日本の医療保険制度
国民皆保険制度
- 1958年 国民健康保険法が制定
- 1961年 全国の市町村で国民健康保険事業が開始
「誰でも」「どこでも」「いつでも」保険医療が受けられる体制が確立しました。
医療保険制度の概要
相互扶助の精神に基づき、病気やけがに備えてあらかじめお金(保険料)を出し合い、実際に医療を受けたときに、医療費の支払いに充てる仕組みです。患者はかかった医療費の原則2~3割を支払えば済み、残りは自分が加入する医療保険から支払われます。
出所:厚生労働省 HP 医療保険に関する基礎資料よりデータ取得して作成
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/iryouhoken01/index.html
国民健康保険
概要
健康保険、各種共済組合、船員保険などの職域(被用者)保険に加入していない一般地域住民(75歳未満)の医療保険制度として、般地域住民が病気、けが、死亡、あるいは出産したときに備えて、被保険者全員で保険料を出し合い、医療その他の保険給付を行います。
① 保険者
・都道府県および市区町村が保険者となる制度
・国民健康保険組合が保険者となる制度
② 被保険者
対象者全員が被保険者 ~被扶養者という概念がありません。
給付
健康(職域)保険とは異なり、業務上の病気けがも対象となります。
また、給付の内容は各市区町村で異なります。
1.絶対的必要給付(必須の給付)
- 傷病給付:療養の給付/保険外併用療養給付/療養費・特別療養費
- 高額療養費 など
2.相対的必要給付(市区町村の任意給付)
- 出産給付:出産育児一時金
- 死亡給付:葬祭費、葬祭の給付
3.市区町村の判断により受けられる給付
- 傷病手当
療養の給付の一部負担金
療養の給付の自己負担割合
義務教育(小学校)就学前 | 2割 |
義務教育(小学校)就学以後69歳まで | 3割 |
70歳から74歳まで | 2割 |
現役並み所得者は3割 |
国民健康保険料(税)
保険者が都道府県および市区町村である場合は、国民健康保険料にするか国民健康保険税にするかは、各自治体の任意となっています。
国民健康保険料(税)の徴収方法
対象者 | 徴収方法 | |
特別徴収 | 年額18万円以上の老齢等年金給付を受けている者 | 年金保険者が年金から源泉徴収しそれを市区町村に交付します |
普通徴収 | 特別徴収対象者以外の者 | 市区町村が直接保険料を徴収する |
健康保険(協会けんぽと組合健保)の概要
概要
適用事業所の社長、役員、従業員およびその被扶養者(75歳未満)が業務外および通勤途上外の原因による疾病、負傷、出産、死亡なんどの保険事故が発生した場合に適用されます。
なお、個人事業主およびその被扶養者は健康保険の被保険者にはなれず、国民健康保険の被保険者になります。
健康保険の種類
全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)
保険者:全国健康保険協会
組合管掌健康保険(組合健保 or 健保組合)
・700人以上の従業員のいる事業所 あるいは
・同種・同業の事業所が集まって従業員が3,000人以上
厚生労働大臣の認可を受けて、健康保険組合を設立し、保険料の徴収・給付などを政府に代わって独自で運営することができます。
法律で定められている法定給付に加え、「付加給付」(健保組合独自の給付)をおこなうこともできます。
短時間労働者(パートタイマ―やアルバイト)の被保険者要件
① 1週の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が一般社員の3/4以上
② 上記①を満たさない場合でも、以下5要件を全て満たす場合
・週の所定労働時間が20時間以上
・1年以上雇用されることが見込まれる
・賃金の月額が8.8万円以上であること
・学生でないこと
・以下の事業所勤務であること
特定適用事業者所:(常時501人以上)
任意特定適用事業所:(常時500人以下だが、労使合意があり、届け出を行った事業所)
被扶養者の範囲
- 被扶養者となる人の年間収入が130万円(60歳以上または一定の障害者は180万円)未満で、被保険者の収入の1/2未満であること
- 上記の年収未満であれば、被保険者の収入の1/2以上でも被保険者の収入を上まわらなければ認められることもある。
生計維持関係のみ必要 | 生計維持関係+同一世帯に属することが必要 |
① 配偶者(内縁関係も含む) | ① 左記以外の三親等内親族 |
② 子、孫 | ② 被保険者の内縁の配偶者の父母・子 |
③ 本人の兄弟姉妹 | |
④ 本人の直系尊属 | ③ 内縁の配偶者死亡後の父母・子 |
健康保険からの給付と保険料
【医介-2】健康保険からの給付と保険料 を参照下さい
後期高齢者医療制度
- 主として75歳以上の後期高齢者を対象として、各都道府県に設置されている「後期高齢者医療広域連合(広域連合)」により運営されている制度です
- 保険料徴収の事務およびの被保険者資格の得喪失届受付事務は市町村が行います
- 後期高齢者は、今まで加入していた医療制度(健康保険や国民健康保険)を脱退し、後期高齢者医療制度に加入します
- 国民健康保険と同様に、被扶養者という考え方はなく、全員が被保険者になります。
後期高齢者医療の財源・公費:5割
・後期高齢者支援金(若年者の保険料):4割
・被保険者の保険料:1割
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