政府は、賃上げを一過性のものとせず、構造的賃上げとして確固たるものとするため、以下の労働市場改革を三位一体で推進することを、2023年総合経済対策に盛り込みました。
※「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画 2023 改訂版」で 決定した事項を、変革期間において、早期かつ着実に実施していくこととした。
● リ・スキリングによる能力向上支援
● 個々の企業の実態に応じた職務給の導入
● 成長分野への労働移動の円滑化
(参考)
※「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画 2023 改訂版」
Ⅲ.人への投資・構造的賃上げと「三位一体の労働市場改革の指針」
(内閣府より公表:閣議決定(令和5年6月16日))
リ・スキリングによる能力向上支援
リ・スキリングは、日本の雇用慣行の実態が変わりつつある中 で、働く個人にとってのセーフティネットを確保しつつ、構造的賃上げを実現するために不可欠な要素となっている。
政府は、関係する府や省の支援策の連携を強 化しつつ、より幅広い者がニーズに合った支援を受けられるよう、施策の改 善や強化を行い、対象者の利便性を高める観点から、 順次手続のDX化を進めていく。
これにより、リ・スキリングすることの価 値が国民全体・全国津々浦々に浸透し、「一人ひとりが自らのキャリアを選択 する」時代が到来することを目指す。
教育訓練給付拡充
- 国 の在職者への学び直し支援策について、5年以内を目途に、過半が個人経由 での給付が可能となるようにする
- 高い賃金を獲 得できる分野、高いエンプロイアビリティ(雇用され得る能力)の向上が期待される分野について、 補助率や補助上限を拡充することについて、2023 年末までに結論を得る
- 教 育訓練給付の対象講座の拡大に向けて、より多くの教育訓練実施機関に届く よう、業界団体等に対し指定申請の呼びかけ・PRを強化する
在職中の非正規雇用者支援
在職中の非正規雇用労働者のリ・スキリング支援を創設する
(施策例)
非正規雇用労働者等が働きながら学びやすい職業訓練試行事業(仮称)の実施(厚生労 働省)
企業・大学の共同講座
(施策例)
・企業と高等教育機関との共同講座の設置を支援する「高等教育機関における共同講座創 造支援事業」(経済産業省)
・リカレント教育による新時代の産学協働体制構築に向けた調査研究事業(文部科学省)
・地域ニーズに応える産学官連携を通じたリカレント教育プラットフォーム構築支援事業 (文部科学省)
個々の企業の実態に応じた職務給の導入
以下項目について、事例を整理し、2023年又は同年度内に取りまとめる。
その際、企業の実態に合った改革が行えるよう、 自由度を持ったものとするとともに、中小・小規模企業等の導入事例も紹介 する。
- ジョブの整理・括り 方
- 人材の配置・育成・評価方法
- ポスティング制度
- リ・スキリングの方 法
- 従業員のパフォーマンス改善計画(PIP:Performance Improvement Plan)
- 賃金制度
- 労働条件変更 と現行法制・判例との関係
- 休暇制度等に
成長分野への労働移動の円滑化
- 職種別・エリア別に、賃金相 場の前年との比較、求人数等について官民の求職・求人情報の共有化を 2023 年度内に実施
- 併せて、処遇の良い職に助言できるよう、キャリアコンサルタント等へ情報提供を行う
- 公的職業訓練において、デジタル分野について委託費の加算措置を拡充することにより、デジタル推進人材を育成する
- 公的職業訓練や民間の職業訓練によるOff-JTでは不足する実務経験を 積むため、新たに、労働者派遣や在籍出向のスキームを用いて、派遣先企業 において生成AIを含むデジタル人材育成のための「実践の場」を提供する モデル事業等を行う
多様な働き方の推進
同一労働・同一賃金の徹底
- 正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の格差の是正
(施策例)
・「非正規雇用労働者の処遇改善を通じた持続的な賃上げの実現のための同一労働・同一賃 金の更なる遵守徹底」(厚生労働省)
・ 「キャリアアップ助成金」による非正規雇用労働者の正社員化の促進(厚生労働省) - 同一労 働・同一賃金制について、労働基準監督署による調査結果を踏まえ、基本給・ 賞与の差の根拠の説明が不十分な企業等について、文書で指導を行い、経営者に対応を求める
自治体による就職氷河期世代支援
就職氷河期世代の実態やニーズを踏まえ、地域の関係機関と連携し、相談対応、リ・スキリング等の教育訓練、企業とのマッチング等に取り組む地方公共団体を支援する。
(施策例)
・「就職氷河期世代の支援を行う地方公共団体への交付金」(内閣府)
この記事は役に立ちましたか?
もし参考になりましたら、下記のボタンで教えてください。