<基礎> 【金商-7】投資信託への投資

投資信託の選択

個人投資家が日本国内で、銀行や証券会社を通して自由に売買できる投資信託の数は、約6,000本近くあります。
この中から、どんな投資信託を選んだらよいか、途方に暮れている方も多いと思います。
しかし、自分自身の資産形成の方針や目的さえ明確であれば、適切な投資信託を絞り込むことは、それほど困難な作業ではありません。
正しい選択ができるよう、以下にお示しする基本的なポイントをおさえておきましょう。

まずは数多くある投資信託の大分類の選択につい見ていきましょう。

投資対象の資産クラスの選択

債券

一般的に、価格変動が小さいが、期待収益も小さい資産となります。
国債等の信用リスクが無い債券を、様々な償還期間を組み合わせることにより、比較的安定した値動きに保つことを目指す投資信託がその代表です。
特に流動性(換金性)が高いMRF(マネーリザーブファンド)は証券会社の決済資金の受け皿として利用されています。

一方、社債等信用リスクを有する高利回りの債券を中心に構成され、高収益が期待できる投資信託もあります。
超低金利下の国内債券を対象とする投資信託ではなく、例えば、米国のハイイールド債(発行体の格付けの低い社債)を中心とした投資信託は、比較的値動きが激しい一方、期待収益も高い投資信託です。
日本において個人で米国のハイイールド社債を入手することはなかなか難しい上、個別銘柄への集中投資は、発行体が倒産するリスクも高く大変危険です。
運用の専門家に任せることで、多数銘柄への分散投資によりリスク低減し、高い収益を期待できる投資信託の購入が正しい選択といえます。

(参考)
ライフマネーラボ/資産形成ナレッジBK/資産形成と投資/【金商-5】債券投資/02社債投資

株式(主として上場株式)

個別株式の価格は、景気、物価、金利、及び、個別企業や業界の業績の影響をうけ、一般的には大きく値動きします。
保有する株式銘柄を広く分散することで、そのリスクを緩和させる投資信託を選ぶこともできます。

初心者や、個々の企業財務分析等の面倒なことはしたくない方には、日経225TOPIX等のポピュラーな東京証券取引所の上場株式指数にリンクする投資信託を選択することが、お薦めです。
特徴としては
● 値動きが株価指数とほぼリンクすることから、自分の資産評価が簡単で分かりやすい。
● 長期間、毎月の積立による資産形成を目指す方には、最適の投資信託です。
  銘柄の分散効果、及び、時間分散効果が働き、相場の上下運動に対しリスクを抑え期待収益を高める有利な運用となります。

(参考)ドルコスト平均法
ライフマネーラボ/資産形成ナレッジBK/資産形成と投資/【資形-4】時間の分散効果~長期積立て投資

不動産(REIT:不動産投資信託)

不動産購入により得られる賃料収入や不動産売買による売買益を、投資家に配当する商品です。
賃料収入を主たる収益とする投資信託は、比較的価格変動が小さいですが、不動産売買の比重が高い投資信託は、不動産市況により価格変動が激しくなります。
こちらも、高額となる現物の不動産を購入することが難しい個人の投資家にとっては、少額でも購入でき、かつ、リスクコントロールされた不動産投資に参画できる魅力があります。

オルタナティブズ

貴金属、原油等コモディティ(商品)、プライベートエクイティ(非上場株式)等を投資対象とするものです。
原資産の需給関係や市場価格動向に依存するため、価格変動リスクが比較的大きいのが特徴です。
金以外は、個人では入手困難な各種コモディティ(商品)を、投資信託という形で、購入し保有することが可能です。

投資信託・ファンド

「ファンド・オブ・ファンズ」と呼ばれ、複数の投資信託を組み入れる投資信託のことです。
既に複数の株式や複数の債券を購入した投資信託をいくつも購入することになるので、分散効果が効いて運用の安定性がさらに高まります。
また、債券運用を得意とするA運用会社の投資信託と、株式運用を得意とするB運用会社の投資信託を組み合わせることにより、高い運用リターンを目指すことも可能となります。
一方、信託報酬等は、実質的に二重に負担することになるため、割高なコストを支払う可能性があるので、費用には注意が必要です。

資産複合(バランス型)

債券、株式、その他資産クラス等の様々な資産に、バランスよく分散投資することで、一般的には、より価格変動の少ない安定した投資信託となります。
資産形成の目的や状況により、資産クラスの組み入れ比率を変えることで、よりリスクを高くし期待収益を上げることや、収益性よりも安定性を重視することも、自由に設定できる投資信託もあります。
例えば、老後の資産形成を目的とする場合、若いころは、株式比率の高い収益性重視型、退職に近づくにつれて、債券等の比較的リスクの低い資産の組み入れ比率を上げていくことで、投資信託全体のリスクを低減させていくことなどが、ライフスタイルに適した資産形成を実践できる投資信託になります。

 投資対象地域の選択

投資対象は国内だけではなく、世界各国に広がっています。
さまざまな国・地域の資産に投資することで、よりグローバルな分散投資が可能になります。
円貨で設定された投資信託でも、原資産は現地通貨建てで運用されているため、為替ヘッジ付きと明記されていない限り、対円相場次第で、円ベースのパフォーマンスが大きく変動します。
従って、リスクファクターとしては、原資産の価格変動リスク現地通貨の対円相場リスクに大別され、この2つのリスクファクターの相関関係によって、円ベースのパフォーマンスは大きく変動します。
例えば、米国株式の円建て投資信託(為替ヘッジ無し)の場合、2022年においては、米国株式相場は、FRBの急激な利上げにより大きく下落しましたが、円の対ドル相場は日米金利差拡大を背景に大きく円安に進んだ結果、円ベースのパフォーマンスは比較的良好となりました。
要するに、対象の外国資産の値動きと為替相場の値動きの両にらみをしながら、資産形成を考えていく必要があるということでもあります。

運用方法による選択

インデックス運用

初心者の資産形成の定番となっているのが、インデックス運用による投資信託(インデックスファンド)です。
インデックス運用は、あらかじめ目標と定めたベンチマークとなる指数(インデックス)の動きに連動する運用成果を目指す運用スタイルです。
情報収集経費や投資先銘柄入れ替えの手数料が比較的少ないため、運用管理費用(信託報酬)などのコストが、低く設定されています。
最近は、NISAやいiDeCoの普及による、インデックスファンド人気と、販売会社の競争激化により、購入手数料の無料化が進み、多くのインデックスファンドはゼロ手数料(ノーロード)に設定されています。

アクティブ運用

あらかじめ運用成果を測定する基準として定めた株式指数(TOPIXなど)や市場平均などを上回る運用成果を目指すスタイルです。
運用の専門家が、景気、物価等のマクロ経済のファンダメンタル分析や、株式の発行体の個別財務内容や、業界についての調査・分析した情報や知識・経験に基づいた投資環境の評価などを活かして、投資対象や売買のタイミングなどを判断して運用します。

投資信託選定の実際

投資信託を購入する

銀行、証券会社、保険会社、郵便局や信用金庫が販売会社として、各種投資信託の取り扱いをしています。
投資信託運用会社が直接販売するケースもあります。

各販売会社によって、取扱う投資信託商品は異なります。
従って、ある特定の運用会社の商品を購入したい場合や、購入したい特定の商品がある場合は、その商品を取り扱っている販売会社に口座を開設し購入手続きをする必要があります。
既に口座開設ある販売会社から、投資信託商品を購入する場合は、その販売会社が取り扱っている商品の中から選ぶことになります。

般社団法人 投資信託協会の検索ツールを利用して商品選択

一般社団法人投資信託協会は、投資者の保護を図るとともに、投資信託及び投資法人の健全な発展に資することを目的として設立されました。
投資信託委託会社等を会員とする金融商品取引法上の自主規制機関であり、令和4年4月1日現在で会員会社数は正会員(投資信託及びJ-REITの運用会社)202社及び賛助会員39社となっています。
インターネット上で投信総合検索ライブラリーを開設しています。

過去の運用成績をチェックする~投資信託評価機関を活用する

  • 投資信託のパフォーマンス評価の利用
  • 投資信託が盛んなアメリカでは、以前からよく利用されていましたが、わが国においても民間の評価機関ができ、投資信託のパフォーマンス評価を行なっています。
  • 評価機関は第三者の立場から、それぞれの投資信託を投資目的や運用方針により分類したうえで、投資信託のパフォーマンスを客観的に評価し、星の数などにより格付けなどを行なっています。
  • ただし、パフォーマンス評価は評価機関によって評価が異なる場合もありますし、過去の実績に基づくものであり、今後もそのようになるとは限らないことに注意する必要があります。
  • 投資信託のパフォーマンス評価機関の分析結果については、現在、月刊の経済誌や四半期ごとに発行される季刊誌だけでなくインターネット等でも利用できます。
投資信託評価機関一覧(投資信託協会HPより引用)
評価機関名ホームページアドレス
ISIDフェアネスhttps://www.fairness.co.jp/
イボットソン・アソシエイツ・ジャパンhttps://www.ibbotson.co.jp/
ウエルスアドバイザーhttps://wealthadvisor.co.jp
NTTデータエービックhttps://www.abic.co.jp/
エム・ピー・アイ・ジャパンhttp://www.mpi-japan.com/
カカクコムhttp://kakaku.com/fund/
格付投資情報センターhttps://www.r-i.co.jp/investment/
QUICKhttp://www.quick.co.jp/page/top.html
クォンツ・リサーチhttp://www.quantsresearch.com
時事通信社http://www.jiji.com/jc/m_trustboard
大和ファンド・コンサルティングhttp://www.daiwa-fc.co.jp
トムソン・ロイター・マーケッツhttp://www.reuters.co.jp
日興リサーチセンターhttp://www.nikko-research.co.jp/
日本金融通信社(ニッキン)http://www.nikkin.co.jp
野村総合研究所http://fis.nri.co.jp/
パワーソリューションズhttps://www.powersolutions.co.jp
ブルームバーグL.P.http://www.bloomberg.co.jp
三菱アセット・ブレインズhttp://www.mab.jp
モバイルサポートhttps://mfund.jp/shapre/

目論見書 (投資信託説明書)

購入しようとしている投資家に、販売会社より必ず事前に交付されます。
投資判断についての必要な重要事項を説明した書類です。
必ず、購入を決める前に読んでおくべき事項であり、主な内容は以下の通りです。

ファンドの目的・特徴等
  • 何を目的、目標としているか
  • どの地域のどの資産を対象としているか
  • ファンドの仕組み
  • 為替ヘッジあり、なし 等
投資のリスク

価格変動リスク為替変動リスク金利変動リスク等、商品ごとにどのようなリスクがあるかについて記載されています。

 運用実績

新設のファンド以外は、基準価額や純資産総額の推移、分配金の推移、年間収益率の推移等、投資信託の過去の運用実績を確認できます。

手続・手数料等

ファンドの購入単位、購入時の手数料や運用中の運用管理費用(信託報酬)、ファンドにかかる税金等、ファンドにかかる諸費用等について記載されています。

単位型と追加型

単位型

  •  投資家から集めた資金で最初に投資信託が設定されると追加の設定は行われません。
  • 「定期定型」:継続して同じ種類の投資信託を設定するタイプ
  • 「スポット型」:投資家のニーズや市場の環境に応じてタイムリーに設定するタイプ
  • 信託期間は数ヶ月から10年程度と追加型から比べると短く設定されます

追加型

  •  最初の設定以降もいつでも追加購入することができるタイプです
  •  信託期間は無期限あるいは長期になるものがほとんどです
  • 投資信託の主流です

クローズド・エンド型とオープ・ンエンド型

クローズド・エンド型

  • 投資家が途中で一部解約や買戻しをしてもらえないタイプです
  • 換金は市場価格での売却となるので、必ずしも基準価格通りの価格で売却できるとは限りません。

オープ・ンエンド型

  • 投資家がいつでも解約ができるタイプです
  •  解約が自由にできるので機動的な運用が可能となります。

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