【外為_第6章】外国為替相場はどのように形成されるのか?

変動相場へ移行前の為替レート

金本位制度から金ドル本位制度へ(ブレトン・ウッズ体制)

第2次世界大戦直後の1944年、連合44カ国(国際通貨基金(IMF)加盟国)は、米国のブレトン・ウッズという場所に集まり、大戦後の国際通貨体制に関する会議を開催しました。
そこで、各国は、自国通貨の対米ドルレートを固定する取り決めを行いました。
これが、米ドルを基本通貨(基軸通貨)とする固定相場制度(会議開催地に因み、「ブレトン・ウッズ体制」と呼んでいます)の始まりです。

それ以前は、金だけが、国際的に通用する通貨とする制度(金本位制度)でしたが、以後は1米ドル=35オンスに固定させ、加盟各国の通貨は、米ドルとの交換比率を決め、その上下1%以内の変動に収まるようにすることが義務付けられていました。(金ドル本位制度)

日本は、1949年、固定相場制を採択し、1米ドルを360円に設定しました。

1971年ニクソンショックとドル切下げ(ドル本位制度)

1971年8月、ニクソン米国大統領が、突然、米ドル紙幣と金との兌換停止を表明。
1971年12月、ワシントンのスミソニアン博物館で新しい国際通貨体制について検討会議が開催され、主要通貨に対するドル価値引き下げが合意された。
日本は、1米ドル=308円の切り下げ(円の切り上げ)に合意しました。

変動相場制度への移行

1973年以降、日本を含め、先進諸国は、変動相場制に移行しました。

これにより、外国為替相場は、原則各国の規制のない自由市場である外国為替市場(インターバンクマーケット)での需要と供給の関係により、形成されるようになりました。

外国為替市場での相場形成

市場外国為替相場(市場為替レート)

外国為替市場は、平日であれば、世界のどこかでマーケットが開いていて、原則24時間いつでも取引ができます。

外国為替市場の中心であるインターバンクマーケットにおいて、たくさんの市場参加者のもと、ある通貨を売りたい者と買いたい者の間で折り合いがつき、価格が決定されます。
このときに成立した価格(レート)が市場外国為替相場、或いは、市場為替レートと呼びます。
市場為替レートは、世界中に張りめぐらされたメディアなどの回線を通じて、瞬時に全世界に発信され、時々刻々と変動します。

例えば、東京インターバンクマーケットは、前日(日本時間)のニューヨーク市場を引き継いだ、ウエリントン(ニュージーランド)シドニー(オーストラリア)マーケットでの取引開始に続き、朝8時にスタートします。
一般に、東京マーケットは、日本の自国通貨である円の取引が中心となります。
特に、取引量の上では、圧倒的に米ドル/円の取引が大勢を占めます。

(参考)ライフマネーラボ/金融リテラシー向上/外国為替_入門編
【外為_第2章】外国為替相場(レート)について

インターバンクマーケットでの取引形態

インターバンクマーケットでは、主として3つの取引形態があります。

マーケットメーカー

世界の主要マーケットでは、インターナショナルな大手銀行等を中心に、日々活発な取引が行われています。これらの銀行等は、マーケットメーカーとしての機能をもち、通常マーケットに対し、自分達の買いレート「ビット」と呼びます)と売りレート「オッファー」 or 「アスク」と呼びます)を同時に発信しています。

買いレートと売りレートの差を売買スプレッドと呼び、マーケットメーカーは、それぞれの銀行のトレーディングポリシーやポジションの状況やマーケットの状況により、広げたり縮めたりします。

マーケット参加者は、マーケットメーカーの存在により、常に為替レートの状況を知ることができ、いつでも取引ができるという安心感をもつことができます。

また、マーケットメーカーが提示するビットとアスク(オッファー)レートは、各メディアに配信しているベンダーによって常時収集され、一般の人々も、各メディアやネットを通じて、ほぼリアルタイムに外国為替市場の状況を知ることができます。

市場為替レートが決まる瞬間のイメージ

例えば 東京インターバンクマーケットの米ドル/円相場であれば、マーケットメーカーであるA銀行が、145.10-12、或いは、単に 10-12 とうかたちで常時マーケットに発信しています。
これをA銀行の「インディケーションレート」と呼びます。
この意味するところは、A銀行は、この瞬間、1米ドルを145.10円で買い、145.12円で売る興味があるということを示しています。

同時に、対顧客マーケットB銀行(インターバンクマーケットの参加者)の大口の顧客(輸出業者)が、米ドルを売りたいというニーズがあったとします。
そこで、B銀行は、インターバンクマーケットにおいてマーケットメーカーであるA銀行に対し、A銀行が実際にこの瞬間に(米ドルを)買うことができるレート(これを「ファームレート」と呼びます)を提示するよう要求したところ、インディケーション通り1米ドル=145.10 のファームレートを提示してきたので、B銀行即合意し取引は成立します。(これを「ダン」と呼びます)

インターバンク取引なので、取引は標準化されていて、その他の諸条件は事前に決まっているため即時に約定が成立します。

(インターバンクでの約定内容)
● 取引(ディ―ル):A銀行の米ドル買い、B銀行の米ドル売り
● 約定価格(為替レート): 1米ドル=145.10
● 約定金額:1百万米ドル
● 決済:スポット取引(2営業日後資金決済)

尚、B銀行は、顧客の輸出業者から、145.10マイナス手数料(例えば10銭の手数料とすると145.00)で米ドルを買うことができれば、1ドルにつき10銭の利益(1百万ドルで10万円の利益)を得ることができます。

一方、同じくインターバンクの参加者であるC銀行は、対顧客マーケットC銀行の大口の顧客(輸入業者)が米ドルを買いたいというニーズがあった場合、マーケットメーカーのA銀行に対し、アスクのインディケーションレートファームアップを要求したところ、インディケーション通り1米ドル=145.12を提示してきたので、C銀行は即ダンし、約定が成立します。

以上のインターバンク上で2つの取引(A銀行とB銀行間、及び、A銀行とC銀行間の取引)が同時に成立した場合、この瞬間の市場為替レートは、A銀行のビットとアスクの真ん中(「仲値」と呼びます)の145.11ということになります。

また、マーケットメーカーであるA銀行は、ビット(買値:145.10)アスク(売値:145.12)差額の2銭すなわち2万円(100万×(145.12-145.10)の儲けを得ることができます。

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