エリザベス2世の肖像画描かれたエリザベスコインは、1952年から2022年の長い在位期間に数多く発行されてきました。
崩御されたことをきっかけに、今後新たに発行されるエリザベスコインは減少することが予測されており、今持っているエリザベスコインも家宝と呼べるほど長期的に価値が上昇するかもしれません。
しかし、種類も幅広く、記念コインに限らず、イギリス以外の投資用コインの図柄として採用されているため、それぞれのコインの価値も異なります。
この記事では、エリザベスコインの価値と代表的なコインの種類について紹介します。
エリザベスコインの価値について
画像引用:https://www.royal.uk/the-queens-life-and-reign
概要 | 内容 |
配偶者 | エディンバラ公爵フィリップ |
王朝 | ウィンザー朝 |
家名 | ウィンザー家 |
子供 | チャールズ |
アン | |
アンドルー | |
エドワード |
エリザベス2世は、先代のジョージ6世の長女であり、25歳という若さで即位した女王です。
即位した年が非常に若く、96歳まで女王であり続けたことから、イギリスの君主のなかでも歴代最高の在位期間となります。
イギリスを象徴する女王、エリザベス2世が描かれたコインの価値について詳しく見ていきましょう。
- 長い歴史のなかで数多く発行されている
- 崩御による影響
- ネックレスやペンダントへの加工も
エリザベス2世について詳しく知りたい方はこちらの記事で紹介しています。
エリザベス2世の記念コインを5つ紹介! 誕生から60年以上に渡る治世について
長い歴史のなかで数多く発行されている
70年という在位期間の中で、エリザベス2世に敬意を表し、さまざまな記念コインや投資用コインが発行されてきました。
5ポンド金貨をはじめ、さまざまな記念で発行された5ポンド金貨は、アンティークコイン収集家の間で1つのテーマになるほどの種類が発行されています。
さらに、イギリスのブリタニア銀貨だけでなく、イギリスと関係が深いカナダとオーストラリアでは投資用のコインにエリザベス2世の肖像が描かれています。
このような背景からエリザベス2世の肖像が描かれたエリザベスコインの数はイギリス国内に限っても非常に多く、加えてイギリスを問わず多国籍に渡って発行されているのです。
特にカナダのメイプルリーフ金貨は投資用コインとして最も信用力と知名度を有しているので、金貨を通して金投資を行っている投資家の間でもエリザベスコインが広く流通しています。
崩御による影響
長い在位期間の中で数多くのコインが発行されたエリザベス2世ですが、今後は新たに発行されるコインの種類が少なくなると予想されています。
2022年にエリザベス2世が崩御された影響で、記念コイン・投資用コインはどちらも新国王の肖像が描かれたコインに移行することが予測されるからです。
ただし、エリザベス2世はイギリスに限らず人気が高く、女王の肖像を変えることは考えられないと発行元が判断すれば、崩御してからもエリザベス2世の肖像が描かれる可能性はあります。
マリアテレジアの1ターレル銀貨は、経済的な理由で200年以上の期間、すでに崩御しているにもかかわらず使用され続け、新たに発行された例もあるので、崩御した君主のコインがさまざまな理由でそのまま発行を続けられることはあり得ない話ではありません。
しかし、ほとんどの場合は新国王に移行し、崩御してから時が経つほど新たなエリザベスコインの発行枚数が減少すると予測できるので、今後新たに発行されることはなくなっていきます。
マリアテレジアの1ターレル銀貨について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
マリアテレジアの1ターレル銀貨が200年以上使用された理由とは?
ネックレスやペンダントへの加工も
エリザベスコインのように人気のコインはネックレスやペンダントへの加工もされています。
現在の時点で、発行枚数が多く希少性は認められない人気のコインは、アクセサリーに加工して販売されることもあります。
エリザベスコインは数が多く、価値もそれぞれ異なるので、希少性が低く入手しやすいコインを中心に加工されて販売されているのです。
ただし、アクセサリーに加工されたコインは純粋なコインではなくなります。
発行枚数は多くても崩御の影響で今後は発行されなくなるので、アクセサリーへの加工で純粋なコインが無くなり、無加工のコインの価値が高まる予測もあります。
エリザベスコインの記念コインの価値
エリザベスコインの代表的な記念コインを紹介し、その価値について解説します。
- エリザベス2世 5ポンド金貨
- エリザベス2世 ハーフクラウン
- エリザベス2世 5ポンド金貨 ダイアナ妃追悼記念
- エリザベス2世 1000ポンド金貨
エリザベス2世 5ポンド金貨
概要 | 内容 |
発行国 | イギリス |
発行年 | 1982年 |
額面 | 5ポンド |
直径 | 36.02mm |
重量 | 39.94g |
品位 | 金917/1000 |
状態 | Proof FDC |
エリザベスコインのなかでも代表的なコインがこちらの5ポンド金貨であり、1950年代当時の若き日のエリザベス2世の肖像が描かれています。
こちらの金貨を中心に、エリザベス2世のさまざまな年代の肖像が描かれた記念コインが発行されてきました。
図柄はエリザベス2世のヤングタイプの右向き肖像と裏面には聖ジョージの竜退治のデザインが描かれています。
記念コインの中でも知名度の高い金貨であり、5ポンド金貨だけでも種類が多いことから、アンティークコイン収集の代表的なテーマとして知られています。
価値に関しては、通常の5ポンド金貨は発行枚数が多過ぎるため、現在の時点で価値を持つのではなく時代に受け継ぐことで価値の上昇が期待できるコインといえるでしょう。
エリザベス2世の5ポンド金貨について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
エリザベス2世の5ポンド金貨おすすめ10選!希少性のあるコインを紹介
エリザベス2世 ハーフクラウン
概要 | 内容 |
発行国 | イギリス |
発行年 | 1953年 |
額面 | ハーフクラウン |
直径 | 32mm |
重量 | 14g |
エリザベスコインであれば、戴冠式を挙げてからすぐに発行されたこちらのコインも知名度は高いです。
月桂冠を被った若き日のエリザベス2世の肖像と王冠を戴く紋章を描いた盾が描かれています。
ハーフクラウンは銀貨で発行されてきましたが、この時代の銀貨はすべて白銅貨であるため、正確には銀貨とは呼べません。
また1953年製のこちらの銀貨の特徴として「BRITT OMN」という銘字が1954~1970年に発行されたコインに関しては削除されています。
貴金属としての価値はほとんどありませんが、エリザベスコインの原点ともいえるコインであるため、代表的なコインとして外すことはできません。
エリザベス2世 5ポンド金貨 ダイアナ妃追悼記念
概要 | 内容 |
発行国 | イギリス |
発行年 | 1999年 |
額面 | 5ポンド |
直径 | 38mm |
発行枚数 | 7,500枚 |
状態 | Proof FDC |
1997年に逝去されたダイアナ妃とエリザベス2世の肖像が描かれた記念コインになります。
ダイアナ妃はイギリス王室の中でもファンが多い人物ですが、描かれたコインが少なく、7,500枚しか発行されていないことから一定の希少性のある金貨です。
エリザベスコインというよりダイアナ妃のコインとして知られるこちらの金貨ですが、コイン専門店で入荷しても人気が非常に高く、入荷してもすぐに売り切れてしまうことも多い商品となっています。
こちらは人気が非常に高く、一定の希少性を持つことから、時とともにより希少性が高まることが期待されるため、価値の上昇が期待できるコインといえるでしょう。
ダイアナの3つの人気金貨をご紹介! 生い立ちからその生涯も解説します!
エリザベス2世 1000ポンド金貨
概要 | 内容 |
発行国 | イギリス |
発行年 | 2008年 |
額面 | 1000ポンド |
直径 | 100mm |
重量 | 1,091g |
発行枚数 | 34枚 |
状態 | Proof FDC |
イギリスのロイヤルミントがアルダーニーで、コンコルド誕生40周年を記念し、34枚だけ作られた大型金貨です。
コンコルドはイギリスとフランスが共同開発した旅客機であり、金貨の裏側に描かれています。
総重量は1,000gを超え、純金の重量が1,000gであるため、2022年11月17日時点の概算地金価格は867万7,000円になります。
地金価格のみを考慮した買取価格でも高額ですが、34枚しか発行されていないという希少性も認められるため、大変価値があり資産防衛にも適したエリザベスコインといえるでしょう。
エリザベスコインの投資用コインの価値
次は、イギリスだけでなく世界中で発行されている投資用コインを紹介します。
- ブリタニア銀貨(イギリス)
- メイプルリーフ金貨(カナダ)
- カンガルー金貨(オーストラリア)
- キャット金貨(マン島)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ブリタニア銀貨(イギリス)
ブリタニア銀貨はイギリスの投資用コインであり、銀貨だけでなく、金貨やプラチナコインも発行されている投資用コインとして知名度も信頼もあります。
ブリタニアはイギリスを擬人化した女神であり、1997年に発行を開始して以来、ブリタニアのデザインもエリザベス2世のデザインも変化してきました。
エリザベス2世の在位中に発行が開始された投資用コインであるため、新国王へのデザイン移行も初めてのことになりますが、移行することは間違いないと考えられます。
ブリタニア銀貨は投資用コインであるものの、図柄が変わる性質からコレクション対象になっているので、エリザベス2世の図柄が発行されなくなることで、ブリタニアの図柄でレア度が高い銀貨は数十年の時を経ればさらに希少性を増すかもしれません。
メイプルリーフ金貨(カナダ)
メイプルリーフ金貨は、イギリス連邦の加盟国であるカナダが発行する投資用金貨で、投資用コインのなかでも信頼性が高く、多くの人が取引しています。
カナダを象徴するサトウカエデのデザインと裏面にイギリスの君主であるエリザベス2世が描かれているのが特徴です。
こちらも1979年から毎年発行されているものであるため、君主の交代を経験したことがないコインであることから、カナダ王立造幣局の対応によって裏面の図柄が決まることになるでしょう。
しかし、デザインが変更される場合もされない場合もメイプルリーフ金貨は地金としての価値以外が認められにくい発行枚数の多いコインであることから、価値に対する影響はほとんどないと考えられます。
カナダの金貨について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
カンガルー金貨(オーストラリア)
画像引用:https://www.mmc.co.jp/corporate/ja/news/press/2021/21-1124.html
カンガルー金貨は、イギリス連邦の加盟国であるオーストラリアで発行されている投資用金貨です。
年度ごとにカンガルーの図柄が変わることから投資用としてだけでなく、コレクター人気の高い金貨としても知られています。
コレクション要素もある投資用金貨であることから、王立オーストラリア造幣局がエリザベス2世の図柄を変更するかどうかで、現在ある金貨の将来的な希少価値が変わってくるかもしれません。
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キャット金貨(マン島)
マン島は、イギリス王室の君主が所有権を持つ自治島であり、エリザベス2世の在位時には女王が所有者となっていた島になります。
このマン島で発行されている投資用金貨がマン島キャット金貨であり、人気の動物である猫が描かれていたことから高い人気を博しました。
エリザベスコインのなかでもアクセサリーへの加工が多いのもこちらの金貨であり、需要の大きさから通常のコインが少なくなっており希少性が増している状態です。
マン島キャット金貨はすでに発行が終了しているので、国王が変わっても影響はありませんが、発行が再開されたとしても将来の国王の図柄が描かれることになると考えられるので、エリザベス2世の図柄が描かれたキャット金貨の希少性は時とともに増していくことでしょう。
エリザベスコインの価値に関するよくある質問
エリザベスコインの価値に関するよくある質問をまとめました。
- エリザベスコインの価値は上がる?
- エリザベスコインを購入・売却する方法は?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
エリザベスコインの価値は上がる?
エリザベスコインは、今後新たに発行される枚数も少なくなると予想されるので、一部のコインの価値は長期的に上昇すると予測されます。
価値が上がりやすいのは、需要と希少性がある記念コインが中心となりますが、投資用コインでも一部のエリザベスコインは枚数が少なくなるなどの影響で希少性が見出されるかもしれません。
ただし、すぐに価値が上昇するコインは少なく、ほとんどのコインは数十年程度の期間を経て緩やかに上昇すると考えられます。
エリザベスコインを購入・売却する方法は?
過去に発行されたエリザベスコインは、コイン専門店から購入・売却が可能です。
エリザベスコインを取り扱っているコイン専門店には、「コインライブラリー・プリンシパル」があります。
イギリス王室のコインを中心にイギリスのコインを取り扱っており、イギリスだけでなく世界中から幅広くアンティークコインを入荷しています。
コインの買取もご相談可能であるため、エリザベスコインをお持ちの方はこちらのページからお問い合わせお願いします。
まとめ
イギリスでは歴代の君主の肖像を描いたコインを発行してきましたが、エリザベス2世は歴代最長の在位期間であることから、発行されたコインの種類も非常に多いため、その価値はコインによっても異なります。
アンティークコイン収集家からも人気が高く、収集テーマの一つになっているエリザベスコインですが、その価値を正しく理解することで資産形成に役立てることも可能です。
アンティークコイン投資について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。