<基礎>【税金-9】住民税の基本的しくみ

住民税について

住民税とは?

住民税とは地方税の一種で、都道府県が課税する道府県民税(東京都は都民税)と、市区町村が課税する市区町村民税の総称です。
教育、福祉、救急、ゴミ処理など、地方自治体が提供する公共サービスをまかなうために使われます。

住民税の構成は?

住民税は、「均等割」「所得割」から構成されています。
均等割:納税義務者で均等な額
(標準:市町村区民税=3,000円 都道府県民税=1,000円 計4,000円)
所得割:個人の所得金額に応じて負担するものです。
(標準:課税所得額の10%)

住民税を納める人(納税義務者)は?

住民税は、国税である所得税とは別に、その年の1月1日にお住まいの市区町村で課税される税金です。
所得税はその年の所得に対して課税されますが、住民税は前年の所得に対して課税されます。

住民税の納付方法は?

住民税の納め方には「普通徴収」、「給与からの特別徴収」および「公的年金からの特別徴収」があります。

普通徴収

自営業の方や、会社にお勤めであっても住民税が給与から天引きされない方の住民税は、各市区町村役場から送付されてくる納税通知書に従いご本人自身で納入するものです。
・納税通知書の発送:6月初旬
・納期(年4回)6月、8月、10月、翌年1月

給与からの特別徴収

サラリーマンの方については、通常、特別徴収義務者として指定された給与支払者(事業者等)が納税義務者(従業員)の地方税を毎月の給与から差し引き納入(天引き)する制度です。
所得税の源泉徴収義務がある給与支払者を特別徴収義務者として指定され、特別徴収することが地方税法第321条4第1項により規定されています。
・期間:年税額を6月から翌年の5月までの12回に分けて納入
・納期限:翌月の10日

公的年金からの特別徴収

65歳以上の公的年金を受給されている方で、個人住民税を納税する義務がある方については、公的年金から差し引き納入する制度です。
公的年金の支払いをする年金保険者(社会保険庁など)が年金から個人住民税を引き落とし、市区町村に納めます。

住民税はいつから払う? (サラリーマンの場合)

サラリーマンは、給与から天引きされる税金は、所得税と住民税です。
但し、同じ天引きですが、所得税は源泉徴収住民税は特別徴収と、その納税の仕組みは大きく異なります。

  • 天引きされている所得税と住民税に1年5ヶ月の時差があります。
  •  所得税はみなしで天引きされ(源泉徴収)、1月分の所得税はその月に納税し、12月の給与で年収が確定するので生命保険料控除などを反映、年末調整で正しい税額に調整して1年間の納税が完了します。
    この結果が源泉徴収票に掲載されます。
  • 源泉徴収票は社員本人と税務署、そして住民票を置く地方自治体に送られ、その自治体の税率、均等割により住民税の額が決定し、6月から翌年5月まで天引きされます。
  • 具体的には、2022の1~12月の所得(確定後)に対し、住民税は2023年6月から2024年5月に納税することになります。(下図参照)
  • 前年の所得により納税額は増減するので、毎月の収入が減って所得税が減っているのに住民税は増えるといったこともあります。

 

住民税の計算方法(給与所得者の場合)

住民税の計算は、以下のフローで行います。

① 合計所得の算出 給与等の収入額-給与所得控除額

合計所得とは、年間(1月1日~12月31日)の給与等の収入額からの給与所得控除額(下表)を差し引いた額です。
給与所得者は、会社から交付された源泉徴収票から給与所得の額がわかります。

       <2020年改正後 給与所得控除額>

② 課税所得の算出  合計所得金額-所得控除額の合計

住民税の計算においても、所得税のように一定の所得控除(所得額より差し引ける額)が認められます。
但し住民税の控除額は、以下の通り所得税より低く設定されています。

      <主な所得控除項目>

 

③ 税額控除前の所得割額の算出 課税所得額×税率

区・市町村民税 6%(標準)
都道府県民税  4%(標準)

合計      10%(標準)
自治体により微妙に税率に違いがあります。(各条例に規定)

④ 税額控除後の所得割額の算出 税額控除前の所得割額-税額控除の額

税額控除には、以下のようなものがあります。

・配当控除
・外国税額控除
・寄附金税額控除(ふるさと納税等)
・配当割額及び株式譲渡所得割額の控除
・住宅借入金等特別税額控除
・調整控除

⑤ 住民税の額の算出 税額控除後の所得割額+均等割額

もっと住民税について詳しく知りたい方は、ご自身の住まれている都道府県或いは市区町村のホームページを調べてみて下さい。

例えば、東京都杉並区のホームページに「令和4年わたしたちの区税」というとてもわかりやすい解説書の掲載があります。以下URLご参照下さい。

https://www.city.suginami.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/014/046/r4kuzei.pdf

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