【CLPアンケート調査(2022年12月)】社員の資産運用に関する意識及び実態調査報告 ~全文の紹介と炙り出された論点

社員の資産運用に関する意識及び実態調査報告の全文紹介

ライフマネーラボの運営母体である株式会社クレア・ライフ・パートナーズ(以下“CLP”)は、金融教育や資産形成並びに資産運用に関する意識及び実態を明らかにすることを目的として、2022年12月に全国の一般企業・団体の20代から50代の男女の正規社員・正規職員を対象としインターネットによるアンケート調査を実施し、1,111名から有効な回答を得ました。

この度、CLPは株式会社マクロミル社の協力を得て、アンケート結果の集計及分析を行い、報告書として纏め公表いたしました。

以下リンクより報告書全文をご覧いただけます。

資産運用に関する意識及び実態調査報告

主要アンケート結果の要約

ライフスタイル P21,22

・8割弱の者が“のんびりした”生活を送りたいと回答
・資産運用経験者ほど“挑戦”意向や意欲が高い

生活の変化・将来展望 P23,24

・生活実感は厳しく、今年の景況感についても厳しい見通し
・生活実感の厳しさが資産形成への興味醸成に繋がっている様子が伺える

現在の生活満足度 P25,26

・「住居や居住環境」「自身の健康状態」については満足している者は4割程度と相対的に満足度が高くなっている
・「自身の現在の所得・収入」「家計(収入と支出のバランス)」「保有している資産(貯蓄、投資、不動産等)」については、不満を感じている者が多く、特に、「自身の現在の所得・収入」では約半数不満であると回答
・現在の生活総合満足度は5割だが、年収や資産、金融リテラシーとの相関が強い

人生設計の明確度 P28

・将来の人生設計を考えている者は6割弱で、現在の生活満足度と同様に、年収や資産、金融リテラシーとの相関が強い

将来についての不安 P29

・将来について不安を感じている者は8割を超える
・収入、老後の生活資金、家計など、お金に関する不安が上位を占める。

資産形成・資産運用への興味・関心度 P32,33

・資産形成・資産運用への興味・関心度は7割と高く、男女30・40代で相対的に高い。
・資産の“守り”への意識が高いものの、投資(定期的な収入の獲得・資産増加)への興味・関心度も高い。性年代別では女性30代で興味・関心要素が拡がりをみせている

資産形成・資産運用に興味がある理由 P35,36

・男女40代を中心として“老後の生活資金への不安”が強い理由。また、金融資産が多い層では“預金金利の低さ”を挙げる者が多い

資産形成・資産運用の実施状況 P36,37

・資産形成・資産運用を現在行っている者は4割で、高年収層、金融教育経験者、金融リテラシー自信層で高い。
・NISA/つみたてNISA・企業型DC・iDeCoなどの税制優遇制度が5割強でトップ

資産形成・資産運用の情報源 P38,39,40

・SNS、Webサイト情報、テレビ番組が上位で、男女若年層ではSNSの利用率が高い。
・役立った情報源は「SNS」「Webサイトの情報」が上位。
・今後利用したい情報源では「ファイナンシャルプランナーなど専門家のアドバイス」が「Webサイトの情報」に次いで高くなる

投資先や投資商品・サービスの重視要素 P41

・利回りの高さに加え、販売会社や運用会社の“評判の良さ”が上位。販売会社、運用会社については大手・有名であることよりも“評判の良さ”を重視

投資や運用の専門機関・専門家への相談意向 P42

・投資や運用の専門機関・専門家への相談意向は66%で、相談意向のない者は3人に1人

投資や運用の専門機関・専門家へ相談したくない理由 P43

・現在資産形成・資産運用を実施している者では“都合のよい商品・サービスを薦められそう”、資産形成・資産運用の実施経験はないが興味はある者では“相談先がよくわからない”がトップ

資産形成・資産運用方法の浸透度 P44

・魅力度、利用意向は「NISA/つみたてNISA・企業型DC・iDeCoなどの税制優遇制度」 がトップ

資産形成・資産運用方法の浸透度 P45,46,47

・個人年収や金融資産の多い層、資産形成高関与層、金融教育経験者、金融リテラシー自信層での資産形成・資産運用の特徴認知が全般的に高くなっている
・興味の割合を性年代別にみると、「NISA/つみたてNISA・企業型DC・iDeCoなどの税制優遇制度」 は女性30代以下で高くなっている(特に女性30代では5割近い)。
・個人年収800万円以上、金融資産1000万円以上で「株式投資」「投資信託」の興味度が他属性よりも高い。
・利用意向を性年代別にみると、「NISA/つみたてNISA・企業型DC・iDeCoなどの税制優遇制度」 は女性30代では5割に達している。また、「国内不動産投資」は男性20代で13%と、他属性に比べて高め。
・魅力度と同様に、個人年収800万円以上、金融資産1000万円以上で「株式投資」「投資信託」の利用意向が他属性よりも高い

投資の実施意向 P48,49,50

・半数の者に長期投資実施意向あり。
・積立投資においても、半数の者に実施意向あり
・分散投資の実施意向は45%だが、男性20代~40代では5割に達する

資産形成・資産運用についての不安・不満 P51

・リスクに加え、“資産形成・資産運用のやりかたがよくわからない”ことを挙げる者が多い(特に、女性や資産運用経験無者)

金融・投資教育の経験 P53,54

・金融・投資教育を受けたことがある者は4人に1人
・教育を受けた場所は“勤務先”が最も多い。大手金融・保険での受講率が相対的に高い

金融・投資教育の満足度 P55

・勤務先での金融・投資教育に満足している者は3人に1人に留まる

金融リテラシーの自信度 P56

・金融リテラシーに自信があると回答した者は5人に1人だが、男性若年層では4割弱と高い

望ましい金融・投資教育)P57 

・「資産運用・資産形成についての基礎的な知識を学べる」が40%と最も高く、これに「資産運用・資産形成についての具体的な運用方法を学べる」「家計管理に関する知識を学べる」が3割台で続く。特に女性30代では軒並みスコアが高くなっている

勤務先での研修・セミナー受講意向 P58,59,60,61

・NISA/つみたてNISA・企業型DC・iDeCoなどの資産形成に関する研修・セミナーの受講意向がトップ。
・以下「公的年金制度・老後資金に関する研修・セミナー」「生命保険などの具体的な投資商品に関するに関する研修・セミナー」「最新の投資手法、投資商品に関するに関するに関する研修・セミナー」「タックスマネジメントに関するに関する研修・セミナー」が4割弱で続く
・性年代別にみると、女性30代では「NISA/つみたてNISA・企業型DC・iDeCo(個人型確定拠出年金)などの資産形成に関する研修・セミナー」の受講意向が7割近い。また、男女ともに若年層ではビジネス系のセミナーの受講意向が高い(特に男性20代)

就業観 P86,87

・仕事のやりがいは肯定層が多いが、待遇・処遇については否定層の方が多く、結果、職場満足度は評価が二分している
・性年代別にみると、待遇・処遇満足度は、男性20代で36%と相対的に高い
・年収や金融資産が多くなるほど、軒並み満足度が高くなっている
・資産形成関与別にみると、現在実施者での満足度が軒並み高くなっている

炙り出された論点と関連する投稿予定記事(順次掲載予定)

ライフマネーラボでは、本報告書から読み取れる社員の資産運用に関する意識及び実態をふまえ、以下の論点について、もう少し掘り下げて考えてみようと思います。

● 2023年は「貯蓄から投資へ」を実践するフェーズ
昨年の骨太の方針で突如現れた「資産所得倍増計画」。その骨子となるものが、10年来唱え続けられている「貯蓄から投資へ」のキャッチフレーズ。
iDeCoの改革がほぼ完了し、また、2024年よりNISAの恒久化非課税枠拡大が決まり投資の器は揃ってきた今こそ、実践すべきとき。
職域での、推進策が鍵を握ることとなります。

● ”お金についての相談窓口” の企業内設置が求められています
~社員が今最も不安に思うことへ手をさしのべること、それが社員のエンゲージメントを高める。

心や体の健康に関する職域での相談窓口は、すでに大企業中心に浸透しています。
これからは、家計や資産形成に関する社員の悩みの相談窓口職域内普及が急務となっています。
新しい福利厚生制度の潮流であり、社員のエンゲージメントを高めることとなります。

● 大人の金融教育、資産形成・運用に関わる教育について
子供に対する金融教育は、既に学校教育の一環として開始されています。
一方、すでに成人している大人たちは、これまで、まともな金融教育や資産形成に関する教育を受ける機会に恵まれていません。
アンケート調査結果にあるように、社員の将来への漠然とした不安や、資産形成への不安は、その大半が、金融や資産形成に関するリテラシーの欠如や独善的な考え方に起因しています。
金融庁は、「金融教育」は国家戦略と位置づけ、「貯蓄から投資へ」を推進するための最重要課題としています。
いよいよ官民挙げて具体的推進施策がスタートします。

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