本稿理解のために必要な基礎知識(記事) | 本稿と関連する記事 |
【年金-1】公的年金の基本 | 【年金-4】国民年金の保険料免除制度 |
【年金-5】厚生年金の保険料免除制度 |
国民年金第1号被保険者(自営業、自由業者、無職者、学生など)
保険料
- 所得にかかわらず一定の額(2022年度は月額16,590円)
- 納付期限:翌月末(例えば4月分は5月末まで)
- 支払い手段
・国が発行した納付書 →金融機関、コンビニにて支払いが可能
・銀行口座振替、クレジットカード
・電子納付(インターネットバンキング、モバイルバンキングおよびテレフォンバンキング) - 国民年金保険料全額が「社会保険料控除」の対象です
- 被保険者の世帯主および配偶者は、保険料を連帯して納付する義務があります。
保険料の前納
保険料をまとめて前払い(前納)すると保険料が 割引されます。
2022年度 前納割引一覧
納付方法 | 1ヶ月分 | 6ヶ月分 | 1年分 | 2年分 | |
翌月末(納付期限)の口座振替を当月末の口座振替にすると、毎月の保険料が 50 円割引になります。 | 4月分~翌年3月分までの保険料を当年4月末までに納めます。 | 4月分~翌々年3月分までの保険料を当年4月末までに納めます。 | 2022年度保険料 16,590 円の12カ月分と2023年度保険料 16,520 円の12カ月分の合計です。 | ||
毎月支払 | 16,590 円 | 99,540 円 | 199,080 円 | 397,320 円 | |
前納 | 現金支払
| 98,730 円【810 円】 | 195,550 円 【3,530 円】 | 382,780 円【14,540 円】 | |
口座振替
| 16,540 円【50 円】 | 98,410 円【1,130 円】 | 194,910 円 【4,170 円】 | 381,530 円【15,790 円】 |
出所:日本年金機構HP
https://www.nenkin.go.jp/index.html
付加保険料
第1号被保険者・任意加入被保険者が定額保険料に付加保険料(月額400円)をプラスして納付すると、老齢基礎年金に付加年金が上乗せされます。
老齢基礎年金に上乗せされる付加年金の年金額は、200円×付加保険料納付月数。
(老齢基礎年金を2年受給すれば、元が取れる計算になります)
- 申し込み先は、自分の住む市区町村役場です。
- 付加年金は、老齢基礎年金と合わせて受給できる終身年金ですが、定額のため、物価スライド(増額・減額)はありません。
- 国民年金基金に加入中の方は、付加保険料を納付できません。
- 付加保険料の納付は、申し込んだ月分からになります。納付期限は翌月末日(休日・祝日の場合は翌営業日)です。
- 納付期限を経過した場合でも、期限から2年間は付加保険料を納めることができます。
国民年金第2号被保険者(会社員、公務員、私学の教職員など厚生年金被保険者)
保険料
第2号被保険者の国民年金(基礎年金)に関わる費用
- 厚生年金制度全体から国民年金制度全体へ「基礎年金拠出金」という形で負担しています。
- 第2号保険者自身の個人での保険料負担はありません。
第2号被保険者の厚生年金保険に関わる費用
- 月例給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)に対し、同率の保険料率により付加徴収されます。(総報酬制)
- 2022年の保険料率は1000分の183.00です。
- 事業主と被保険者が折半します。
- 事業主が給与や賞与から保険料を天引きし、翌月末に日本年金機構(年金事務所)に納付します。
標準報酬月額
- 保険料や年金額等は被保険者の報酬(給与)額を基に計算します
- 残業代等月次で変動する報酬額を基にすると、事務的に煩雑になることから、計算しやすい単位で区分した仮の報酬を定め、被保険者が受け取る報酬をこの区分にあてはめて保険料や年金額を計算します。
- この区分された報酬を「標準報酬月額」といいます
- 1級(88,000円)から31級(620,000円)までの31等級に区分されています
出所:日本年金機構HP
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/ryogaku/ryogakuhyo/20200825.html
標準報酬月額の決定
標準報酬月額の算定方式は次の5つの方法があります
- 資格取得時決定
被保険者の資格を取得したときに、「被保険者資格取得届」に基づいて保険者が決定します
- 定時決定
毎年7月1日現在、被保険者資格を有する人を対象にして「被保険者報酬月額算定基礎届」に基づいて保険者が決定します。
- 随時決定
固定賃金の変動により報酬月額に著しい変動が生じた場合に「被保険者報酬月額基礎届」に基づいて保険者が決定します。
- 育児休業等終了時改訂
育児休業を終了した被保険者が職場復帰した場合において、短時間勤務措置により報酬が低下した時等に、事業主を経由して保険者に申し出することにより改定されます。
- 産前産後休業終了時改訂
産前産後休業を終了した被保険者が職場復帰した場合において、短時間勤務措置により報酬が低下した時等に、事業主を経由して保険者に申し出することにより改定されます。
標準賞与額
- 年3回以内に支払われる賞与額を年金額の計算に反映させるものです。
- 被保険者に対して同一月に支払われた賞与額の千円未満を切り捨てたもの(上限は150万円)標準賞与額とします。
平均標準報酬月額と平均標準報酬額
- 2003年3月31日までの厚生年金(報酬比例部分)の年金額は、標準報酬月額の月平均である「平均標準報酬月報」をもとに算出されていました。
- 2003年4月1日に総報酬制が導入され、標準賞与額も年金額の計算に反映させることになり「平均標準報酬額」となりました。
- その結果、現在の厚生年金(報酬比例部分)の計算は
ⅰ)2003年3月31日までの期間
ⅱ)2003年4月1日以降の期間
に分けて計算します。
国民年金第3号被保険者(会社員等の配偶者:専業主婦(夫))
第3号被保険者の保険料
第3号被保険者の基礎年金に関わる費用として、その配偶者(第2号被保険者)の給与から個別に納付しているのでははく、厚生年金保険制度全体から「基礎年金拠出金」という形で負担しています。
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