カナダは、イギリス連邦の加盟国であり、北アメリカ大陸に位置する国であり、北辺は北極圏となっています。
通貨はカナダドル(CAD)を使用しており、世界で5番目に利用されている通貨です。
金と価値が連動する地金型金貨のメイプルリーフ金貨を発行していることでも知られており、イギリス連邦に加盟していることからイギリス王室の君主の肖像が描かれたアンティークコインも多いです。
この記事では、カナダはどんな国であるかを解説した上で、通貨の種類とおすすめのアンティークコインを金貨・銀貨に分けて紹介します。
カナダはどんな国? ~広大な国土を持つ多文化主義国家~
面積(総計) | 9,984,670㎢(世界2位) |
通貨 | カナダ・ドル(CAD) |
首都 | オタワ |
言語 | 英語、フランス語 |
主な宗教 | キリスト教(5割以上) |
主な民族 | ヨーロッパ系(7割以上) |
隣接している国 | アメリカ |
独立 | 1867年7月1日 |
カナダは、北アメリカ大陸北部に位置し、アメリカと国境を接し、東西は大西洋、太平洋に面しており、北辺は北極圏、北東にはグリーンランドがあり、北極海を挟んでロシアと向かい合っています。
イギリス連邦加盟国であり、実質的には1867年7月1日に独立していますが、イギリス・フランスに植民地化されていた歴史から公用語は英語とフランス語となっています。
ロシアに続く世界第2位の国土を持つ広大な国であり、金を含めた天然資源に恵まれていることから、資源の輸出を主な産業としています。
金と価値が連動する地金型金貨のメイプルリーフ金貨を発行しており、金の採掘量では世界のトップクラスに位置し、国の信頼性も高いことから同種の金貨では最も知名度のあるコインです。
移民が多いことから多文化主義であり、アメリカを中心に世界中から移民が集まっており、様々な人種が存在することから小さな地球とも呼ばれています。
留学もしやすい国であることから、トロント、バンクーバー、モントリオールなどの都市を中心に長期留学先にカナダを選択した方も多くいることでしょう。
北に位置する国ですが四季があり、夏が短く冬が長いことが特徴であり、ウィンタースポーツが盛んです。
自然豊かで、アメリカと隣接していても銃を禁止していることから治安が良く、多国籍文化であることから様々な人種が差別なく受け入れられやすい国となっています。
カナダの歴史 ~植民地時代から独立までの歩み~
年号 | 内容 |
1763年 | パリ条約締結、該当の地域がカナダ植民地と呼ばれるようになる |
1867年 | 1867年、英領北アメリカ法を制定し、カナダ自治領を成立させる |
1931年 | ウエストミンスター憲章の制定 |
1964年 | 現在のカナダの国旗が決定される |
1979年 | メイプルリーフ金貨が初めて発行される |
1982年 | カナダ憲法の成立 |
カナダの歴史は遡れば、フランスの植民地であったヌーベルフランス時代からカナダという名称自体は使用されていたといわれています。
広く一般的にカナダと呼ばれるようになったのはイギリス領になった後であり、パリ条約を締結し、フランスが植民地を放棄した後にイギリスはこの地域をカナダ植民地と呼ぶようになりました。
カナダの独立はアメリカの産業革命による急速な発展が理由であり、イギリスは力をつけたアメリカがカナダを併合することを恐れ、 1867年、英領北アメリカ法を制定し、カナダ自治領を成立させます。
その後、1931年に各自治領の主権を対等に認めるウエストミンスター憲章の制定、1982年に憲法を制定していますが、1867年7月1日が一般的なカナダの独立の年として祝われています。
第二次世界大戦はイギリス連邦の国の一つとして参戦し、1944年のノルマンディー上陸作戦にも参加しました。
1964年、イギリスの国旗から新たにカナダを象徴するサトウカエデの葉を描いた国旗が決定され、1965年に初めて公開されました。
サトウカエデはカナダにとって欠かすことができない樹木であり、先住民はこれまでサトウカエデの木の樹液をすすって飢えを凌いだとされており、カナダを代表するメープルシロップもサトウカエデの樹液から作られます。
1979年にはカナダで初めてメイプルリーフ金貨が発行され、以降は毎年、カナダ造幣局から金貨が発行され続けてきました。
1982年、イギリスのカナダ法が改正され、新たにカナダ憲法が成立したことによって、真の意味で独立国家となりました。
カナダの通貨の種類
カナダでは、カナダドル(CAD)が使用されており、世界でも5番目に流通しているシェア率の高い通貨です。
補助通貨はセントとなっており、100セント=1カナダドルに相当します。
カナダの通貨の種類を紹介していきます。
硬貨
- 1セント(2013年に廃止)
- 5セント
- 10セント
- 25セント
- 1カナダドル
- 2カナダドル
紙幣
- 5カナダドル
- 10カナダドル
- 20カナダドル
- 50カナダドル
- 100カナダドル
1セント(2013年に廃止)
2013年に廃止されたカナダの1セント硬貨です。77歳のエリザベス2世の肖像、2枚のサトウカエデの葉が描かれています。
5セント
2023年から新たに発行されたチャールズ3世の肖像が描かれた5セント硬貨です。ビーバーが描かれたデザインはエリザベス2世の肖像であった頃から共通しています。ニッケル製であったことからニッケルという愛称で呼ばれることがあります。
10セント
スクーナー船が裏面に描かれた10セント硬貨です。フランス語で10分の1(10枚集めると1カナダドルになる)を示すダイムと呼ばれます。
25セント
25セントの硬貨にはカナダを象徴する動物であるカリブー(トナカイ)が描かれています。4枚集めると1カナダドルになるため、クウォーターです。
1カナダドル
水鳥のアビが泳ぐ様子と背景に島が描かれた1カナダドル硬貨です。ルーニーという愛称で呼ばれています。
2カナダドル
2カナダドルは、中央にホッキョクグマが描かれています。ルーニー(1カナダドル)2つ分の価値を持つことからトゥーニーになります。
5カナダドル
表面にはカナダの首相ウィルフリッド・ローリエ卿の肖像、裏面には宇宙イノベーションをテーマにしたデザインが描かれています。
10カナダドル
縦に描かれたデザインが特徴的であり、表面には個人実業家のヴィオラ・デズモンドの肖像、裏面にはカナダ人権博物館が描かれています。
20カナダドル
表面にエリザベス2世の肖像、裏面にカナダ国立ヴィミー記念館が描かれています。
50カナダドル
表面にはカナダの首相であるウィリアム・ライアン・マッケンジー・キングが描かれており、裏面の船はカナダの砕氷船であるアムンゼンです。
100カナダドル
カナダの首相ロバート・レアード・ボーデン卿の肖像を描いた表面、裏面は医療革新をテーマにしたデザインです。
カナダのアンティークコイン~おすすめ金貨を紹介~
カナダのおすすめ金貨・銀貨を紹介します。
- カナダ メイプルリーフ金貨 2011年
- カナダ ジョージ5世 10ドル金貨 1914年
- カナダ エリザベス2世 ジャック・カルティエ 1984年
カナダ メイプルリーフ金貨 2011年
概要 | 内容 |
発行国 | カナダ |
発行年 | 2011年 |
額面 | 10ドル |
直径 | 20mm |
重量 | 7.7758g(1/4oz) |
品位 | 金999/1000 |
カナダを代表する金貨であり、投資用に発行される純金の地金型金貨の代表的な種類の1つでもあるのが、こちらのメイプルリーフ金貨です。
カナダ王室造幣局発行する高い信頼性を持つこちらの金貨は、カナダを象徴するサトウカエデの葉が描かれており、裏面にはエリザベス2世の肖像が描かれています。
発行開始が1979年であり、2022年にエリザベス2世が崩御するまで同じ君主の肖像が描かれ続けてきました。
メイプルリーフ金貨の1979年当時の肖像は若い頃のエリザベス2世になりますが、時を重ねるにつれて年齢を重ねたエリザベス2世の肖像に変化しています。
ただし、発行年数が若いことからアンティークコインのように希少性による価値は現在の時点では生まれにくい金貨となっています。
世界トップクラスの流通量を誇る地金型金貨であり、金投資用に購入するコインとして広く勧められている金貨です。
メイプルリーフ金貨とは? 価格を決めるポイントと購入方法をご紹介
カナダ ジョージ5世 10ドル金貨 1914年
概要 | 内容 |
発行国 | カナダ |
発行年 | 1914年 |
額面 | 10ドル |
直径 | 26.92mm |
重量 | 16.72g |
品位 | 金900/1000 |
1912年~1914年の短い期間のなかで発行されたイギリス王室のジョージ5世の肖像が描かれたカナダの金貨になります。
サトウカエデの葉が描かれたこちらの紋章は、1868年にヴィクトリア女王から授与されたカナダの国章です。
4つに分かれた紋章はカナダを構成する4つの州を表しています。
発行年数が短いことからカナダの金貨のなかでも希少性の高いコインとなっています。
ジョージ5世のアンティークコインを知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ジョージ5世の人気コインを4つ紹介! 生い立ちと歴史についても解説
カナダ エリザベス2世 ジャック・カルティエ 1984年
概要 | 内容 |
発行国 | カナダ |
発行年 | 1984年 |
額面 | 100ドル |
直径 | 27mm |
重量 | 16.965g |
品位 | 金916/1000 |
ジャック・カルティエは、フランスのブルターニュ地方出身の探検家であり、初めてカナダに上陸して命名した人物です。
ジャック・カルティエの上陸から450周年を記念して作られた金貨がジャック・カルティエの肖像とエリザベス2世の肖像を描いたこちらの記念コインになります。
発行年は新しいですが、カナダに関わる人物の肖像が精巧に描かれており、記念コインであることから希少性と需要が高い金貨です。
エリザベス2世のアンティークコインについて知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
エリザベス2世の記念コインを5つ紹介! 誕生から60年以上に渡る治世について
カナダのアンティークコイン~おすすめ銀貨を紹介~
次に、カナダのおすすめ銀貨を紹介します。
- カナダ エリザベス2世 1ドル銀貨 1966年
- カナダ ジョージ6世 1ドル銀貨 1948年
- カナダ ヴィクトリア 5セント銀貨 1858年
- カナダ エリザベス2世 ローリンググリズリー 125ドル銀貨 2016年
カナダ エリザベス2世 1ドル銀貨 1966年
概要 | 内容 |
発行国 | イギリス |
発行年 | 1966年 |
額面 | 1ドル |
グレード | MS64 |
直径 | 36mm |
重量 | 23g |
枚数 | 9,912,178枚(485枚) |
品位 | 銀800/1000 |
カナダで発行されたエリザベス2世の1ドル銀貨であり、カナダの首都のオタワで鋳造されており、メイプルリーフ金貨を製造している造幣局です。
カナダで初めて通貨が発行したのは1908年のオタワ造幣局であり、それまではイギリスのバーミンガムにあるヒートン造幣局で発行されてきました。
こちらの銀貨は冒険航海者シリーズと呼ばれ、ジョージ5世の時代から各君主の肖像とともに描かれてきたデザインです。
発行枚数は9,912,178枚となっているので、通常の銀貨にはほとんど希少性がありません。
ただし、こちらの銀貨はふちを飾るビーズが小さいタイプであり、こちらの銀貨は485枚しか発行されていないので高い希少性を持っています。
カナダの1ドル銀貨についてはこちらの記事で紹介しています。
カナダの1ドル銀貨とは? イギリス王室の君主の肖像が描かれる希少なコインを紹介
カナダ ジョージ6世 1ドル銀貨 1948年
概要 | 内容 |
発行 | カナダ |
発行年 | 1948年 |
額面 | 1ドル |
直径 | 36mm |
発行枚数 | 18,780枚 |
グレード | MS63 |
状態 | UNC |
エリザベス2世の父であるジョージ6世の肖像が描かれた1ドル銀貨であり、上記で紹介したエリザベス2世の銀貨と同様に特殊な価値を持ちます。
1948年のジョージ6世の1ドル銀貨は、他の年と比較して発行枚数が少なく、枚数が限られていることから希少性の高いコインです。
ジョージ6世のアンティークコインはこちらの記事で紹介しています。
ジョージ6世のおすすめコイン4選! その歴史を5つの章に分けて解説
カナダ ヴィクトリア 5セント銀貨 1858年
概要 | 内容 |
発行国 | カナダ |
発行年 | 1858年 |
額面 | 5セント |
直径 | 15.5mm |
重量 | 1.16g |
品位 | 銀925/1000 |
ヴィクトリア女王の時代に発行されていた1858年~1901年まで発行されていた5セントの銀貨になります。
表面にはヴィクトリア女王の左向き肖像、裏面には2つのカエデの葉に囲まれた発行年と額面の文字に王冠が描かれています。
基本的には流通用銀貨であるため発行枚数も多く、使用されている状態にあるので高値で取引されることはありませんが、未使用に近い状態であれば高値で取引されることもある銀貨です。
世界で一番美しいコインとも呼ばれるウナとライオンでも知られるヴィクトリア女王の人気の高さをうかがい知れます。
ヴィクトリア女王のおすすめ金貨・銀貨7選 ウナとライオンを含むコインを紹介
カナダ エリザベス2世 ローリンググリズリー 125ドル銀貨 2016年
概要 | 内容 |
発行国 | カナダ |
発行年 | 2016年 |
額面 | 125ドル |
直径 | 85mm |
重量 | 500g |
品位 | 銀999/1000 |
グリズリーベアーはカナダを象徴する動物であり、多くの熊が生息していることから、熊が描かれた記念コインが多数発行されています。
こちらの銀貨もグリズリーベアーとエリザベス2世の肖像が描かれた大型の銀貨になります。
動物が描かれた銀貨は、コイン収集家の収集対象となることも多く、グリズリーベアーが描かれた銀貨は人気も高いです。
カナダのアンティークコインに関するよくある質問
カナダのアンティークコインに関するよくある質問をまとめました。
- カナダのアンティークコインを購入する方法は?
- カナダの金貨・銀貨の売却方法は?
それぞれ詳しく解説します。
カナダのアンティークコインを購入する方法は?
カナダのアンティークコインは、イギリス王室シリーズの延長として集められることも多く、航海者やグリズリーなどのシリーズで集めている方でなければ意識して集めている方は少ないかもしれません。
購入におすすめな方法は、幅広い種類のコインを取り扱っている信頼できるコイン専門店を利用することです。
素性の分からない個人が出品できるオークションサイトは、贋作や相場とはかけ離れた価格での出品もあるので推奨しません。
カナダの金貨・銀貨の売却方法は?
カナダの金貨・銀貨を売却できる場所には、コイン専門店の「コインライブラリー・プリンシパル」があります。
当サイトはカナダのコインに限らず、イギリス王室シリーズのコインをはじめ、世界中のコインの買取を受け付けています。
詳しくはこちらのページからお問い合わせください。
まとめ
カナダのおすすめの金貨・銀貨を紹介しましたが、イギリス王室シリーズのコインが好きな方であれば興味を持ちやすい内容だったといえるでしょう。
メイプルリーフやグリズリーなど、カナダを象徴するデザインのコインも存在しますので、お気に入りのコインを探すことをおすすめします。
イギリス王室シリーズのコインについてはこちらの記事で紹介しています。