオンの失脚による亡命生活と投獄

父ルイ・ボナパルトが1810年に退位させられる中、1814年に反ナポレオン同盟軍によってパリが陥落し、1815年にイギリスとのワーテルローの戦いにより敗北したため、正式にナポレオンは廃位されることとなりました。

ナポレオン3世はオルタンスと共に国を追われ、スイスのアレネンベルクとドイツ南部のバイエルン王国のアウクスブルクに身を隠します。

国を追われる亡命生活ではありましたが、オルタンスの兄であるウジェーヌのおかげで金銭において困ることはなかったようです。

しかし、フランスへの帰還を諦めてはおらず、何度も計画を立てますが叶うことはなく、1840年にフランスに帰還したところ憲兵隊に捕まり終身刑を言い渡され投獄されることになります

1846年に脱獄計画を企てロンドンに逃れますが、父ルイ・ボナパルトの遺産を相続したにも関わらず、浪費によってすべて使い切ってしまったと後々に語っています。

ナポレオン1世の生い立ちと歴史について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

ナポレオン1世の金貨・記念コイン・銀貨を紹介! 即位から帝政の終焉

二月革命によりフランスの大統領に就任し皇帝に

遺産を使い切ってしまったナポレオン3世ですが、エリザベスという裕福な愛人がいたため、ロンドンで再びフランスへの復帰の機会を待つことができました。

そして、1848年の二月革命によりルイ・フィリップの七月王政が打倒されたことで、ナポレオン3世はチャンスを掴むために再びフランスに帰還します。

すでにナポレオン2世は死亡し、親族のほとんどが亡くなっていたため、ナポレオンの唯一の後継者という肩書は国民の心を掴むのに最適でした。

12月の大統領選挙において、投票総数の4分の3にあたる547万票で当選し、第二共和政大統領となります。

その後、独裁権を握ると国民投票により皇帝の座につきます。

これが、ナポレオン3世による第二帝政の始まりでした

フランスの近代化を支える

ナポレオン3世による第二帝政は1860年代からは民主主義を尊重したものの1850年代の政治は実質的な独裁と評価されることも多く、退位に至るまでの経緯から賛否が分かれる皇帝です。

しかし、ナポレオン3世の功績を挙げるならフランスの近代化に大きく貢献したことが挙げられます。

1860年に英仏通商条約を締結すると関税を大幅に下げ、自由貿易政策に転換したことで、その他のヨーロッパ諸国においても自由貿易が発展しました。

貿易の自由化はイギリスとの技術競争を生み、この競争の中でフランスの技術革新は大きく進みました。

銀行が設立され、鉄道が普及し、金融とインフラが整備されたことでフランス産業革命が完成します。

フランスを美しい近代国家に生まれ変わらせたことが、ナポレオン3世の大きな功績といえるでしょう

普仏戦争の敗北により退位

ナポレオン3世の政治は対外戦争が多く、クリミア戦争による大勝で大きく支持を受けましたが、その後は失策の連続であったと評価されることもあります。

1861年のメキシコ出兵では、メキシコとアメリカの激しい反発を受けて撤退した上に、メキシコ皇帝として送ったマクシミリアンが処刑される結果になりました。

そして、ナポレオン3世の最大の失策は1870年の普仏戦争であり、スダンの戦いで敗れるだけでなく、ナポレオン3世自身が捕虜となりました。

捕虜になったという電報を聞いたウジェニー皇后はこれに対して「なぜ自殺しなかった」と叫んだといわれており、捕虜にされたことを知った民衆の反乱により帝政は廃止されます。

ナポレオン3世は捕囚生活から、イギリスに渡り、なおも帝政を復活させることを望みますが叶うことはなく1873年に死亡します

ナポレオン3世の金貨・記念コイン4選

ナポレオン3世の金貨・コインを4種類紹介します。

  • ナポレオン3世 100フラン金貨 1859年
  • ナポレオン3世 100フラン金貨 月桂冠 EF 1864年
  • ナポレオン3世 金メダル銀メダル NGC 2枚セット 1855年
  • ナポレオン3世 5フラン銀貨 1862年

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ナポレオン3世 100フラン金貨 1859年

ナポレオン3世 100フラン金貨 1859年 ナポレオン3世 100フラン金貨 1859年

発行国 フランス
発行年 1859年
額面 100フラン
グレード EF
直径 35mm
重量
品位
発行枚数  14,710枚
状態 美品

コレクターの間でも人気があるナポレオン3世の100フラン金貨です。

コインのデザインはパリ造幣局長のアルバート・バレーが手掛けています。

表面にナポレオン3世の肖像と皇帝ナポレオン3世の文字が彫られており、裏面はナポレオン家の紋章が描かれ、フランス帝国の文字が刻まれています。

そしてエッジに刻まれた『DIEU PROTÉGÉ LA FRANCE』は「神よ、フランスを護りたまえ」という意味です。

ナポレオン・ボナパルトの第一執政官時代から古く使われている言葉になります。

状態はEFであるため、未使用の通貨ではなく流通の痕跡があります。

しかし、この時代のコインは摩耗しているものも多いため、比較的摩耗が少ない上記の商品は希少価値が高いです。

ナポレオン3世 100フラン金貨 月桂冠 1864年

ナポレオン3世 100フラン金貨 月桂冠 1864年 ナポレオン3世 100フラン金貨 月桂冠 1864年

発行国 イギリス
発行年 1864年
額面 100フラン
グレード EF
直径 35mm
重量
品位
発行枚数 5,536枚
状態 美品

ナポレオン3世の100フラン金貨には2種類あり、表面のナポレオン3世が月桂樹を冠しているものもあります。

一般的には、月桂冠のあるもののほうが希少価値が高く、コレクター人気もありますが、価値はコインの状態にも依存するので必ずしも月桂冠のあるものの価値が高くなるわけではありません。

ナポレオン3世 金メダル銀メダル NGC 2枚セット 1855年

ナポレオン3世 金メダル銀メダル NGC 2枚セット 1855年

発行国 フランス
発行年 1855年
額面 5ポンド
グレード MS62
直径 60mm
重量 159.5g(金)
126.76g(銀)
品位 不明
発行枚数 不明
状態 不明

ナポレオン3世の金メダル・銀メダルの2枚セットになります。

1855年に開催されたパリ万博の記念に作られた古代メダルであり、その希少価値の高さからメダルでありながら高い価格で取引されています。

ナポレオン3世 5フラン銀貨 1862年

ナポレオン3世 5フラン銀貨 1862年 ナポレオン3世 5フラン銀貨 1862年

発行国 フランス
発行年 1862年
額面 5フラン
グレード AU55
直径 不明
重量 不明
品位 不明
発行枚数 不明
状態 未使用に近い状態

1862年に発行されたナポレオン3世の銀貨の試鋳貨です。

AU55と未使用に近い状態であり、2018年のオークションでは480万円で落札されるほど人気の高い銀貨となっています。

ナポレオン3世のアンティークコインでよくある質問

最後に、ナポレオン3世のアンティークコインでよくある質問をまとめました。

  • ナポレオン3世の金貨を購入するならどこがおすすめ?
  • ナポレオン3世の金貨を高く売るには?

それぞれ詳しく解説します。

ナポレオン3世の金貨を購入するならどこがおすすめ?

ナポレオン3世の金貨は代表的な100フラン金貨も含めてさまざまな種類が流通しています。

アンティークコインを購入する上で気になるのはやはり真贋であり、本物の金貨をできる限り安く購入するなら信頼できる業者から購入するのがおすすめです

古物商許可証を取得している「コインライブラリー・プリンシパル」では、価格が不透明になりやすいアンティークコインも外国貨幣評価書に基づき、相場に沿った価格で提供いたします。

ナポレオン3世の金貨を高く売るには?

ナポレオン3世の金貨を売る場合も信頼できる業者に買取を依頼するのがおすすめです。

コインライブラリー・プリンシパル」では、コインの鑑定・買取を行なっており、当サイトにアンティークコインの出品もできます。

また、当社で購入した商品は金庫にて保管することも可能であり、お預かりしたコインは売却の指示があれば迅速に現金化いたします。

まとめ

ナポレオン3世の生い立ちと歴史について解説し、100フラン金貨をはじめとする代表的な金貨や記念コインを紹介しました。

フランス産業革命を支えた皇帝であるナポレオン3世は、軍事戦略においては賛否がありますが、現在のフランスを形作った人物であることには変わりありません。

興味を持った方はナポレオン3世のコインの保有を検討してみましょう。

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紹介したコイン

  • フランス

    フランス ナポレオン3世(1852-1870) 100フラン金貨 1859BB Fr570 KM786.2 無冠 EF

    SOLD OUT

    ー 円

この記事の著者

アンティークコイン ジャーナル編集部

英国王室シリーズから古代コインまで、幅広い年代のコインの紹介だけではなく、試鋳貨、造幣局による違い、彫刻家、リストライク、などアンティークコインの魅力や楽しめる知識をフラットに情報提供している。編集長は、英国王室コインと、動物コインシリーズが好き。

アンティークコイン ジャーナル編集部

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