資産運用は余剰資金があれば始めるべきであり、その額が1,000万円であっても、100万円であっても、10万円であっても資金があれば投資先を検討しましょう。
10万円の資金を投資する場合は、追加投資も含めて長期で手堅く増やす方法と、リスクを背負っても短期で数倍以上に増やす方法の2種類に分けられます。
後者は放置での運用が不可能であり、安定して利益を出すためには投資の勉強が不可欠であるため、10万円から資金を運用する場合でも前者の長期向けの方法がおすすめです。
この記事では、10万円から始められる資産運用の種類を解説し、おすすめの投資方法について紹介した上で、始める方法と注意点について解説します。
10万円から始められる資産運用の方法(長期向け)
10万円から始められる資産運用なかで長期投資を前提とした資産運用を紹介していきます。
短期的に莫大なリターンが得られるわけではありませんが、初心者向けで実践やすい投資方法が中心です。
- 個人向け国債
- 投資信託
- REIT(不動産投資)
- 金投資
- アンティークコイン投資
それぞれ詳しく見ていきましょう。
個人向け国債
債券は投資額が高く、10万円で投資できる債券の種類は多くありませんが、個人向け国債であれば1万円から投資可能です。
国が価値を保証する国債は、信頼性が高く、半年に一度利息収入を受け取ることが可能で、満期時には元本が返還されます。
初心者でも少額から最小限にリスクを抑えて運用する方法といえるでしょう。
ただし、固定金利の利率が0.1%未満であり、10万円を投資したとしても年間の利益は100円に満たない計算になります。
定期預金より利率が高いことは間違いありませんが、10万円から長期で資産を増やす方法としてはあまりにもリターンが低すぎることから適していません。
投資信託
投資信託は、近年の投資額の少額化競争が進んだ影響から100円で投資できるだけでなく、選ぶ証券会社によっては獲得できるポイントなどを投資して実質的に元本がない状態で運用できるようになりました。
投資信託を購入するとプロの投資家の運用成果を投資額に基づいて収益を分配する仕組みを取っているので、少額かつ投資初心者でも始めやすい投資方法です。
投資信託にはさまざまな種類がありますが、なかでも日経平均やS&P500に連動する株式の代表的な指数に連動する投資信託は、長期的には株価の成長が期待できることから人気の商品となっています。
ただし、リーマンショックやコロナショックなどで市場全体が暴落しているときは、投資信託の運用も上手くいかず、資産が大きく減少する可能性があります。
プロが運用する投資商品は損失が出ないリスクのないというわけではないので、市場の状況によっては短期的であっても大損するリスクがあることを理解しておきましょう。
REIT(不動産投資信託)
不動産投資は、近年では頭金を出さずにローンにおいては元本0円から始める方法がありますが、諸費用などを含めると現実的に10万円から始めることは難しいです。
不動産に10万円から投資を始める方法には、REIT(不動産投資信託)があり、銘柄によっては1万円程度から購入可能です。
REITは複数の不動産に分散して投資する方法であり、不動産で得られる賃料収入の代わりに分配金という形でインカムゲインが得られます。
REITは、実際に不動産投資を始めるよりも手間がかかりにくく、少額から始められることから初心者向けです。
ただし、REITには基準価額があり、これが下がると保有しているREITの価値が減少し、分配金以上に損失が膨らむことがあります。
REITの対象となる不動産や、運営している企業の将来性を計らなければ、分配金は出てもREIT自体の価値が年々減っていく場合や、分配金自体が減少していく可能性もあるので注意が必要です。
金投資
金投資は、純金積立という形式の投資方法では毎月1,000円から積立投資を実践可能です。
ただし、純金積立の場合は現物の金を保有するわけではないので、現物の金を保有するやり方を取るならインゴットや、延べ棒、金貨などに換えて購入します。
価格は毎日発表される金価格に依存しますが、金の大きさによっては10万円以内で購入可能です。
埋蔵量が決まっているという希少性と一定の需要があることから、価値がなくなることが考えにくい安全資産といわれていますが、購入のタイミングによっては必ずしも安全とはいえません。
なぜなら、安全資産という認識が投資家間で広がり過ぎて、リスク資産といわれる株式が暴落したときの資金の流入先が金となっているからです。
投資家が必要以上に金を購入することで、金価格が実際の価値にそぐわないほど高騰してしまい、事態の収拾がついた際に暴落するリスクがあります。
つまり、金価格が上昇しているから金を購入するという思考は危険になる場合があり、特に投資初心者にはリスクもある投資先となっています。
金は長期的には物価の上昇によって、価値が上昇していくことが期待されますが、右肩上がりの上昇を期待するなら購入のタイミングが重要です。
金への投資について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アンティークコイン投資
アンティークコイン投資は、近年、一部の投資家から注目を集めている投資方法であり、株式や金などが影響を受けやすい金融市場の影響を受けにくい投資対象として知られています。
アンティークコインは一般的に100年以上前に発行された貨幣やメダルのことを指し、希少性が高く、減ることはあっても増えることはない性質を持ち、世界中にコレクターが存在するという需要があることから長期的に価格の上昇が期待できる性質を持っています。
この性質は10年以上の運用期間を前提とした長期の資産運用に利用できることから、日本ではまだ一般的な投資先ではありませんが、欧米を中心に魅力的な投資先として認知が進んでいるのです。
また、安定して右肩上がりに成長する性質があることから、イギリスの希少価値の高いアンティークコイン200種類を集めた指数のGB 200 Rare Coin Indexが株式、不動産の成長率を上回ったというデータもあります。
アンティークコインの購入価格は10万円を超すものも多いですが、10万円以内で価値の上昇が期待できるコインを購入することも可能です。
始める際には注意点などもあり、こちらに関しては後ほど詳しく解説していきますが、アンティークコイン投資は10万円から始める長期向けの資産運用として魅力的な投資先となっています。
アンティークコイン投資について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アンティークコイン投資とは? 3つのメリット・デメリットを解説
10万円から始められる資産運用の方法(短期向け)
10万円を短期で50万円や100万円にしたいと考える方は、短期向けの資産運用を実践する必要があります。
しかし、投資は期待できるリターンに比例してリスクも高まるので、投資初心者の方は実践する前にリスクを理解しておきましょう。
- 株式投資
- FX(外国為替証拠金取引)
- 仮想通貨
株式投資
株式は企業が発行する株券のことで、配当収入や、優待などの長期保有でもリターンが得られる投資対象ですが、短期的に利益を出す方法も充実していることから、さまざまなスタイルが取りやすい投資です。
10万円の元手で約3.3倍までの資金を動かせる信用取引や、銘柄によっては価格変動が激しいことから現物取引でも収益を得ることは難しくありません。
10万円の投資であっても銘柄によっては1日で1万円以上の利益が出る可能性もあることから短期で資金を増やしていくことができる投資方法になります。
ただし、反対に1日で1万円以上損失が発生するリスクや、損失が発生したタイミングで売却できなければ10万円が5万円以下に半減するリスクもあるため、短期での運用にはリスクが伴います。
投資初心者の方は、利益確定や損切のタイミングが分からないことから大損してしまう可能性もあり、知識が少なく銘柄分析をしていない状況であれば場当たり的なギャンブルになってしまうかもしれません。
株式投資は投資スタイルによってリターンとリスクが変化する投資方法であり、10万円から始める場合は配当や優待を期待して投資する企業が限られることから、短期的にリターンを期待する投資になりやすいです。
FX(外国為替証拠金取引)
FX(外国為替証拠金取引)は2つの通貨の為替を利用して利益を得る方法であり、株式よりも大きい10万円の元手で最大250万円(25倍)の資金を動かせることから少額でも元手を2倍や、10倍に増やすことが可能な投資方法です。
FXは売りからでも取引ができることから、価格が下がる局面でも利益を得ることができます。
価格が上がると予測するなら買いポジション、下がると思うなら売りポジションを取ることでどのような相場であっても理論上は利益を得られます。
しかし、知識のない状態では2択のギャンブルになりやすく、通貨の価格変動を読むためには金融・経済に関する知識を深く理解することが必要不可欠です。
また、通貨間の価格変動は必ずしも長期的には1つの方向に進んでいくという保証はなく、他の投資対象と比較して長期的に投資するメリットは薄くなります。
このような性質から基本的には短期、長くても中期での投資に限定され、長期での投資が難しいことから初心者向けとは言い難いです。
仮想通貨
仮想通貨は、インターネット上で使用できる通貨であり、ブロックチェーンという資産を保全する技術に対して将来性を期待されており、価格が10倍、100倍になった事例もあることから投資する人が増えています。
価格の変動幅が大きいことから短期での売買も可能ですが、中長期を意識して投資する人もいます。
しかし、仮想通貨は価値に対する説得力が他の投資対象と比較してあいまいであることから、1つのニュースで暴騰・暴落する可能性もあるので注意が必要です。
そして、ビットコインのような知名度が高く取引量も多い通貨がすぐに無価値になるとはいえませんが、仮想通貨のなかでも草コインと呼ばれる知名度も取引量も低い通貨は突然無価値になる可能性が高いといえます。
つまり、10万円の投資先に仮想通貨を選び、その通貨が無価値になれば10万円を失ってしまうリスクがあるということです。
短期でも利益を得やすく、中期では莫大なリターンになる可能性もありますが、歴史が浅く長期的に保有された実例がないことから投資期間に関わらずハイリスクであるといえます。
初心者が10万円を投資するなら長期の資産運用がおすすめの理由
10万円から始められる資産運用を長期向けと短期向けに分けて解説しましたが、初心者が10万円を投資するなら長期向けの資産運用がおすすめです。
その理由は以下の3つが挙げられます。
- 少額からでも手堅く資金を増やせる
- 放置で運用することも可能
- 短期の場合はギャンブルになりやすい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
少額からでも手堅く資金を増やせる
10万円から資産運用をする場合でも資金を手堅く増やすことができます。
仮に年間平均8%の利回りで40年間、10万円を運用したときの資産の推移は下記の通りです。
年度 | 資産 |
1年目 | 10万8,000円 |
2年目 | 11万6,640円 |
3年目 | 12万5,971円 |
4年目 | 13万6,048円 |
5年目 | 14万6,931円 |
7年目 | 17万1,379円 |
10年目 | 21万5,887円 |
12年目 | 25万1,809円 |
15年目 | 31万7,205円 |
20年目 | 46万6,075円 |
25年目 | 68万4,815円 |
30年目 | 100万6,216円 |
35年目 | 147万8,460円 |
40年目 | 217万2,339円 |
10万円から資金を増やすのに必要なのは時間であり、40年の時間をかければ資産を20倍に増やすことも可能です。
そして、資産運用の効果をさらに引き上げるなら追加投資も重要です。
今は、約10万円しか余剰資金がなくても、再び余剰資金が発生したタイミングで追加投資すればさらなる利益が期待できます。
10年目で自分で投資した額が50万円、20年目で投資額が100万円になれば40年後の利益も変わってくるでしょう。
放置で運用することも可能
長期向けの投資では、購入・売却などの意思表示をするタイミング以外では放置して運用することができます。
つまり、投資に時間を取られずに本業や、プライベートに専念できるということです。
資産運用のために日常的に時間を作る必要はないため、気軽に始めやすいです。
短期の場合は、日常的に相場やニュースについて確認する時間や、実際に取引する時間がかかるため、利益を上げられたとしても、資産運用に時間を取られることは理解しておく必要があります。
短期の場合はギャンブルになりやすい
投資初心者が、短期目的で資産運用を行うとその内容はギャンブルになりやすいです。
振り返ってみればそのやり方ではリスクが大きく、利益が得られる根拠も薄いのにも関わらず、結果的には収益があげられることも投資にはあります。
しかし、このようなやり方で成果が挙げられたとしてもそれは運が良かっただけです。
2回目、3回目と回数を繰り返していくうちに損をしてしまうリスクは上がっていくためギャンブルのような状態です。
しかし、資金を用意する関係でどうしても短期向けの方法に興味がある場合は、資産運用は初めは長期向けの方法から始めて、投資について勉強をしてから短期向けの方法を始めた方が上手くいきやすくなります。
知識の少なさから投資だと考えて投機や、ギャンブルをすることのないように気をつけましょう。
世界中の投資家が評価するアンティークコイン投資を10万円から始める方法
それでは、長期向けの資産運用で最もおすすめであるアンティークコイン投資を10万円から始める方法を紹介します。
- 10万円以下の値上がりが期待できるコインを探す
- 積立形式で高額のコインを購入する
アンティークコイン投資と従来の資産運用の比較についてはこちらの記事をチェックしてください。
10万円以下の値上がりが期待できるコインを探す
アンティークコインは価格が大きいほど希少性が高く、将来的な値上がりが期待しやすいですが、10万円以下であっても値上がりが期待できるコインもあります。
このようなコインを厳選して投資することで、将来的に高いリターンを期待しやすいです。
値上がりが期待されるコインは、希少性(発行枚数または現存枚数)・状態(グレード)・人気(需要)の3つの基準において高い水準を持っているコインが値上がりしやすく、長期的な保有で高い利益になることが予想されます。
アンティークコインの投資用コインの選び方について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アンティークコイン投資入門 グレード・希少性・人気などの選び方を解説
積立形式で高額のコインを購入する
欲しいアンティークコインがあっても、現在の時点ではお金が用意できないという場合でも積立形式で高額コインを販売する専門店もあります。
今は10万円しか用意できない場合でも将来的に資金を用意する前提で、100万円以上の高額コインを購入するのも1つの選択肢です。
こちらの購入方法であれば、資金の少なさで選択肢が狭まる問題を解決できます。
アンティークコイン投資では、資産が大きい方が選択肢は増えやすく有利な側面はありますが、少額の資金であっても高額コインを購入することもできるので、少額投資にも適しています。
少額からできる資産運用について詳しく知りたい方はこちらの記事もチェックしてください。
少額からできる初心者向けの資産運用【アンティークコイン投資を少額から始める】
アンティークコイン投資を10万円から始める際の注意点
一方で、アンティークコイン投資を始めるにあたって注意すべき点も2つあります。
- コイン選びが難しいので購入先を吟味する
- 将来的には複数のコインの保有も検討する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
コイン選びが難しいので購入先を吟味する
アンティークコイン投資は、投資額が少ないほど値上がりが期待できるコインを選ぶハードルが高くなります。
よって、初心者が選んでも実際に値上がりが期待できるコインを選択するのは難しいといえるでしょう。
投資に適したコインを選ぶ助言をしてくれる購入先を選んで投資を実践することが重要です。
アンティークコインの購入先は、アンティークコイン投資に精通した専門店を選ぶのがよいでしょう。
将来的には複数のコインの保有も検討する
10万円からの投資では、値上がりが期待できるコインを選べたとしても、確実に値上がりするとは限らないので、資金が貯まったらもう何種類かコインを購入しておくとより確実な価値の上昇が期待できます。
資産運用における分散の考え方であり、投資先を分散させることでリスクも分散させます。
アンティークコインの利益はコインの種類によって変わってきますが、最終的な利益は売却したタイミングでしか分からないので、積立ではなく今ある資金のなかでコインを選ぶなら複数コインを保有することも検討してください。
資産運用を10万円から始める人が読みたいFAQ
最後に、資産運用を10万円から始める人が読みたいFAQをまとめました。
- 少額投資に意味はないという意見もありますが本当でしょうか?
- アンティークコイン投資を10万円から始められる専門店を教えてください
それぞれ詳しく解説します。
少額投資に意味はないという意見もありますが本当でしょうか?
10万円を運用して年間10%の利益が得られたとしても1万円、しかし、1億円を運用すれば年間10%の利益でも1,000万円になります。
これが5%になっても、3%になっても、1%以下であっても大きな資産を運用することで得られる利益の大きさは少額で運用する場合と比較すると比べ物にならないため、長期を前提とした少額投資に意味はないという意見もでてきます。
しかし、資金が2倍や10倍になる可能性があるからといって、短期向けのギャンブルのようなやり方で投資をするなら資金が半減するリスクを背負いながら、次の投資に繋がらないのでこちらこそ意味がないといえるでしょう。
長期であれば少額投資でも確実に資産を増やしていけるので意味はあります。
貯蓄や節約を意識して投資に利用できる資金を増やしつつも、現在持っている10万円を長期的に増やす努力をできる限り早く始めれば、今は少額であってもいずれは大きな資産にすることが可能です。
アンティークコイン投資を10万円から始められる専門店を教えてください
アンティークコイン投資を10万円から始めるならコイン選びが難しいことから信頼できる専門店を探すことが重要です。
アンティークコイン投資に特化したコイン専門店には「コインライブラリー・プリンシパル」があり、100万円以上のコインだけでなく、10万円以下から購入できるコインも販売しています。
コインの真贋を万が一にも贋作であった場合は永久買戻しをする形で保証し、相場に沿った価格でコインを提供しているので、個人でコインを購入する際にコインを割高で購入してしまう心配もありません。
また、コインの販売だけでなく、買取も実施しているため、投資における売却手段を確保することも可能です。
10万円からアンティークコイン投資を検討するなら、アンティークコインだけでなく資産運用全般に知識を持つスタッフが在籍する当サイトにこちらのページからお気軽にお問い合わせください。
まとめ
10万円から始められる資産運用を紹介しましたが、少額の場合も基本的には長期向けの資産運用から選びたいところです。
そのなかでも、アンティークコイン投資は金融市場が混乱する局面も強く、長期的な保有で高いリターンが期待しやすくなる性質が資産運用に適しています。
10万円以下のコインを探すか、積立形式で10万円以上の高額コインを購入するかお好きな方法でアンティークコイン投資を実践してみましょう。
資産運用に関するリンクまとめ