【第1章】まず「お金」について考えてみよう

「お金」の話、というと、筆者が子供の頃、父親からもらった子豚の貯金箱のことを思いだします。

丸い小さな目がなんとも可愛い素焼きの子豚ちゃん。父親が銀行の窓口でもらってきたものらしい。まるい顔のサイズがパーの手ほどあったので、それなりに立派にも見えました。

最初は、子豚ちゃんの貯金箱にお金を入れることが楽しくて、毎週もらうおこずかいの大部分が子豚ちゃんのお腹の中にはいっていきました。また、家事の手伝いをすると、母親が小銭を入れてくれるし、夜、ダイニングテーブルの上に子豚ちゃんを置いておくと、職場の飲み会帰りの父親が、時々、紙のお金を入れてくれました。

1年もたたないうちに満杯になり、その後本棚の隅に長らく放置されていましたが、私が中学生になり、運命の時が来ました。

思い出の詰まった愛くるしい子豚ちゃんをハンマーでひと叩き。ちょっと切ない思いでした。お目当ては、アコースティックギターですが、子豚ちゃんのお腹に貯まっていたお金で買えたのは、楽器屋さんにtたくさん並んでいる中で一番安いもので、確か1万2千円程度の国産のギターだったかと記憶しています。とはいえ、ほんとに嬉しかったのを今でも覚えています。

さて、ここで、あいさつ代わりに、早速クイズです。

幼い筆者は、この出来事から、お金について何を学んだでしょうか?

まず、お金の種類です。小銭(硬貨)の他にお札(紙幣)があること。
次に、お金の果たす役割(機能)はどうでしょう?

POINT1. お金は、後で使うために「貯める」という機能があります。「価値の保存」
2. お金は欲しいものや必要なものを手に入れる手段となります。「交換の手段」
3. 自分が買えなかった高価なギターが他に沢山あることを知りました。「価値の尺度」

大学の一般教課程の金融論の第1章に出てくるお金の3つの機能です。

さて、その他に学んだこともあります。

1.  子豚の貯金箱に一度入れたら、ある程度貯めて、子豚ちゃんを割らないと使えない。例えば、積立定期預金などと似ています。お金を貯めるには、計画性が必要です。これは、専門用語になりますが、お金を理解するために重要な「お金の流動性」の特性を表しています。
2. 母親の家事の手伝いをすると、お金を得ることができる。大げさに言えば労働の対価として報酬を得ることができるということです。これは、経済学の基本的な理論構成において、重要な前提となります。
3. 最初は、お金を貯めること自体に喜びを感じていましたが、だんだん興味が薄れて、長らく放置してしまいましたが、お金を使ってギターを手にした喜びは大変大きかったようです。しかし、もし、最初から、憧れの輸入アメリカ製モデルが欲しいと明確な目標があったなら、2匹目の子豚ちゃんを用意したかもしれません。

以上、第1章のテーマ、いかがでしたでしょう?

最後に、お約束のクイズです。
よかったら、ご家族、お子様と一緒に考えてみて下さい。

今回は、子豚ちゃんに登場してもらい、もっとも原始的なお金(現金)の貯め方につて学びましたが、現代では、そもそもキャッシュレスが進み、小銭を見る機会がだんだん減ってきました。
お金を貯める方法は、他にもたくさんあります。
さて、どういう方法があるでしょうか?そして、子豚の貯金箱への貯金と比べて、大きな違いがありますが、それは何でしょう?

回答は 第2章に掲載します。

この記事は役に立ちましたか?

もし参考になりましたら、下記のボタンで教えてください。

関連記事