【コラム-9】人生100年時代を生き抜くための資産形成について ~老後の生活に不安を抱くサラリーマンの皆様へのメッセージ

人生100年時代を生き抜くために・・・

最近は馴染み深いフレーズかと思います。

自分自身のキャリア形成や人生設計、そして資産形成、また、ご両親やご家族とのかかわり方など、実生活においても、人生100年時代を意識するようになってきました。
これをポジティブに捉えたいと思う反面、現実的には様々な長生きリスクというネガティブな側面もあり、漠然と不安を感じてしまう方も多いかと思います。

現役サラリーマンの皆様はどのように考えているでしょうか?
昨年末、クレア・ライフ・パートナーズが実施したアンケート調査結果によると、将来について不安を感じている方は全体の8割を占め、その理由として、お金に関する不安が上位を占めています。
資産形成や投資について、全体の7割の方が興味ありと答え、実際に何らかの資産形成を実践している方は全体の4割程度ですが、投資は危険、難しい、きっかけがない、また、信頼できる相談相手がいない等の課題も確認されています。

政府は、人生100年時代を向かえるにあたり、個人の資産形成支援と、老後の生活不安解消のため、年金制度改革「貯蓄から投資へ」の推進策及びそのための税優遇施策、そして金融教育推進の具体的施策を次々と打ち出しています。
また、各種施策の実践の場として、職域を重視していて、税制面での優遇策の検討や、経済団体や労働組合への協力を呼び掛けています。

本稿は、“人生100年時代を生き抜くための資産形成”について焦点を当て、現役サラリーマンの皆様が、資産形成の第1歩を踏みだすための予備知識として知っておきたい事項を要約しました。

自分の年金や退職金について知っておきましょう!

厚生年金給付額をイメージしておきましょう

65歳から老齢基礎年金老齢厚生年金の給付を受けることができます。
自分の給料と厚生年金加入期間によって、給付額は変わってきます。
まずは、日本年金機構の“ねんきんネット”(日本年金機構HP)に登録して、自分がもらえる年金額予測のシミュレーションをしてみましょう。

ご参考ですが、加入者(独身)の平均受給額月額は、両年金合わせて16.6万円/月(2022年)です。(厚生労働省HPより)

退職金制度及び私的年金制度

退職金制度と企業年金(確定給付年金、確定拠出年金)制度

自分が勤める会社の制度を知っておきましょう。制度は会社によってそれぞれ違いますので、個別に担当部署(人事、総務系)、あるいは、労働組合がある会社は組合事務局等に個別に照会する等して、ご自身で情報収集する必要があります。

個人年金(iDeCo)

現在では、配偶者を含め、原則すべての20歳以上の国民が加入することができます。ただし、上述の企業年金制度への加入状況により、iDeCoへの加入ができない場合があります。
拠出金は所得税の控除対象かつ非課税での運用等の税制優遇がなされています。

ストックオプション制度や譲渡制限付株式(RS)制度

最近の潮流として、外資系企業だけでなく、国内企業も導入する動きが活発化しています。自分が勤める会社の動きをチェックしておきましょう。

資産形成に係る税制優遇制度の進化を知っておきましょう。

個人年金iDeCoの制度改革

原則すべての国民が加入できるしくみの創設や、拠出限度額の増枠を決定しています。
「iDeCo」未加入の方は、最初に検討してみましょう。

「新しいNISA」が来年1月よりの開始となります。

個人の資産形成の切り札です。これを利用しない手はありません。
非課税保有期間が無期限となります
積立投資枠(年間枠120万円)成長投資枠(年間枠240万円)の創設
両投資枠は併用可能となりますので、1年間で合計最大340万円の非課税での新規積み増しが可能となります
保有限度額は残高(簿価)ベースになります。保有限度額全額利用した後、売却により限度額は戻ってきます。
従って、タイミングをはかり売却、再投資という手法も可能ですし、投資商品の入れ替えも可能となります。

(参考)ライフマネーラボ/資産形成ナレッジBK/
【資形-9】サラリーマンの資産形成術(その3)~新しい「NISA」のご紹介と資産形成術のまとめ

金融及び資産形成教育の機会は積極的に活用しましょう!

  • 「貯蓄から投資へ」を実行に移すためには、金融教育は必須であり、政府はこれを「国家戦略」と位置づけ、金融庁を中心に金融リテラシー向上に向けての情宣活動を活発化しています。
  •  金融及び資産形成教育の主戦場は「職域」へ!

政府は厚生労働省及び経済産業省を中心に職域における金融教育及び従業員の資産形成をサポートする福利厚生制度の確立を推進する方針です。

「貯蓄から投資へ」を実践する時です。

~ 当面使う予定のないお金を銀行預金に放置しておくことは損です。

日本も昨年から、物価上昇が続いています。
一方、日銀は異次元金融緩和を当面維持する見込みであり、銀行預金は超低金利が続きます。当面使う予定のないお金を銀行等の預金に放置しておくと、物価上昇分その価値が減ってしまうことになります。すなわち、損することになります。
投資初心者の方は、思い切って株式等のリスク資産の投資を始めてみましょう。毎日が忙しいサラリーマンの方には、リスク分散が十分期待できるインデックスリンク型株式投資信託などで毎月の積立投資がおすすめです。
税制優遇制度を最大限活用し、正しい資産形成の方法で、「貯蓄から投資へ」を実践していきましょう。

 

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