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法定相続人 7つの組み合わせパターン
全部で7つの組み合わせパターンがあります。
代襲相続
相続人の子の代襲相続
相続人となるべき子が死亡等している場合は、被相続人の孫が親に代わって相続します。これを代襲相続といい、その相続人を代襲相続人と呼びます。
さらに、代襲相続となるべき孫も死亡等していれば、ひ孫、玄孫(やしゃご)と直系卑属のラインで代襲が続きます。
相続人の兄弟姉妹の代襲相続
相続となるべき兄弟姉妹が死亡等している場合、それらの子(被相続人の甥や姪)が、被相続人の兄弟姉妹に代わって代襲相続人となります。
但し、兄弟姉妹の場合は、甥や姪で打ち切りになり、それより下位は代襲相続人にはなりません。
代襲相続の発生事由
代襲相続は、相続人になるべき子や兄弟姉妹に以下の事由が発生した場合に限ります。
・相続開始日以前に死亡している
・相続欠落(※)にあたる
・相続人を廃除(※)される
なお、相続放棄をした人は、初めから相続人でなかったものとみなされるため、代襲相続は起こりません。
(※)相続欠落:被相続人の殺害等の相続に関わる犯罪を起こした推定相続人は、自動的に相続権を失います。
(※)相続廃除:遺留分のある推定相続人のうち、被相続人に暴力を振るう等一定の理由がある場合、被相続人の申し立てにより相続権をはく奪することができます。
相続人になれる場合(〇)、慣れない場合(✕)
内縁の妻や夫 ✕
相続人になる配偶者とは、婚姻届けを出している法律上の配偶者となります。入籍しない夫婦、いわゆる事実婚も含め内縁関係にある妻や夫は相続人になれません。
長期にわたり事実上離婚状態にある配偶者 〇
配偶者に相続権があるかどうかは相続開始時の戸籍できまります。
たとえ、離婚の協議中に被相続人が死亡した場合でも、正式に離婚するまでは相続権があります。
離婚した元配偶者と子ども 元配偶者:✕ その子ども:○
非相続人と離婚した元配偶者は、当然相続人にはなりません。しかし、その子ともは、離婚によって親子関係がなくなるわけではないので、父と母のどちらが引き取ったに拘わらず嫡出子として相続権があります。
再婚した配偶者と連れ子 再婚した配偶者:○ その連れ子:✕
被相続人と再婚した配偶者はもちろん相続人となります。しかし、その連れ子は親族関係がないので相続人にはなれません。
非嫡出子 母親:〇 父親:認知した場合 〇
母親と非嫡出子※は出生により母子関係が生じますが、父親と非嫡出子は、父親が認知した場合に初めて父子関係が生じます。
※嫡出子:婚姻関係にある男女間に懐胎・出生した子
※非嫡出子:内縁など婚姻関係のない男女の間に生まれた子
養子 〇 (但し、特別養子の実親の相続人 ✕)
養子は実子(嫡出子)と法律上、同等に扱われます。従って、当然相続人になれます。
POINT普通養子(一般的な養子縁組により成立した養子)は、養親(育ての親)だけでなく、実親からも相続できます。
特別養子(特別な事情で育てることができない子供を他の家庭で養育できるようする目的で設けられた制度の養子。原則15歳未満で、実親の同意が必要)は、養親からの相続は当然受けられるが、実親からは相続を受けることはできない。
相続開始時にまだ生まれていない胎児 〇
相続に関しては、既に生まれたものとみなされ、相続権を持ちます。ただし、死産となった場合は相続人になりません。
育ての親 ✕
非相続人には、配偶者も子もいない場合で、育ての母と、父親と離婚し生き別れの実母がいる場合。
育ての母が、被相続人の養育に以下に貢献していようが、法的には親子関係がなく、相続人にはなれません。
一方、生き別れの実母は、父親と離婚していても、被相続人との親子関係がなくなるわけではないので相続人となります。
夫と義兄が同時死亡した時の甥姪(下図) ✕
交通事故等で被相続人とその兄が同時に死亡した場合、被相続人とその兄との間では相続はなかったものとなり、結果、甥や姪も代襲相続人になれない。
したがって配偶者が100%相続することになります。
但し、被相続人が義兄よりも先に死亡したことが明らかな場合は、配偶者と甥と姪(代襲相続)が相続人となります。
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