「為替相場」を動かす要因を探るⅢ~ 外国為替市場の実際

外国為替市場

「インターバンク」と「対顧客」マーケット

インターバンクマーケット

証券取引所のような具体的な場所はなく、ネットワークで繋がれたマーケットです。参加者は銀行等金融機関(以下「銀行等」)に限定され、専用端末から仲介業者(ブローカー)経由、或いは、直接相手先を探し取引します。市場は東京・ロンドン・ニューヨークの3大マーケットを中心に平日は24時間いつでも、世界中のどこかの場所で、取引が可能となっています。

対顧客マーケット

個人や企業は、銀行との相対取引である対顧客マーケットで為替取引を行います。

【図1】インターバンクマーケットイメージ図

インターバンクマーケットの為替取引とは

自由な取引の場で、市場原理に基づき、売りと買いが出会ったレートで取引が成立します。

インターバンクマーケット(東京の場合)の取引慣行

「売り」はドルの売り(円の買い)を意味し、1回の取引の最低金額は100万ドルです。
円(資金)の需要でありドル(資金)の供給となります。
約定日から2営業日後(Spot)ドル資金を相手銀行に送金するとともに、円資金を相手銀行から受け取ります。

「買い」はドルの買い(円の売り)を意味し、1回の取引の最低金額は100万ドルです。
ドル(資金)の需要であり円(資金)の供給となります。
約定日から2営業日後(Spot)円資金を相手銀行に送金するとともに、ドル資金を相手銀行から受け取ります。

実際の為替相場の決まり方

取引の中心的参加者は、マーケットメーカーと呼ばれる為替のディーラーで、平時は常にドルの売り値(オッファー)買い値(ビット)同時にマーケット参加者に提示しています。

(取引例)  図1を参照下さい。

A銀行ディーラー(マーケットメーカー)の提示レート:135.30 – 32
135.30で買い(ビット)135.32で売り(オッファー)という意思表示です
B銀行ディーラー(ドルを買いたいと思っているディーラー)
135.32なら標準最低取引金額の100万ドルをA銀行から買うことができます
C銀行ディーラー(ドルを売りたいと思っているディーラー)
135.30なら標準最低取引金額の100万ドルをA銀行に売ることができます。

もし、同時にこの2つの取引が成立すれば、マーケットメーカーのA銀行は為替リスクにさらされることなく、2銭の収益(100万ドル×0.02円=2万円)を得ることができます。

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